色々と現場でSEOのお仕事をさせていただく中で、最近、SEO施策を支援する事業に2つの傾向が見受けられました。ですので、私の見解も添えつつ「最近のSEO施策傾向はこんな感じになってますよ~」という感触をふわふわっとご紹介したいと思います。
背景としてSEOの本質を探る
今まで何度も説明してきましたが…今さらながらここで改めて、ちょっとSEOについてご説明します。
そもそもGoogleは「検索ユーザーが優れたサイトを発見し、求める情報に合致した内容を返すこと」を目的として検索エンジンを日々改良しているわけですので、当然、SEOを行うサイトには「検索ユーザーにとって優れたサイトとなり、求める情報に合致した内容を作ること」が求められるわけです。
この考えを突き詰めていくと、様々なSEO施策要件の先に、結局2つの改善事象に辿り着くわけです。
- 優れたサイト=ユーザー体験(UX)を最適化すること
- 求める情報に合致した内容=検索クエリを広く深く追及すること
ということで、この2つの傾向についてご紹介します。
UX最適化志向
ユーザー体験(User Experience)最適化志向――つまり、セッションを良くしていこうという考え方です。“考え方”と言うと、一面的な言い回しになってしまいますが、ユーザーのためにサイトが存在しているわけですので、サイト改善としての真理になります。
これをどう分析・改善していくかというと、単純にPCやスマホでサイト訪問して使い勝手が悪いところを指摘するわけではございません。Google Analytics等の分析により、セッション(≒カスタマージャーニー)上、ネックとなっているページを見つけ出します。ネックというのは、離脱率が高いページですね。もしくは滞在時間が短いページも対象になると思います。そしてコンバージョンまで至らなかったユーザー動線を解析することで、情報設計やUI(User Interface)の見直しを図るわけです。当然、改善するためにはユーザー目線でサイト内移動をしなければならず、ここにユーザー心理の仮説立てを行うことも必要です。
ここでは簡単に言っていますが、このUX最適化手法が分かりやすく共有できるようなSEO運用支援やコンサルティングにおいて各SEO会社の特色が出ており、現在の主流となってきています。セッション改善からSEO改善するイメージですね。
検索クエリを広く深く追及
UIがまとまってくれば、あとはその内容です。ユーザー心理を掴んだ文章や見せ方がしっかり出来ているかが大事ですし、Googleのアルゴリズムもこの部分に強いシグナルを持っています。しかし、検索ユーザーがどういった内容を求めているかを考えるには検索クエリを深く分析する必要があります。検索語句ひとつだけでは心理を把握できないので、検索結果に出てくるサイトページの内容を吟味しつつ、派生する検索語句を同じように広げて分析していくことで、ユーザーが求める情報が何かを仮説立てられるわけです。
実際には、検索クエリとその派生クエリを全て洗い出し、それぞれの検索結果に出現するサイトページを分析しなければならないので、工数負荷がかかります。この作業を短縮化できるAIや人員、システム手法において、これまた各SEO会社の特色が出ており、それぞれの検索市場の捉え方をどうするかが主流となっています。
でも結局…
こんな感じで2つの事業傾向がございますが、どちらも非常に重要ですし、短期的な改善や支援となるものではございません。改善し続けなければなりませんので。
でも結局、いくらこの2つが主流だからと言って、この2つだけ始めても仕方ないわけで…。やはりSEOは見つけやすさ(ファインダビリティ、クローラビリティ)やコーディング要件(表示速度、サイト構造)、外部分析(リンク、レピュテーション、サイテーション)等々、全体のあらゆる要素を見据えて管理・改善していかなければならないわけで…。
外部リンクやコンテンツSEOからはじまり、今ではUXやカスタマージャーニー等が流行り言葉のように感じられます。それが決して間違っているわけではないと思いますが、闇雲に局所的なところから手を付けるよりも、サイトの改善項目全体を把握しながら1つずつ改善していく進め方が宜しいかと思います。そうじゃないとSEO施策迷子になっちゃいますので(笑)。