長年SEOでお取引をしている中で、その動きがうまくいっている企業様との例をご案内します。
「それでうまくいくならやる」
これは私が取引先に言われて非常に嬉しい言葉です。こういった企業とは巡り合うことがなかなか難しいのは分かりますし、ご担当者様にご理解いただいても企業として社内事情上難しかったり、部署をまたいだ業務がスムーズにいかないこともあったり…SEOにおける業務を達成していくことは様々な要素をクリアしていかなければならないことも承知しています。ただそれでも稀に全て対応可能な企業があって、ご担当者様から「それをやることがいいことなんでしょ?私もそう思うからやってみるよ」と言われると小さくガッツポーズしてしまうものです。当然結果は検索順位の向上という形で現れ、正のループが回っていくわけです。
マイナスを無くす
SEOを最大化していくにはまずマイナスをゼロにしていかなければなりません。サイト構造や構文、リンク構造など…数えたらキリがありませんが、各項目別にサイトを検証し、Googleのガイドライン準拠とWebMasterTool、私の検証結果をもとに「こうすることがSEO上は良い」「貴社サイトをこう直していってください」というご進言を行っていきます。まずはそこを対応していただくことでマイナス要素を減らしていきます。
プラスにしていく
マイナスをゼロにしたところで、当然SEOを完遂したことにはなりません。次にゼロからプラスにしていかなければなりません。実はここが日々の業務の中での盲点です。「だってこの会社のサイトだってやってないじゃないか」「このサイトだってこんなことやってるじゃないか」と言われることがよくあります。なかなかにして日本人っぽい意見ですが、相対評価で検索順位が決まるのだから他がやっていないことをやっていき、差別化やプラスをしていかなければならないのです。こんな当然の考えがビジネスという場になるとついつい見失いがちなんですよね…。
でもここはグッと気持ちを抑えて頂き、他の競合サイトにあるコンテンツはもちろん、他の競合サイトにはないけど有益に違いないと思われる情報を分析、研究し、深く掘り下げた内容を紹介していくことが重要です。つまり「このサイトさえ見れば、この検索キーワードから流入してくるユーザー全ての知的欲求に応えられる」ものを追求していくことです。これは絶対に“情熱”が必要です。
プラスを強固なものにしていく
私は自分のサイトのオーソリティ性(権威性)を高めたり専門性を高めるために、積極的に関連するリアルイベントに参加したり、問い合わせをしたり、オンラインコミュニティを作ったり、さらにそのコミュニティで知り合った人と実際にお会いして仲良くなったり…様々なオフライン活動を行いました。結果として、自分の考えを論理的にサイトで紹介したり、裏付けのある情報を発信できたり、知り合いになった中で自分のサイトを保有している人からリンク紹介してもらえたりするようになりました。これって立派なオーソリティ性の向上だと思うんです。これが企業の場合は事業を見直したり、サービスを見直したり、顧客とコミュニケーションをとっていったりすることだと思います。業界によってこの辺の動きは異なりますので、抽象的にしかご説明できませんが、そういうことだと考えています。
終わりなきSEO
さて、表題で書いた「素敵なSEOサイクル」と呼ぶべき内容がここです。
ここまでの動きを全て実践いただいている企業やご担当者様が今どんなことをやっているかをご案内します。SEOに終わりはありません。情報には鮮度がありますし、新しいことはいくらでもありますし、Googleのガイドラインだって変わりますので。ですので、いつも新しいコンテンツやキャンペーン、ユーザーの使い勝手を良くすること等、ブラッシュアップをし続けていくわけです。長期的にお取引している企業とは「今度こういうことをやって行こうと思うんだけどどう思う?」「なるほど、それでしたらこういうやり方はどうでしょう?SEO的にもユーザー的にも効果的になると期待できますよ。」という建設的なやり取りが増えていきます。こうなってくると高検索順位をキープするだけでなく、アクセス数やリピート率、滞在時間やセッションあたりのPV数等、様々な数値がKPI化してきますし、健全な業務サイクルが遂行されるのです。これが私の思う「素敵なSEOサイクル」です。
そして、もうひとつ…。
これが面倒なのですが、世の中には色々な人がいらっしゃるようでして…せっかく情熱をもってサイトを作っても、それをパクるサイトがあるんです。いわゆるスクレイピングですね。自分が「良く書けた」と思ったコンテンツの中のテキストを任意に20文字くらいピックアップしてダブルコーテーション「”」で括って検索すると、自分の書いた文言がそのまま使われているじゃあーりませんか!?これはデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づいてGoogleに申請(こちらがフォーム)すればインデックスから削除してくれるわけですが、必ずしもGoogleが全て対応してくれるとは限りません。証拠不十分と言われて対応してもらえなかったりすることもしばしば。でも放置していて、スクレイピングしたサイトの検索順位の方が自分のサイトより上にきたら堪ったものじゃありません。目を光らせながらもオーソリティ性を担保し続けなければならないでしょう。
あとはネガティブSEOですね。わざと変なリンクを貼って意図的に順位を落とそうとしてくる人もいるわけなので、随時WebMasterToolで被リンクを確認しつつ、変なものはリンク否認ツールから申請するという業務も発生してきます。うまくいっている反面、他からの攻撃を迎撃する作業が増えてくるわけです。これを私は“もぐら叩き”と読んでいます(笑)。
こんな感じで終わりなきSEOの旅は続くのですが、でも最後の”もぐら叩き”に注力できるということはうまくいっているわけで、私の考える「素敵なSEOサイクル」に突入した証拠なのかもしれません。