Googleは米国現地時間6月26日、XMLサイトマップについてpingで送信するサポートを終了した旨、発表しました。日本語でも出ています。Ping送信といっても…検索エンジンにHTTPリクエストでサイトマップを送信する方法を…そもそもご存じだった人も少ないと思いますので、そこには今回触れません。むしろ今回の記事を通してlastmodの重要性とXMLサイトマップに対する概念についてご説明したいと思います。
Sitemaps ping has ponged! We're announcing the deprecation of the sitemaps 'ping' endpoint (effective end of year), and providing some recommendations for the use of the lastmod element: https://t.co/eW7K5xI1Fu
— Google Search Central (@googlesearchc) June 26, 2023
引用)@googlesearchcより和訳
lastmod要素に関して
XMLサイトマップにURLを記述すると同時に、そのURLの最終更新日を記述するlastmod要素も記載してください。<url>の中に<lastmod>で以下のように年月日を入力するだけです。
<lastmod>2023-07-03</lastmod>
<loc>http://www.example.com/</loc>
</url>
lastmodは全てのページURLで記述する必要はありません。運用や更新性の高いページを対象に記載すると良いでしょう。例えば、最新情報を発信し続けるコラムで新しい年次の情報が必要なページ(令和〇年度の試験スケジュールとか202X年の最新調査とか、そういうのが記載しているページは更新する度にlastmodを記述するのは重要ですよね)に入れ込むと良いと思います。
Googleはこのlastmodの有用性を理解し、重要視しようとしてくれています。
引用)検索セントラルブログより一部抜粋
ただし、実際に変更した時期とlastmodへの記載時期が合致していることが重要です。これが大きくずれてしまうと、もうGoogleからそのXMLサイトマップのlastmodは信用されなくなってしまうからです。
引用)検索セントラルブログより一部抜粋
また、ちょっとした変更で、些末な変更程度であればわざわざlastmodを書き換える必要もありません。あくまでもページのコンテンツ主旨に関わる変更や重要な情報部分を最新情報に更新した時にlastmodを変更すると良いでしょう。
引用)検索セントラルブログより一部抜粋
他にも、プラグインでデフォルト実装されがちなchangefreq(主な更新頻度を表す)要素もpriority(ページURLの重要性の割合を示す)要素もGoogleはサポートしていないので記述は不要です。細かい部分は、検索セントラルブログをご覧ください。私からlastmodに関するご紹介は以上です。
XMLサイトマップに対する期待値について
XMLサイトマップやその中のlastmodをGoogleは重要視しているので、私もXMLサイトマップの実装を推奨しています。しかし、あまり強く推奨すると勘違いされてしまうのですが、XMLサイトマップの実装と送信はランキングを約束するものでも、インデックスを約束するものでも、クロールを約束するものでもありません。「インデックスしてほしければXMLサイトマップに記述する=XMLサイトマップに記述されればインデックスされる」ではないのです。
以前の記事でもGoogleオフィスアワーの質問と回答部分で紹介していますが、以下のようなやり取りがありました。
5.サイトマップを送信しましたが、検索結果に表示されません。なぜでしょうか?
Gary:匿名の質問です。「サイトマップを送信したのですが、検索結果に表示されません。」
サイトマップ内に記述されているURLのことを指しているのだと思われますが、あくまでもサイトマップは検索エンジンにコンテンツの所在を伝える手段であって、それ以上でもそれ以下でもないことを覚えておいてください。サイトマップで提供したURLに対してクロールを保証するものでもなければインデックスされることを保証するものでもありません。どちらもコンテンツの品質と、インターネット上での相対的な人気度によります。
Googleへ「こんなページがあるよ」と伝えることはできても、Googleが動くかどうかはGoogle次第、ということです。「だったらXMLサイトマップを記述するより内部リンクを強化したほうが良い」という考えの人もいるならその通りかもしれませんが、まぁXMLサイトマップにしっかりと記述してマイナスは無いのでやったほうが良いとは思います。
また、不動産の物件ページや人材の求人案件ページ、ECの商品ページ等、公開や非公開、在庫の有無等が激しいページURLはXMLサイトマップに記載すべきか、というご相談をよく受けます。私の回答としては以下の3パターンの状況に応じて変えています。
- 在庫や状況によって非公開を予定するならわざわざXMLサイトマップに記述しなくても良い。
- 在庫や状況によってnoindexを予定するならわざわざXMLサイトマップに記述しなくても良い。
- 在庫や状況によってページ内でその旨を伝え(「今は無いです」的な)、インデックスしたままレコメンドとして他ページを紹介する(「類似としてこちらがオススメです」的な)ならXMLサイトマップに記述してlastmodを使うと良い。
そして私は(何百万ページと存在する大規模サイトでない限り)3.の状況とその対応を推奨しています。それによって検索ランキングが保証されるかどうかは分かりませんし、そのうえでGoogleがどうコンテンツ判断するか次第ですが、少なくともページランクのある(ランキングパワーの強い)ページは維持できるかな、と。
とはいえSEOアプローチとして色々なやり方があるので、私の考える方法が正解ではありません。正解はGoogleのみぞ知る、です。
皆さんはどうお考えですか?
私の意見として上記もご参考くださいますと幸甚です。