SEOでまず一番最初に検証すべきはクロールフレンドリーであることとインデックスされているかということです。ですので、クロールとインデックスを検証する上で1丁目1番地となる最低限の考え方を簡単に解説しておきます。今回もGoogle推奨事項だけではなく持論も入れていますのでご注意ください。Google公式のクロールとインデックスの仕組みを知りたければこちらをご覧ください。
サイト全体が正常にクロールされているか、そのうちインデックス率はどれくらいか
Web上には膨大な数のページが存在するため、Googleがその全てを満遍なくクロールすることは不可能です。各サイトの主要なページを効率的にクロールするため、Googleは1度にクロールする量をサイトごとに定め、制限をかけるようにしています。この、1度にクロールする量のことを“クロールバジェット”といいます。
数万ページ以上にわたる大規模サイトでない限りは、クロールバジェットについて神経質になる必要はないものの、動的に生成されるページやパラメータ付きURLが予期せず大量発生している場合、本来クロールやインデックスされるべきページが阻害される(クロールやインデックスが及ばなくなる)ことになるため、どんな規模のサイトでも常にクロールとインデックス状況はチェックしておく必要があります。Google Search Consoleの[インデックス作成>ページ]の項目で詳しい状況を確認できます。特定のURLのクロールとインデックス状況を個別に確認する場合は[URL検査]を使用します。
自然検索流入を見込むページがインデックスされていない場合、以下の原因が考えられます。
- ページが発見されていない、クロールされていない
- クロールされた上で、インデックスに値しないと判断されている
- 意図せずクロールやインデックスを除外する設定になっている
1.の場合はXMLサイトマップへの登録(後述)やリンク導線の見直し、2.の場合は他ページとの重複や類似を回避し、独自性のあるコンテンツ内容になっているかどうかの見直し、3.の場合はmeta設定やrobots.txtの見直しによって対処します。
近年、GoogleはSDGsの観点から無駄なエネルギー消費を控えるようにしており、有益性や独自性が低いと見なしたページは積極的にクロールやインデックスをしない方針を取っています。そのため、いくら新しいページを大量に作成しても内容が薄ければインデックスされず、流入は見込めません。ページをひたすら大量生産する方法ではなく、本当に有益で高品質なページを厳選して作成する方法をおすすめします。
Googleのインデックス時におけるメカニズムやリンクについて
ついでに、Googleがインデックスをどう管理しているか、またそのインデックス価値やページランクをどう評価付けしているかの仕組みについても解説しておきます。
インデックス分別はリンクの価値に影響を与える
ページがインデックスされているGoogleのデータベース場所とその価値の相関性を示す、“sourceType”という指標があります。簡単に言うと、Googleによるインデックスは分別化されており、最も重要で、定期的更新され、アクセスされるコンテンツはフラッシュメモリ階層に保存されます。不定期に更新されるコンテンツは標準のハードドライブ階層に保存され、重要度の低いコンテンツはソリッドステートドライブ階層に保存されます。
そして、データベースの階層が高いところにあるページほど、ページランクが高くなります。また、そのページから発せられるリンク価値も高くなり、さらに鮮度の高いページからのリンクも高品質扱いされます。つまり、リンクは鮮度の高いページやフラッシュメモリで保存されているページから被リンクされることが重要です。これは、“ランキングの高いページやニュースページからリンク取得すると検索順位評価が向上する”メカニズムのひとつであることを表しています。
新規ページの初期ページランクはそのサイトのトップページのページランクが代替される
全てのWebページには、そのサイトのトップページのページランク(“Nearest Seed Ver.”)が紐付けられています。そして、新しいページがそのページ独自のページランクを取得するまで、トップページのページランクと“siteAuthority(サイトの権威性を定量評価するアルゴリズム)”が新しいページのプロキシ(代理)として使用されます。
Googleはトップページの信頼度に基づいてページランクを変える
Googleはトップページをどの程度信頼しているかに基づいて、そのサイトからの発リンク評価方法を決定します。ですので従来通り、被リンクされる上では量ではなく品質と関連性に重点を置く必要があります。
これらを理解しているかどうかで捉え方も変わる!?
今回の記事は、これを知っているからランキング評価に向けた施策を具体的に考えられる、というような内容ではありません。あくまでも仕組みの話です。でも、こういった内容や背景を知っておくことで、なんとなくどうすれば良いかの考え方をイメージしやすくなるのではないでしょうか。是非ご参考ください。