報連相の在り方

組織で働くことにおいて非常に重要な“報連相”。でも、この報連相を「ただただ、早く正確に伝えれば良い」とだけ思っている人も多く、社会人になって何年も経ってから報連相の難しさを学ぶケースも多いです。そこで、なぜ報連相が重要か、本来言われていること以外に、私なりのふわふわ持論を展開したいと思います。

ほうれん草

私が考える報連相の重要性

そもそも報連相は“早く、正確に”伝えることが大前提です。起こった事実と、それに対する(自分が予定している)策を事前と事後に報告することで、業務の円滑遂行だけでなく自身の信頼も得るようになります。まぁ、ここでは“早く、正確に”伝えなければならないこれ以上の理由は割愛します。

それも踏まえて私は、報連相は以下4つの目的と重要性を含んでいると考えています。この4つが本当に大事だと思っています。報連相は単に部下から上司に行うだけでなく、同僚間やプロジェクトチーム間、業務取引間でも重要で、年齢や職歴に関係なく、組織を強化・拡大していく上で、本当に…本当に大切な概念だと考えています。

報連相業務に求める4つのポイント

  • 複数人で共有することで、業務そのものを円滑にし事故やミスを未然に防ぐ
  • 自分では分からないことや判断できないことを受け手側から教えてもらう
  • 自分の考えを伝えることで、その是非を受け手側にチェックしてもらい、多角的視野を得る
  • 受け手の気持ちを酌むことで、いずれ報連相を受ける側に回り、責任を負う側に進化していく

上記4つのポイントのうち、1つ目と2つ目はそのままなのでその意味はお分かりいただけると思います。ただ、3つ目と4つ目のポイントが分かりづらいと思いますのでご説明させていただきます。

伝えることだけが目的ではない

まず、3つ目と4つ目をご説明する前に、必ず理解していただきたいことは、ただ事実を伝えれば良いわけではないことです。そういう直線的思考で報連相をしても、いつまで経っても報連相のレベルは上がりません。現状報告や現状相談をそのまますることだけが重要なわけではないんです。

報連相にはまず事実を迅速かつ正確に伝える必要があります。そして、その後その事実に対して自分がどう動いていくつもりかも伝える必要があります。例えば「○○(事実や状況説明)です。そこで、私は△△(今後の業務活動)に動いていくことで便宜を図りつつ、今後の対策としていきたいと考えておりますが、ご判断を仰ぎたく存じます。」という言い方をしたりします。そのように自分の意図も伝えることで、報告相手にそれが適切な処置(や思考回路)かを教えてもらう機会にもなります。結果、報告相手が「ではその内容で進めてください」だったり「そのやり方では□□の部分で問題が生じる。別の◎◎な施策で解決してみなさい」だったり回答するはずですので、その場での適切な処置を知ることができるだけでなく、今後の処置方法における手段を学べるようになります。

最悪な報連相は「どうすれば良いでしょうか」という全面的な投げかけ。これでは、報告を受けた側は報告している側が何を考えているかも分からず、適切な処置方法を教えたくても無下に「じゃあ、こうしなさい」と命令するだけになってしまいます。報告する側においても考えようとしていない報連相になるので、今後における建設的なコミュニケーションやスキルを見込めるとも思えません。これが前項の3つ目で紹介したポイントのご説明です。

そして、4つ目のポイントですが、これは3つ目のポイントでご紹介した現状報告と自分の考えだけでなく、さらにその判断に至った材料を提供して指示を仰ぐことです。つまり、報連相をする側がその状況において一番詳しいはずなので、状況を判断する際に踏まえなければならない条件も掌握しているはずです。そこで「今回報連相をする上で、ポイントは○○○○です」という前提事項も明示する必要があります。

報連相相手の意向を酌む

例えば、下記の報連相をするとしましょう。

「来週の木曜日ですが、私用のため有給休暇を頂戴したいのですが宜しいでしょうか。」

そもそも有給休暇を取ってはダメということはありませんが、その報告を受けた上司は「良いけど、休んで大丈夫なの?プロジェクトは問題なく進んでいるの?」と不安になると思います。そこで次のような言い方に変えて報告をするのです。

「来週の木曜日ですが、私用のため有給休暇を頂戴したいと考えています。現在進行しているプロジェクトは完成まであと1ステップとなっており、既に●●さんが明日までに作成いただけるとのことで、今週中には完成します。完成後はすぐにご報告しますので、手直しが入っても来週の木曜日前には解決可能です」

こういう報連相であれば、受け手は安心し「了解」だけで済むと思います。同時に、こういう言い方をしていくことで、報連相する側は“どう伝えれば相手が理解し、ストレスなく判断を容易にさせられるか”の思考訓練にもなるのです。これが上司と部下の間柄であれば、上司は(安心するようになるため)その部下に信用を置きやすくなりますし、その部下に任せるようになります。

それがないと、ただただ上司から許しを得るためだけの報連相になってしまい、上司の「いいよ」「駄目だよ」と言う判断待ちなだけになります。これでは奴隷契約みたいなものです。それを嫌がる上司は逆に色々と質問せざるを得なくなると思います。結果、だらだらと報連相コミュニケーションが間延びし…時間的にも感情的にも非建設的になってしまいます。

ぜひ立体的思考を

繰り返しになりますが、ただ事実を伝えれば良いという直線的思考の報連相は次のステップ(スキル)には到達できません。様々な要因を解釈し立体的思考で報告できる人間が、最終的に信頼を受け、次の人材を教育し、責任を負う立場へと成長していけるということをぜひ理解しておいていただければと思います。

説教染みちゃいましたが、久しぶりに業務姿勢について触れてみました。

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