自分に過度な期待をしない

仕事の様々な局面で細かなミスやインシデントを起こした人がよく「今後気を付ける」とか言っているのを耳にします。それに対して上司も「やればできるんだから」と返していたり…。私から言わせれば、それは茶番です。むしろ「出来ない自分がどういう具体的仕組みを作れば出来るようになるのか」と思った方が結果を出しやすい、と思っていますのでそんな記事を書いてみたいと思います。

桃の季節

やればできる=やらない自己暗示

まず、以前どこかのCMにもありましたが「やればできる子」という言葉が私はあまり好きではありません。同じ理由で「ノー残業デー」も「レディースデー」もそこまで好きではありません。一見すると、素敵な言葉に聞こえますが、「ノー残業デー」は当該日以外は残業日であることが前提ですし、「レディースデー」以外は男性優位な日であることを助長しているように聞こえるからです。
同じように「やればできる」というのは「やっていない」ことを裏付けている印象が強いんです。やっていてもできない人に「やればできる」って…個人を追い詰めているように感じますし、何より自分自身に「やればできる」と言い聞かせるほど変なマインドセットは無いのではないでしょうか。それよりも「自分はやらないから、どうやったらやるようになるか」と考えた方が良いと思うのですが…。

今後気を付ける=それで出来たら最初から出来てる

また、「今後気を付けます」という言葉。これにも私は違和感を覚えます。気を付けて出来るなら最初から出来るはず。気を付けていても出来なかったからミスを犯したはずです。ですので「気を付けても出来ない自分は、どういう風な行動をすれば気を付けざるを得ない――出来ざるを得ない自分になるか」を具体的な仕組みとして考察することが重要なのです。

私はイチローの大ファンです。彼の様々なインタビューも観てきましたし、彼の引退会見もノーカットで観ました。曲がりなりにも彼を観てきた私の勝手な解釈で思うのは、彼の独特なルーティンの裏側には「自分は弱い人間だから常にルーティンとしての運動を取り入れることで、パフォーマンスを発揮せざるを得ない」状況を作っていたのではないでしょうか。それを「強い人間」とか「弱い人間」とか周りがどう評価しようが、関係ないですよね。自分自身がどう捉えるかが大事なわけですから。

これはマインドセットの話

こんな感じで、私が思うことを記事化してみましたが、最後にひとつ。これらは他人に言うものではありません。だって、これを他人に言ったところでナルシストっぽいですよね…。「自分は出来ない人間なので…」とか説明しても、他人からすれば「あぁ、そうですか」としか思えません。せめてツイートするくらいですね(笑)。

どんなに格好良く言っても、自分のマインドセットの話を他人にするのは、やっぱり印象が悪いです。私こうします宣言をしても、人当たりの良い上司が「そっか!それは素晴らしいね!是非頑張ってくれたまえ」と返事してくれる程度じゃないでしょうか。

どんなに働き方や環境が流行に合わせて刷新しようとも、個人がビジネスとして心得ておく内容は昔から不変です。だからこそ、マインドセットというのは流行とは別に自らに設定するようにしておきましょう。逆に、流行に合わせたマインドセットでは、いつか新しいマインドセットの潮流に呑まれ、それまでのアイデンティティを狂わせ、そのうち「最近の若い子は…」と愚痴る中高年になってしまいますよ。

カテゴリー

新着記事

人気記事

過去記事