業務は「終わり」で握る

当たり前の話なのですが…仕事においての業務報告が「今やってます」とか「今からやります」で終わる人が意外と多いことに気付きました。もちろん社会人経験や組織経験が少ない人に多いのですが、仕事というのは業務の「はじめ」や「今」で握るのではなく、いつ完了するかの「終わり」で握る(共有する)ことが大事です。今回はそんな働き方における報告業務について書いておきます。

仕事は必ず誰かと接触する

よく、何かのワンシーンで母親と子どもが「宿題やったの?」「今やってるよ!」とやり取りしているケースを見ますよね。かくいう私も子どもの頃はこんな会話を母親とよくしたものです。しかし、これは飽くまでの自分のための宿題の話であって、仕事とは違います。

社会人が従事する「仕事」。そんな仕事において、ひとりで完結する仕事ってかなり限られると思います。少なくとも私はひとりで完結する仕事を思いつくことはできません。仕事って必ず誰かしらの何かしらと関係しているから仕事になるんだと思います。たとえ芸術家であっても、それが仕事であればひとりで出来るものではなく、生み出したそれをプロモートしたりマネジメントする仕事の人が必要なはずです(全部を一気通貫でひとりでやる仕事もあるかもしれませんが、その場合は顧客とやり取りする仕事が生じますよね)。だから、ひとりで出来る仕事があったところで、それはもう仕事じゃなくて趣味――せめて個人的活動という意味合いになると思います。

つまり、何をしようとも、ほとんどの仕事は誰か(別の人間)の評価が入りますし、誰かの仕事を受けて次の誰かが仕事をし、請け負いも重ねながらビジネスの輪を紡いでいくものだと思います。アウトプットを重ねていく感じですよね。仕事の源流なんてもはや存在しなくて、メビウスの輪のように連鎖を繰り返しています。

仕事は「終わり」で握る

そんな「仕事」なわけですから、誰かと連携を取ったり、報連相をする上で「今やっています」とか「これからやります」はもう無意味な報告であることは理解できるかと思います。「これからやります」と言われた側は、それを受けて何をすれば良いのか…「今からやります」と言われた側は、それを受けて何をすれば良いのか…「はぁ」としか言いようがないですよね。

仕事は「いつ終わるか」を伝達することで、それを受けた人が「じゃあその終わりを受けて○○しよう」と考えるわけです。だから、報告に大事なのは期日なのです。

発注や命令する側はざっくり言うかもしれません。「これ、やっといてくれる?」とフランクに命令するかもしれません。ただ、それを受けた人が「分かりました、今からやります」と回答するだけでは仕事を紡いでいくことができないのです。さも「今からやります」という言葉がフットワークの良い社員の演出に繋がっているように勘違いする人がいますが、「今から」やって、それが1日かかるのか3時間で終わるのか、はたまた1週間かかるのか分かりません。だったらそんな報告は要らないのです。

「これ、やっといてくれる?」とフランクに命じられても、「分かりました、今からやりますので○○までにご提出します」と返すようにしましょう。これが上司や部下だけでなく、B2Bの顧客だけでなく、B2Cの顧客でもすべての局面において、物事を円滑に進めるコミュニケーション手法なのです。

分かっていても、ついつい条件反射的に「今やってます」とか報告する人も多いのでブログに書いておきました。仕事は「しりとり」と同じです。「終わり」で握ることを是非徹底してみてください。

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