ビジネスはより“個”へ

最近私の周りでは、男女限らず若い層(20代~30代)の独立&法人化、中高年層(40代~50代)の個人事業化が増えてきており、また成功しているケースが増えてきています。「営業車がポルシェ」「毎日16時までしか仕事を入れない」等、お金と時間を楽しく利用しているようにも見えます。もちろん個人個人が皆さま優秀だからなのかもしれませんが、まったく平均年収が上がらない日本の状況や旧態依然とした役員利権主義組織がまだまだ多いこと等を考えると、働き方が色々変わってきたのではないかと思います。そこで、現在の私の感想をちょこっと記載しておきます。そして、5年後にこの記事を読み返した時、この記事が正解だったのか自己採点して答え合わせしたいなと思っています。

背景にはコロナ禍

これはまったくの私の肌感ですし、あくまでも私の業界内での話ですが、コロナ禍によってこの風潮が始まった気がします。まず、コロナ禍においてオンラインミーティングが主流になり、社内外共にミーティングは全てWebになりました。そして社内においては諸稟議に関する申請や押印が紙からデータになり、職場にすらいなくても済むようになりました。経営陣からしても余計な家賃や光熱費が抑制できるようになり、一部の会社や一部の部署でWin=Winの状況になりました。社外においてもお互いがテレワークになり、提案資料や契約書等のやり取りに関してもお互いの上席や会社側が柔軟になることで、一度も会わずして新規契約をするようなことも増えました。むしろ移動時間や会議室の確保、無駄なアイスブレイクの排除もできるようになり、時短にも繋がりました(私はアイスブレイク必須派ですw)。
そうすると会社員はいよいよ東京にいる必要が無くなり、埼玉や千葉にIターンし、家賃を下げたり家を広くしたりするようになりました。その分交通費が増えますが、基本テレワークにすることで会社側の負担も抑えられるようになりました。

テレワークが増えることで、(完全売り手市場の人材業界において)転職時にもテレワークを働く条件とする応募者が増え、企業側も採用条件にテレワーク可とすることを余儀なくされ、それが主流となりました。そして、ビジネスシーンにおいても所属企業とテレワークで繋がりつつ、企業間コミュニケーションもテレワークになるという…完全に企業が置いていかれ、まるで個人間でのやり取りのようなビジネスコミュニケーションが増えました。そうなると企業に所属している社員の愛社精神や所属意識が薄れてくるのは必定です。同時に、(先に述べたように)稟議に関するデータでのやり取りが中心になるため、NDAや反社会的勢力に関するチェックは重要ながら、それ以外の企業取引に関する与信等も柔軟になった気がします。

ここまでくれば当然、若年層は「自分でも会社を出来るのではないか」、中高年は「自分のペースで好きに業務委託を受けられるのではないか」と思い始めるに決まっています。なぜなら、そうすることで取引している法人価格がそのままほぼ個人給与にスライドできるようになるから、です。
それどころか、働き方も自分で好きに調整できます。「今日のランチは何時に出ようか」「皆が帰るまでもうちょっと会社にいようか」「報告書を出さなきゃ」「共有ミーティングや朝礼が大変」等の余計なジレンマやストレスから解放されます。

単価の低い地方ビジネスでは早い段階でこういったカタチが増え、首都圏でも昨年くらいからこの動きが目立って(きているように私は感じて)います。

取引先も企業ではなく“人”で見るようになった

前述のこともあり、発注企業側もベンダーに求める価値が「この会社だから~」という感情より「この担当者だから~」という感情へと変化してきたように感じます。そして、同じ信用性とパフォーマンスなら、都内の大手企業で高価格より、たとえ地方であっても個人で低価格の方が良いと判断するようになったのです。
何もベンダーが個人だけの場合とは限りません、独立&法人化した都内のベンチャー企業であってもそれは変わらず、フットワークが良く担当者が優れていればそのほうが発注企業側にとっては良いですし、逆に独立&法人化した側からすれば(企業勤めしていた頃よりも)取引価格がそのまま個人収入に近くなるため、この動きはより加速化した印象を受けます。

以下の動画はシークエンスはやとも氏の話です。これからの働き方は「(嫌なことも耐える)人間関係の断捨離」「企業に属する時代や社会の在り方が変わった」ということを、幸福度という視点で紹介してくれています。
 

“人”になるリスクもある

一方で個人でビジネスするのはリスクもあります。それは「ずっと自分がやらなければならない」「休んだら収入も休む」「誰にも頼れない」「年齢を重ねても業務内容が昇華していかない」というような悩みです。より“個”を意識する働き方になることで時間とお金を手にしやすくなりましたが、それも自分の体力が充実していて一定の取引先が半永久的に見込めていることが前提になります。それがないと長期的に安定した働き方にはなりません。

企業に勤めるメリットは「ずっと自分がやらなくても良く、マネジメント側に回っていくことで業務内容を昇華していける」「有給休暇もあり、休んでも収入は継続される」「誰かに頼れる、責任者は別途存在する」という側面があることです。いくら“個”で勝負しても、上手く自分を経営していかなければ自分の時間をお金に変えるだけの働き方になってしまったり、年齢を重ねるにつれ心身ともに新しい動きができなくなってきたりしてしまいます。
ですので、今、手にできるお金と時間では“個”は強いかもしれませんが、将来的安定性という意味では企業に勤めるメリットがあるのかもしれません。

企業側は徹底して再考を

前項で「将来的安定性という意味では企業に勤めるメリットがあるのかもしれません」と記載しましたが、私の個人見解は異なります。業務でのパフォーマンス以外に人間関係や上司等、様々なストレスに耐え忍んで笑顔を作り、それでも「それでお金がもらえるなら」と勤めた企業であってもそこに将来的安定性はあるでしょうか。企業側は社員に対して、突然の解雇にはできなくとも、異動させたり(理由を作って)減給させたり等、居づらい環境を作ることはできるのです。それに対して、社員が抵抗できるのは退職することだけです。この時点で社員にとってはリスクしかないのではないでしょうか?

リスクを負わないようにするために自分を精神的不衛生にするリスクを負っている状況で、将来的安定性なんて見込めませんよね。であれば“個”として勝負しつつ、常に取引先企業が発生する仕組み作りと、信頼できる若い仲間づくりに注力したほうがよっぽど建設的な気がします。

そう考えると、“個”で働くことによるお金と時間、そして将来的安定への仕組み作りができれば、もう勝ちなような気がします。反対に企業側としてはお金と時間と将来的安定性以外のメリットを社員に提供できなければなりません。そうでないと優秀な社員は出て行ってしまいますから。仲間がいるじゃないか!みんなで協力し合うチームワークがあるじゃないか!・・・うーん、まだ弱いですね。そんなことも、“個”では社内外に体制を組むことが出来てしまいます。もっともっと“個”を支援する制度や働き方を良くするこに注力すると良いでしょう。

人には知的欲求/知的好奇心というものがあります。そう考えると企業側には「ここに属していると自分の知的好奇心が満たされる」「常に新しいことをしている」「とても“個”では勝てない」と思わせるほどの企業価値や知的財産が求められていると思う私でした。

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