万事全て先手なり

働き方の話です。私は仲間たちと、ある事業を始めて2年間で安定的に売上を伸ばすことに成功しました。私はせっかちな方ですので、自分の工数設計上○日目の△時間を使って…というよりも、すぐ着手を始めてしまうタチです。そして、動きながら紆余曲折を繰り返します。進めていくうちに、その先にある課題の気配を感じたらすぐに解決手段を考え、事前に実行に移します。結果、ぶつかるべき壁を回避しつつ拡大していくことが出来たと考えています。もちろん実行に応えてくれる仲間たちに感謝しつつ…先手先手という考えがいかに重要かについてご説明したいと思います。

先手

先手を打つことが場を制する

分かりやすい例をご紹介します。例えばある人と社外や喫茶店でミーティングを行うとします。その際は必ず事前に着席して待っておくことを心がけます。そうすると、相手はたとえ時間通りに来たとしても「あ、すみません」と言うはずです。そこで既にちょっと空気間の優劣が出来てしまうんです。もちろん私は一般社会人ですので「遅いぞ!コラ!この度の商談に承諾せい!」と、相手側の「すみません」に託けて圧倒的優位に話を進めようとはしません(笑)。

でも、待っている間にあちこちを見回しておくことで「ここのあの絵は素敵ですねぇ」とか「入口のとこにあるあのオブジェは…」とか、(喫茶店でしたら)「こちらがドリンクメニューです。聞いたところによるとオススメはこのオリジナルブレンドだそうですよ」とか、こちらから色々と会話を切り出せるようになるんです。相手側は「あ…ああ」とか「へぇそうなんですね」とか程度しか返せないでしょう。なにせ今来たばかりですから。

そうなると、場の空気を自分で作っていけるようになるんです。商談に関しましても「お待ちしている間に、考えてみたのですが…」等と(若干嫌みかもしれませんが)話し始めれば、相手は無下にはできないはずです。この場合は物理的な時間軸の話ですが、私はこういう細かな先手が物事を優位に進めることだってできると思っています。

報連相で先手を打つ

社会人歴が浅い人が陥る報連相の難しさ。これに関しても同じことが言えます。事前に報告をしておけば、その後報告相手からの情報も受け取りやすいものです。「●●という案件がございますが、取り急ぎ事前に■■についてご報告申し上げておきます。」という報告をしておけば、報告相手から「先日あなたから報告を受けた●●の件だけど、■■は問題なく進めていく形で決まったよ」と返ってくるパターンが多いのです。

そうすると、今度はどういう動きができるでしょう。「ご連絡ありがとうございます。事前に■■が進むことを想定し、△△という戦略案を考えておりました。」と伝えることもできるはずです。そうすると相手からは「では、この件はあなたに任せます。」と返ってくることもしばしば。結果、プロジェクトを一つ勝ち取ったことになるんです。それどころか信用も得られます。

この動きに慣れてくれば、次は合わせ技です。「●●という案件がございますが、取り急ぎ■■につきまして、承認が下り次第△△という戦略案を考えておりますので、勇み足ながらもご報告申し上げます。」という事前報告をします。すると相手からは「了解。では、承認を得たら連絡します。」と返ってくるパターンが多くなります。それに対して「ご連絡ありがとうございます。では、それまでに私の方で△△という戦略案による長所と短所を下調べしておきますので、承認をいただき次第、一度ご提案のお時間をいただけますでしょうか。」という返答が可能になります。つまり、前述した内容から、同じ会話のキャッチボール数にも関わらず一歩前に進んだ話にすることが出来るのです。

逆に報告が遅れることで、むしろ相手から突かれた場合はどうなるでしょう。「●●という案件に関して、■■の話を聞いていたか?」と言われます。それに対するこちらからの返答は「聞いておりました。ご報告が遅れまして申し訳ございません。」となります。結果、相手からは「気を付けろ。そもそもこういうことを事前に言わないのはなぁ……..」と注意され、信用も失うという事態に陥るわけです。後手後手になると先手先手とは2歩も4歩も差が出るわけです。悪い方に開いた差は…取り戻すのに時間も手間もかかりますよね…。

市場で先手を打つ

私が新規事業やサービス、体制を考える時は2つの側面から検討します。
1つ目は“今の状態のまま進んだら、どこでアッパーラインになるだろう”という切り口です。ここで言うアッパーラインというのは、売上でしたり仕事量でしたり、発展性でしたりします。少しネガティブな印象で捉えます。
2つ目は“そもそも展望としてあるべき事業像はなんだろう”という切り口です。あるべき事業像の中には、売上やサービス内容、効果だけでなく、働き方や楽しさも含まれています。だいぶポジティブな印象で考えます。
そして、この2つの切り口をそれぞれ下から上へ、上から下へ調整していき、接着したポイントが次に行うべきアクションであると見出します。実際、大体そのポイントがビジネスチャンスであることが多いです。SEOコンサルティングも同じことが言えます。「このままのアルゴリズム成長の先にあるべきサービスのアッパーライン」と「そもそもあるべきSEOに対する姿勢」から次のサービスとしての着地点を見出すことが多いです。ですので、新規事業の営業のし始めはお取引先の承認を得ることがなかなか難しいのですが、そこは今まで積み上げてきた信頼と実績で(笑)なんとかクリアしたりしています。

これも市場に対する先手の打ち方だと考えています。

万事先手

つまり「場面で―」という考え方が既に後手後手なんですよね。「そうなったら考える」という危機管理の弱さが後手後手の姿勢を招いてしまうわけです。新しいモノを切り拓く人はいつだって“臆病且つ豪胆”です。ビビリーだからこそ事前に危険を予測する癖があり、怯えることができるのです。そして、豪胆だからこそ、自らの方向性を信じて周りの人間を説得できるんです。

簡単そうですし、当たり前のことを言っていますが、万事先手で捉えるというのは本当に難しいですよね…。私?私はビビリーなだけです(笑)。

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