• 「できるところまでやる」の落とし穴

「できるところまでやる」の落とし穴

よく「できるところまでやってみろ」とか「できるところまでやってみます!」とか「できるところまでやってみよう」とか言われたり言ったりするかと思います。自分の中でそう思うこともあるかと思います。この語句は、一瞬聞こえの良いものに感じるかもしれません。また、なんだか前向きに感じるかもしれません。しかし私はあまり好きではありません。というわけで、たまにはこんな自己啓発的な持論を記事にしておきます。ちなみにこれ、仕事の進め方だけではなく、文章を書く際の進め方など、全てに当てはまります。

「できるところまでやる」は危険

「できるところまでやってみます!」という言い方や判断は、「おぉ、そうか!やってみろ」なんて返答したくなるほど、前向きで自主性の感じる言葉の印象がありますよね。私も若い頃は「よし!できるところまでやってみよう!」「自分がどこまでやれるのか、やれるところまでやってみよう」等とチャレンジしたものです。しかし、これだと実は自分のスキルを超える仕組みになっていないのです。相当根気強く振り返らないとスキルを超える仕組みになっていないのです。以下、その理由と考え方について書いておきます。
 

ゴールを決めていない

「できるところまでやる」という考え方は、ゴールを決めていません。つまり、途中であろうが、初期段階であろうが、ゴールギリギリ手前であろうが、やめることができてしまいます。息切れしたら「はい、終了」と自ら幕を閉じてしまうことができるのです。ゴールが見えていないわけですので、“今”の状態から足し算的に業務作業を重ねていくだけです。重ねるだけですので、どこに進むかも分かりませんし、着地点も見出せません。どこを目指した仮説かを決めていない以上、結果的に効果検証もできません。「こうしようと思ったけど、こうなった」にはならず「やってみたらこうなった」なので検証ができないのです。つまり成長する機会が限りなく少ないということが分かります。
 

「ここまでやる」決めた場合

逆に、「ここまでやろう」「この成果まで進める」と決めた場合、それはゴールを決めてやるわけですので「そのゴールに向けてどうすれば良いか」を“今”から引き算的に進めることになります。そういう進め方は、ゴールから引き算して「ここからはじめて、ここを通ってこうすれば良い」という仮説付けから取り組むので、自然とそこまでかかった時間や効率性、着地に向けたアプローチを効果検証できるようになるのです。そう考えると「できるところまでやる」とは、全然アプローチが変わるということがご理解いただけるのではないでしょうか。
 

「できるところまでやってみろ」は鵜呑みにしない

ですので、上司や同僚から「できるところまでやってみよう」と言われてもそれを鵜呑みにしてはいけません。「だってそう言ったじゃん!」は自分の成長において、何の役にも立ちません。あくまでも第3者はそういうことは言うでしょう。しかし、そんな時は「では、ここまでやってみよう。こういう成果が出るところまで進めてみよう」というように、自分でどこまでやるか、いつまでやるか、しっかり決定して進めることが大事です。いつ何時でも「ゴールから決める」ことはそれほど重要なのです。
 

「できるところまでやる」は限界を超えない

何より「できるところまでやる」が危険な一番の理由として、自分の限界を超えられないところです。「できるところまでやる」は逆に言うと「できないところはやらない」ことの裏返しです。つまり、無意識的に自分の努力に制御がかかり、業務に発展性が無いばかりか成長機会さえも自ら潰してしまいます。逆に、ゴールを決めて引き算で進めるならば、通らなければならない道が生じるので、それに向けて(できなくても)取り組むことに繋がります。ですので、自らの限界を超える機会を経験できるのです。この違いは、実際やってみると分かるのですが、理屈だけではなく非常に大きな差を生みます。

ゴールを決めて進むことはとにかく大事

ゴールを決めて進むことはとにかく大事です。何事もイメージするからその通りに成れるのです。スポーツもライフスタイルも仕事もライティングも全てイメージしてから始めます。「ゴールを決めたら、それ以上にならないし、可能性が無いから面白くない」とか「漫画の主人公はどうなるか分からない冒険をしている」とか思う人もいるでしょう。しかし、頭の良い人や凄い人は、ゴールイメージの段階で既に一般の人と違っているだけで、ゴールは決めているものです。漫画の主人公は…残念ながら作者がゴールを決めています(笑)。

いずれにしても、どういうゴールを作るかで個人差や個性が出るだけで、とにかく何事もゴールを決めて進むことは大事というわけですね。

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