• 課題解決策が課題提起になっている人

課題解決策が課題提起になっている人

仕事に取り組んでいる時、「何度やっても出来ない」と嘆き、その結果もっと委縮していってしまって自分で潰れそうになっていく人を見かけたりします。その人は大抵、課題が見えていても解決策を見いだせていない人です。「課題の解決法が課題提起」になっていることに気付いていません。ですので、そんな話をふわふわっとご紹介したいと思います。

進む

例えば

一番分かりやすい例で申し上げますと、以下の考えで業務のPDCAを回そうとしている人がいます。

「私は〇〇ができない、なので〇〇ができるようになる!」

一見ポジティブに聞こえますが、これは非常に意味がない目標です。「私がミスが多いので、ミスをしないようにする!」と言っているのと同じです。もっと言えば「気を付けます!」を仰々しく宣言しているだけです。私はこういう話をする人を聞くといつも思うのです。「そもそも出来ない人がどうやってそれで出来るようになるんだろう…」と。

つまり、課題を掲げるのは良いのですが、その解決策まで課題提起を繰り返すだけになっているのです。これ、こうして文章で書けば当然のような話ですが、コミュニケーションに埋まっているだけで意外と陥っている人は多いのではないでしょうか。

もっと真摯に向き合う

「課題の解決法が課題提起」になっている人は考えが不足しています。自分を過信しています。そういう人はいつまでたっても課題を克服できず、過信していた自分に落胆し、委縮し…自らに希望すら持てなくなるというパターンになりがちです。

これは最初に「自分なら気を付ければ出来る」という過信をしてしまったことが原因です。もっと自分が弱い人間だということを理解する必要があります。「私は〇〇が出来ない。〇〇すら出来ない人間だから、それを出来るようにするためにはどうすれば良いか」から考える必要があります。この考えはほぼすべての人が持つべきだと私は思っています。どんな偉人であれ上級職であれ、この自分自身に向き合う気持ちは重要です(まぁ、上級職にいる人はこれが出来ているから上級職にいるわけですが…)。周囲と比較して自分より頭が良いと思える人間が一人でも見つけられる人であれば、もうこの考えを持つべきです。

出来るようになる仕組みを決定する

そして、自分自身と向き合える気持ちが整ったら、次に「どういう進め方をすれば〇〇が出来ざるを得ない仕組みになるか」を設定します。つまり「このやり方で進めれば〇〇が絶対に出来る」という仕組みを作ることです。でも、ここでは理解を促すために「出来ざるを得ない仕組み化」と言わせていただきます。

出来ざるを得ない仕組み…これを考えるのは非常に難しいです。でも、「こういう風に動けば絶対に〇〇が出来るに決まってるよね」という仕組みを作ることです。例えばメール送信時に誤字が多い人であれば「一旦別のところに打ち込んで、それを見ながら再度打ち直す」ことをすることで、最初に犯した誤字に気付くことができ、誤字が減るでしょう。また「業務量が多くて覚えられない」という人は「2日で1つの業務量をひたすらこなす練習をする」ことで確実に前に進むことができるでしょう。つまり、1つ新しい業務の仕組みを追加することで、課題解決できるようになるのです。

まぁこういうレベルの話がしたいわけではないので、もう1つ別の例を出しますと「コンテンツ内容の質を上げる」ことが課題なのであれば、コンテンツの質を上げるために業務内容を細分化し「ストーリー設計を箇条書きにし、見出しタグを予め決定する」というスキーム以外に「この内容を動画説明するのであればどういう切り口と表現が考えられるかを考察した結果を書き出す」というスキームを入れるだけで、回り回ってコンテンツの質が向上することもあります。コンテンツテキストを映像化する場合の考え方を付加することで、テキストのシズル感が出たり、インフォグラフィックを使ったり、図やグラフを使った方が分かりやすいよね、とか色々な考えが自然に出てくることがあるのです。

このように、課題に対して新しく「出来ざるを得ない仕組み化」を1つ以上組み込むことで、それが自ずと解決策になるようにすることが大事なのです。

そしてそれが「課題提起とその解決策」に繋がるわけですので、「課題の解決法が課題提起」にはならなくなるのです。

もちろんハードルを課す分…

でも課題克服のための仕組みが一つ増えるということは、当然業務スピードが遅延します。でもそれは仕方ありません。そもそも出来ないわけで…それを出来るようにするための解決策なので、初めから出来る場合と比較すれば業務効率が落ちざるを得ません。

業務効率が落ちるのは何を意味するのか、それは生産性が落ちるわけですので評価が落ちることを意味します。結果、出来る人と出来ない人とでは評価が変わってくるのです。出来ないのに出来る人と同じ評価では出来る人が可哀想ですからね(笑)。組織や業務を行っている以上、生産性が評価です。同じ質と時間で10出来る人と8出来る人とでは評価はその分違います。営業売上で言えば一番分かりやすいでしょう。制作部門でも同じことが言えるはずです。

でも出来ないからと言って出来るようになる近道はありません。評価がいったん下がろうとも課題を克服することが重要ですし結果的にそちらのほうが近道になるでしょう。

以上です

こんな感じでダラダラ書き連ねてきましたが、ちょっと最近個人的に思ったこととして書いてみました。今まで「どうしても〇〇が出来ない」という相談を受けていた時はこういう話を具体的にしてきたつもりですが、最近は該当者が多すぎて…(笑)。なのでここに備忘録ということで…。

カテゴリー

新着記事

人気記事

過去記事