YMYLについて

Googleは米国現地時間7月28日、検索品質評価ガイドライン(英文)を更新しました。今回の更新ログでYMYLについて触れていますので、その部分についてと改めてYMYLに関してご紹介したいと思います。

まぁ、私個人で考えれば特別YMYLとかいう定義を設ける必要はなく、全てのジャンルや業界においてYMYL基準で考えれば良いとは思うのですが…。

YMYLとは

Googleはもともと検索品質評価ガイドラインをちょこちょこ更新しています。検索品質評価ガイドラインとは、要はGoogleが「検索結果は人間にとって良好じゃなきゃいけない。いかに人の目で見た評価に近づけるか、アルゴリズムで作っていく。でも、自分たちのアルゴリズムだけで検索結果の品質が良好か分からないから、たまに雇用している皆さん(品質評価者)からも実際に検索してチェックしてみて。チェックの仕方はこちらのガイドラインを参考にしてください」という目的のもと作られた内部資料が(どうせ流出しちゃうから)開示資料になったものです。

そして、その中でE-A-Tと共に定義されたのがYMYLです。YMYLとは「Your Money or Your Life」の略で、閲覧者の人生や生活、健康、経済等を(ちょっとした話題でも)大きく左右してしまうような神経質な内容のコンテンツを指し、検索品質評価者は特に注意して確認するよう促している内容です。当然、こういったYMYLコンテンツ作成者やオーナー側も科学的で根拠的に作成していなければならず、検索者とWebにおけるエコシステムを考えても、いい加減でテキトーに記載してはいけません。直近の例で述べますと、新型コロナ関連の情報等が分かりやすい対象コンテンツではないでしょうか。

今回更新された検索品質評価ガイドラインについて

検索品質評価ガイドラインの最後のページに今回(2022年7月)の変更点が記載されています。

  • 新しく開示した検索品質評価者ガイドライン要綱に合わせて言葉の表記を調整。
  • 重大な被害にならないよう高水準な精度を要する内容を追求すべく、YMYLを再定義:新たに例を追加した表を作成し、従来の定義表を刷新。
  • 低品質ページについて説明しているセクションで、そのページの目的によってE-A-Tの種類や度合いも変わること、低品質で有害なページはどんな種類のWebサイトでも起こり得ることを強調する説明文を追加。
  • 本ガイドラインでの記載事項はあらゆるデバイスを通して適用される内容であること。
  • 全体的に細かな修正(画面キャプチャの更新、削除・更新により古くなってしまった例や考え方の変更、無関係になったユーザー地域の削除等)

引用)検索品質評価ガイドラン(P.167)より和訳

 
E-A-Tも然ることながら、新しくYMYLの表について触れられています。この更新内容の意図を察するに、その背景としてYMYLの定義が抽象的なので、詳細な説明が必要だろうというGoogle側の想いが含まれているように感じます。そこで、検索品質評価ガイドランのP.11とそれに紐づくP.12の部分を和訳してご紹介します。

更新されたYMYLにおける説明部分

検索品質評価ガイドラインにおけるYMYL部分に関する説明箇所を和訳します。YMYLはどういったことが対象かを、くどいくらい説明してくれています。

2.3 Your Money or Your Life(YMYL)の内容について

インターネットに存在するWebページには実に多種多様な内容があります。中には、閲覧者の健康や経済面、世の中の安全性、社会安定性等に著しく悪影響を与えかねない内容であったり、害を与える危険性を孕む内容が含まれていることもあります。私たちはこういった内容を「Your Money or Your Life」や「YMYL」と呼んでいます。
 
YMYLは以下のような対象者に、悪い影響性や有害性があると考えています:

  • そのコンテンツを読んだり活用したりする直接的な人
  • そのコンテンツを読んだ人によって影響を受ける周りの人達
  • そのコンテンツを読んだ人が起こした行動によって影響を受ける社会や人達

 
YMYLは世の中の健康、経済的な安定性と安全性、社会的幸福度に直接的で多大な影響を及ぼしかねません。その意図するところは次の通りです:

  • 有害で危険性を孕む内容。例えば、自傷行為や犯罪行為、過激主義行為に関する内容によって閲覧者を扇情し、それによる危害へと発展する内容。
  • 不正確で信頼の出来ないコンテンツは閲覧者に余計な悪影響を引き起こす可能性があります。例えば、信頼できない情報元からのいい加減な情報や内容によって、誰かの健康や経済面、安全性や社会的悪影響を与えかねません。代表例:心臓発作の症状、投資の仕方、災害時の行動、投票の仕方、運転免許証取得のために必要な資格など。

 
コンテンツがYMYLに抵触するかどうかを判断し、懸念される有害事象が以下のいずれに該当するか確認すると良いでしょう:

  • 健康面、安全面でのYMYL:精神的、肉体的、感情的なところで各衛生管理に悪影響を及ぼしかねないかどうか、または身体に関わるあらゆる安全性やオンライン上の安全性を阻害しかねないかどうか。
  • 経済的安全面でのYMYL:自分自身またはその家族を扶養しなければならない閲覧者に経済的打撃を与えかねない内容かどうか。
  • 社会的側面でのYMYL:特定の団体や公共利益に関する問題、公共機関への信頼性等にネガティブな影響を与えかねないかどうか。
  • その他のYMYL:人を傷つけたり社会的幸福度や健全性にネガティブな影響を与えかねない内容かどうか

 
虹ができる原因や鉛筆を買う程度の無害とも思える内容であっても、それをある意味有害なページにすることだってできると思うでしょう。実際、その内容が有害か無害かに関わらず、悪意のあるコンピュータウィルスを仕込んでページ作成することは出来てしまいます。しかし、YMYLの内容とはそうではなく、内容そのものが健康や経済的安定性や安全性、社会的幸福度に悪影響を及ぼさないかを確認するものです。
 
大部分の内容はYMYLの対象ではなく、有害性を防ぐために高度な評価をしたり正確性を確認したりする必要はありません。とはいえ、YMYLの判断軸は曖昧な部分があるので、明確にYMYLだとか、YMYLではないとか、その中間にあるとか、という風に考えると分かりやすいでしょう。その中で明確にYMYLな内容だと判断できるページにおいては、ページ品質を評価するために慎重さが求められます。

引用)検索品質評価ガイドラン(P.11)より和訳

 
そして上記の内容(P.11)を受けて、次のページ(P.12)で具体例を表にしてくれています。以下がその表の和訳です。

YMYLか判断する表

引用)検索品質評価ガイドラン(P.12)より和訳

要は、YMYLかどうかコンテンツページを判断する上で、「明らかにYMYL」「YMYLかも」「YMYLではない」という例の表をもとに判断して品質評価してください、という内容です。私個人としてはあまり参考にはありませんでしたが、一般的な検索品質評価者やコンテンツ制作者にとっては分かりやすいのかもしれませんね。

ちなみに、表にある例はあくまでもYMYLの見地においての例です。内容そのもののコンテンツ品質はまた別の話ですので、その辺をごっちゃにして考えないほうが良いと思います。書いてあることがYMYLに抵触するような内容でなくても、極めて特殊な少数意見や(E-A-Tに代表されるような)信頼性や専門性に欠けた内容であればランキング評価されないと思いますので、頭を切り替えて考えましょう。

基本的には科学的で個人見解はその断りを入れる!?

コンテンツ制作者側の立場になって申しますと、YMYLに関するこの辺の区別が難しい場合、私なりの見解としては、一般的な情報ソースや科学的根拠を明記しつつ(その情報の大元は何か定量的にも明記)、それでも個人見解として述べたければ「あくまでも個人見解ですので、○○の場合や○○の場合においては通用しない話ですが…」みたいな感じで記載すれば良いかと思います。その内容が支援されるかどうかは別の話ですし。とはいえ、差別的であったり攻撃的であったり、誰かが不当に大損してしまうような内容であったり、公序良俗に反するような内容は絶対に避けましょう。今の時代、誰しもがパブリッシャーになり得ますし、個人単位で大衆を扇動することだってできてしまいます。
そのへんは充分に注意しながらライティングすることをオススメします。


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