GA4ではキーイベント!?

Google Analytics(GA4)におけるコンバージョン(扱いのもの)がこの度キーイベントという呼称に変わりました。従来のGAもそうですが、おそらくGA4におけるコンバージョンは、サイトオーナー次第でどんな内容でも(コンバージョンという扱いで)設定することができるため、いわゆる“獲得”や“申込”という意味でのコンバージョンとは限らず、“キーイベント”という名称にしたのだと思います。実際、Google広告のコンバージョンと混乱することもあるため、その辺の棲み分けもあるそうです。GoogleのAnalytics Helpにてコンバージョンとキーイベントの違いについて英文で解説されていますので、和訳してご紹介します。

定義の意図

今回の名称変更について、英語版Analytics Helpにて解説されていますので、まずは和訳してご紹介します。

[GA4]コンバージョンとキーイベントの違い

コンバージョンとキーイベントの違いを理解する

Google広告とアナリティクスでコンバージョンの測定とレポート方法をよりシンプルで直感的なものにするため、コンバージョンの定義方法を統一しました。
これまで、アナリティクスでコンバージョンとして記述していた重要なイベントは、Google広告のコンバージョン測定方法とは異なる方法で測定されていたため、Google広告とアナリティクスの間で数字のズレが生じていました。
今後は、ビジネスの成功にとって重要な行動を測定するイベントを“キーイベント”と呼ぶようにします。キーイベントの行動データを利用して、Webサイトやアプリ全体のユーザー体験を向上させることができます。
“コンバージョン”は、広告キャンペーンのパフォーマンスを測定し、広告の入札戦略を最適化するために使用したい重要な行動を指すことになります。Google広告とGoogleアナリティクスで“コンバージョン”の定義が統一されたことで、Google広告とGoogleアナリティクスの両方のレポートで、初めて一貫したコンバージョンベースのパフォーマンス指標を確認できるようになります。

動画を見る:この動画では、Googleアナリティクスのコンバージョンに関するアップデートについて、背景や変更点について説明しています。翻訳された動画の文字起こしを読む

 

キーイベント

キーイベントは、ビジネスの成功にとって特に重要なアクションを測定するイベントを指します。誰かがアクションを実行することでイベントが発生すると、そのキーイベントはGoogleアナリティクスに記録され、Googleアナリティクスのレポートに表示されます。
収集したイベントはすべてキーイベントに設定することができます。キーイベントを測定するには、アクションとして測定したいイベントを作成または特定し、そのイベントをキーイベントとしてマークを付けます。イベントをキーイベントとしてマークすると、何人のユーザーがアクションを実行したかを確認し、ユーザーにアクションを実行させたすべてのチャネルにわたってマーケティングパフォーマンスを検証できます。
以下のフローは、イベントをキーイベントとしてマークを付ける方法を示しています。つまり、あるイベントがビジネスの成功にとって重要であれば、Googleアナリティクスでそのイベントをキーイベントとしてマークを付けることができます。

イベント→キーイベント


ユーザーがWebサイトの見込み客向けページの90%までスクロールしたタイミングを知ることは重要です。ユーザーがページの90%までスクロールしたということは、そのユーザーはページを一通り読み、サインアップフォームまで閲覧したことが想定できます。この事例の場合、管理画面のキーイベントページで‘スクロール’というイベントを特定し、そのイベントをキーイベントとしてマークを付けることで、より強化されたユーザーの行動レポートが提供されるでしょう。

 

コンバージョン

コンバージョンはGoogleアナリティクスのキーイベントからGoogle広告で作成され、GoogleアナリティクスとGoogle広告の両方で重要な行動を測定する一貫した方法を提供します。コンバージョンは、プラットフォーム間で一貫したコンバージョン数を提供し、広告キャンペーンを理解し最適化できるようにすることで、マーケティング戦略の改善に役立ちます。キーイベントとは異なり、コンバージョンはGoogle広告の入札とレポートの対象となります。
コンバージョンを作成するには、重要なインタラクションを測定するキーイベントを特定し、Google広告でGoogleアナリティクスのキーイベントを基にした新しいコンバージョンを作成します。Google広告でコンバージョンを作成した後、コンバージョンデータはGoogle広告とGoogleアナリティクスの間で共有されるため、プラットフォーム間で同じデータを見ることができます。
以下のフローは、GoogleアナリティクスのキーイベントからGoogle広告のコンバージョンを作成する方法を示しています。つまり、あるイベントがビジネスの成功にとって重要であれば、アナリティクスでそのイベントをキーイベントとしてマークを付けます。そして、そのキーイベントが広告キャンペーンの最適化やパフォーマンスの測定に重要であれば、アナリティクスのキーイベントからGoogle広告のコンバージョンを作成します。

イベント→キーイベント→コンバージョン


‘scroll’イベントをキーイベントとしてマークを付けることに加えて、‘generate_lead’イベントをキーイベントとしてマークを付けたいとします。‘scroll’イベントを使用してGoogle広告の戦略を通知することもできますが、‘generate_lead’イベントは、ユーザーがフォームをスクロールしたときだけでなく、見込み客向けページの登録フォームを完了したときにも通知されるため、代わりに‘generate_lead’イベントを使用することをおすすめします。
‘generate_lead’イベントをキーイベントとしてマークを付けた後、Googleアナリティクスのキーイベントに基づいてGoogle広告のコンバージョンを作成し、マーケティング戦略を最適化することができます。Google広告のコンバージョンを作成すると、Googleアナリティクスでもコンバージョンが作成され、2つのプラットフォーム間で共有されます。

 

今すぐやるべきこと

既存の設定のままで良ければ、何か特別な対応をする必要はありません。キーイベントはGoogleアナリティクスの旧版のコンバージョンと同じ方法で作成、レポートされるため、ビジネスにとって重要なイベントをハイライトし続けることができます。また、あるイベントがビジネスにとって重要であることを示したい場合、そのイベントをキーイベントとしてマークを付けられます。
GoogleアナリティクスからGoogle広告にコンバージョンをエクスポートして入札を行っていた場合でも、Google広告にエクスポートしたコンバージョンを変更する必要はありません。
Google広告アカウントがリンクされている場合、アナリティクスのキーイベントから作成されたGoogle広告のコンバージョンは、Googleアナリティクスの広告セクションにコンバージョンとして表示されます。
今後Google広告のコンバージョンを新規作成するには、Google広告内でGoogleアナリティクスのキーイベントに基づいてコンバージョンを作成する必要があります。
また、キーイベントデータとして過去のコンバージョンデータに引き続きアクセスできるため、前年比を引き続き確認することができます。ただし、Googleアナリティクスと共有されているGoogle広告のコンバージョンには、過去のデータは関連付けられていません。
 

よくある質問

コンバージョンがキーイベントに名称変更されたのはなぜですか?
Google広告とアナリティクスの間で“コンバージョン”という用語の定義を統一し、2つのプラットフォームでGoogle広告キャンペーンのパフォーマンスをより簡単に測定できるようにしました。このアップデートにより、Google広告とGoogleアナリティクスのどちらのレポートを見ても、同じGoogle広告のパフォーマンス指標を表示できるようになりました。
さらに、この変更に伴い、GA4により高度なレポート機能が追加され、Googleアナリティクス内でGoogle広告のパフォーマンスを直接測定できるようになりました。
最後に、ビジネスにとって最も重要なアクションに基づいて製品やユーザー体験を改善し続けることができるように、“キーイベント”という用語に分けました。
 
キーイベントとコンバージョンは同じアトリビューション設定ですか?
キーイベント(旧コンバージョン)のアトリビューション設定は、管理画面のアトリビューション設定ページにあります。そこから、レポートアトリビューション機能とキーイベントルックバックウィンドウを変更することができます。

  • レポートアトリビューション機能は、行動レポートおよびパフォーマンスレポートにおけるキーイベントのクレジット方法に影響します。
  • キーイベントルックバックウィンドウは、インタラクションがアトリビューションクレジットの対象となる時間をどれだけ遡るかを決定します。

今回のアップデートにより、アトリビューション設定ページの“クレジットを受け取れるチャネル”セクションから、Googleアナリティクスでのコンバージョンのレポート方法を変更できるようになりました。そこから、有料およびオーガニックソースからのコンバージョンをGoogleアナリティクスのレポートに含めるか、Google広告からのコンバージョンのみをGoogleアナリティクスのレポートに表示するかを選択できます。
 
GoogleアナリティクスのキーイベントからGoogle広告のコンバージョンを作成するには?
以前は、旧コンバージョンデータに対して入札を行いたい場合、旧コンバージョンをGoogle広告にインポートすることで、Google広告のレポートや入札に使用することができました。今後は、Googleアナリティクスのキーイベントに基づいてGoogle AdsアカウントでGoogle広告のコンバージョンを作成することができます。各キーイベントに対して、Webコンバージョンとアプリコンバージョンを1つずつ、リンクされたGoogle広告アカウントで作成できます。
例えば、‘generate_lead’イベントをキーイベントとしてマークし、リンクしている4つのGoogle広告アカウントでWebとアプリのコンバージョンを作成する場合、‘generate_lead’キーイベントに基づいて4つのリンクアカウントで8つのコンバージョンを作成することになります。
 
キーイベント以外を使ってコンバージョンを作成できますか?
はい、GoogleアナリティクスのどのイベントでもGoogle広告のコンバージョンを作成することができます。キーイベント以外のイベントからGoogle広告のコンバージョンを作成した場合、そのイベントは自動的にキーイベントとしてマークされます。
 
Google広告のコンバージョンはいくつ作成できますか?
GoogleアナリティクスはGoogle広告の設定制限に従います。つまり、Googleアナリティクスのキーイベントに基づいて、いくつでもコンバージョンを作成できます。
 
この変更は、Campaign Manager 360やDisplay & Video 360など、他のGoogle広告プラットフォームにも影響しますか?
“キーイベント”という名称に変更することで、Google広告とGoogleアナリティクスをより明確にする狙いでした。そのため、他の広告プラットフォームにおけるコンバージョンはそのままで、“キーイベント”への名称変更はしません。
 
キーイベントに基づくGoogle広告のコンバージョンは、BigQueryを通じてエクスポートできますか?
Google広告のコンバージョンがBigQueryを通じてエクスポートできる予定はありません。

引用)Analytics Helpより和訳

 

要はGoogle広告のコンバージョンという設定とGoogle Analyticsのコンバージョンでは意味合いが異なるため、その2つのプラットフォームでコンバージョンの定義を統一することが目的でした。実際、GA4では設定したイベントをキーイベントにすることができ、Google広告ではそのキーイベントをコンバージョンとすることができるようになりました。つまり、イベントからキーイベント、キーイベントからコンバージョンへと昇華させていくことで、コンバージョンという言葉の定義をGoogle広告とGA4で横串に統一できるようになったわけです。

Google広告をしないオーナーにはコンバージョンという言葉が不要?

Google広告を行う上で設定する“コンバージョン”ということになりますので、ただGA4を使用する人にとってはプラットフォーム上、“コンバージョン”という言葉ではなくなります。ですので今後は、第3者にGA4のレポートからオリジナルレポートに転換して提出する際、そのまま“キーイベント”と表示して報告するか、“コンバージョン”に書き換えて報告するか考えなければなりませんね。私の場合は、そもそも様々な指標がコンバージョン化されているGA4アカウントが多く、第3者にレポートする際は“資料請求”なのか“申込”なのか“問い合わせ”なのか毎回書き換えて報告していましたので、特に変化はありません。

ちなみに、日本でも徐々にロールアウトされているので、皆様のアカウントも少しずつ変更されていくでしょう。

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