• 2023年7月版 – ライティングのすゝめ

2023年7月版 – ライティングのすゝめ

昨今の生成系AIの特性やGoogle検索における長期的なランキング評価のサイトページ、人間が読んで面白い記事、Webページにあるべき情報の理屈を鑑みて、実際に私がライティングディレクターに依頼している品質維持と心得に関するガイドラインを(大)公開します。全部で6つの心得としてご紹介しますが、今後の生成系AIの行方によってまた変わってくると思いますので、現時点であることをお含みおきくださいませ。ただ、やはり生成系AIでのコンテンツは検索エンジンから早い評価を得られるかもしれませんが、長い評価は得られませんので、その辺の根拠についても加味しながらご紹介します。

1.ゼロから書き始めるならロングテールから

はじめて記事コンテンツやコラムコンテンツを作る時、「どんな記事から書けば良い?」と思う人も多いはず。そういう人に、私は以下の意識でライティングすることを提案しています。
 

  • 検索ボリュームの小さいキーワード(3語くらいの組み合わせ)を狙うつもりで
  • 最もサービスを利用しそうな人が検索するキーワード

 

検索ボリュームの多いキーワードを狙って、広く浅く、世の中でなんとなく言われているような事象をなぞった記事を書いたって、人にも検索エンジンにも評価されるわけがありません。結果、一切流入もなく「頑張ったのに…」という意味不明な惨めさだけが残ります。広く浅く書いているような記事ではそれが良かったかどうかの検証さえもできません。結局またゼロから始めることになります。しかもサイトとしての権威性や信頼性も未熟なのにいきなり検索ボリュームが多いキーワード(要は人気のキーワードなわけで需要が多いということ)での検索結果に選ばれるなんて虫が良いわけで…。
 
であれば、自分たちのサービスに最も近い検索需要で細かいところ(検索ボリュームの小さいキーワード)から狙った方が良いです。狭く深く追求できますし、結果が出やすいのでモチベーションを維持できます。何より、流入してきた人に対してスムーズにサービス訴求しやすいので効率が良いはずです。そして、次に記事を書く時は、重複しないけど類似する検索キーワードを狙ってまた狭く深く書いていきます。それを積み重ねていくと、それらの狭く深い記事を取りまとめたハブページ(軸となるページ)を作ることが出来るでしょう。そのページでは広くコンテンツ展開しながら、それまでに作った細かいページにリンク導線を作っていくようにすれば良いわけです。そうすることで、ハブページがミドルワード(中くらいの検索ボリュームキーワード)で検索評価を受けられるようになります。細かなキーワードのページからはミドルワードのページにパンくずリンクで返すようにすることで、ミドルワードの小さなカテゴリサイトの完成です。この積み重ねで確固たる検索評価を受けられるページ群ができるという仕組みです。
 

コンテンツ構造
 

このやり方は戦略的且つ長期的に方向性を組むことが出来るのでライティングする上で、迷いが生じません。しかも私が目指す「早い評価よりも長い評価」を受けやすいのでオススメです。

2.情報そのものに価値があるか

生成系AIの情報収集能力とまとめ能力は非常に高いです。World Wide Webに存在するビッグデータを人間のそれよりも遥かに処理できるため、絶対に人間は勝てません。しかし、生成系AIは既にある情報を統計処理して文章として生み出すことができるだけで、情報自体を生み出すことはできません。つまり、人間の情報欲求を満たすための人間のコンテンツ力は情報そのものの価値にあるわけです。なんかまどろっこしい言い方で恐縮ですが、つまり以下のような意識です。
 

情報の価値 > 情報のまとめ方の価値

 

いくら情報を綺麗にまとめても、情報そのものの価値には勝てないと思います。私は、生成系AIによる情報のまとめ力は、そのうち検索結果と統合されるようになるのではないか、とさえ思っています。情報をまとめて紹介するのが今までの検索結果の働きです。そして情報をまとめて文章を生成するのが生成AIの働きです。であれば、Googleは情報をまとめて文章を生成した検索結果を作れば良いだけで…。
いずれにしても材料となる情報が必要で、その情報は価値が無ければなりません。ですので、人間が生み出すコンテンツ力は情報そのものに価値があるかどうか、なのです。

つまり、検索結果上位のWebサイトページを2,3個まとめたような記事ページでは、生成系AIでも検索結果画面でも代用できてしまうということなのです。Googleは検索結果の情報と重複するWebページを嫌う(これは本来はもっとテクニカルな面において言われていることなのですが、これを話し出すと長くなるので割愛)はずなので、そんなWebページを評価するはずもなく…そういうことを考えると情報の価値に重きを置いたライティングが重要であることが容易に想像できますよね。

ちなみに、情報の見せ方も大事です。以下をふんだんに使ったコンテンツは(読者からも検索エンジンからも)評価が高いです。
 

  • 表(tableタグ仕様)
  • グラフ
  • 図(動く図)
  • 仕組みのイラスト(動くイラスト)
  • 実際の写真・動画

 

私が考えるに「情報の価値 > 見せ方の価値 > まとめ方の価値」の順番で優先順位を作ると良いと思います。

3.情報は一次情報で

“情報の価値”と言っても、まとめた情報も“価値のひとつ”だと思ってしまう人もいるので、補足的に記載しておきます。情報は一次情報であることが重要です。一次情報とは、オリジナルな(独自)情報であり、作者自らが直接体験・調査・実験・分析・取材した内容のことです。当然、それまでにどこにも出回っているわけがない内容ですよね。“情報”を“コンテンツ”と置き換えても同じことですが、こういった内容には、手だけでなく足も必要になるでしょうし、手間暇がかかるはずです。だから価値があります。生成系AIや検索結果もまとめたがる情報かもしれません。

極論してしまえば、上手く書かれた文章力のあるコンテンツよりも、こうした体験・調査・実験・分析・取材力のあるコンテンツのほうが(読者からも検索エンジンからも)評価が高いわけです。作文よりはるかに価値が高いんです。もう「てにをは」の遵守や表記揺れ等の気遣いさえも些末に感じるほどの価値があると思います(笑)。

4.議論を誘発する事象の掲出

これは「バズらせろ」という意識に近い内容かもしれませんが、何も突拍子もないことを書けとか、炎上するために攻撃的なことを書けとか、極論しろとかそういうことを言いたいのではありません。読者がコンテンツから「自分ならこう思うなぁ」と意見やコメントを寄せやすいような記事コンテンツを作れているか考察することです。議論を誘発する事象というのは、そういう意見を交わしやすいような事柄を客観的に掲出することです。例えば、自分で取材したアンケート結果を紹介すれば、それに対して反対意見や同調意見が生じるかもしれません。そういうイメージです。

こういう議論を誘発する事象を掲出することで、他サイトで追随する記事が生まれやすくなることが狙いです。一気に権威性が高まります。追随する記事からはリンク紹介されたり、サイテーションを受けたり(Sitation:言及や噂)します。そうなってくれば人気度も上がりますし、コンテンツ潮流の源泉になれるわけです。

良い例をご紹介します。私は、以前ブログで「社会人はアウトプット型で」という記事を書きました。この記事がYahoo!知恵袋のアンサー内で紹介されていました。
 

Yahoo!知恵袋での引用例

引用)Yahoo!知恵袋

 

このように議論や意見に使われるような記事を目指すと良いです。ちなみに、こういう追随するWebページを発見するには「“ドメイン名” -site:ドメイン名」で検索した検索結果から探します。結構面白い発見に繋がるエゴサーチなのでオススメです。説明は下記のツイートでしています。
 

 

5.情報は科学的で多面的であること

そして、コンテンツ情報は科学的で多面的でなければなりません。例えば、自ら取材してアンケートを取ったと言ってもサンプル数(N数)が10くらいしかない情報だったらそれは信用に値するでしょうか。統計学上、N数は最低でも100は必要です。いくら一次情報とはいえ、思い込みで書いてしまっては意味がないですし、それこそ前項の炎上に繋がってしまうかもしれません。また、一方の意見や一面的な情報を掲出するのではなく、双方の意見や多面的な情報を掲出したほうが信頼的で安定的なコンテンツになりますよね。例えば「巨人vs阪神戦についてどう思うか?」というコンテンツにおいては、巨人ファンだけでなく、阪神ファンの意見も欲しいですし、両チーム以外のチームファンの意見、さらに野球に関心が無い人の意見まであると多面的ですよね。こうした内容のコンテンツは無駄な炎上も防げるだけでなく、様々な読者や立場の人からも支援されやすくなります。

得意分野だからといって、得意分野内で終わらせる意見のコンテンツ情報を発信するだけでなく、その分野に明るくない人の意見や考えを参考にするのも良いと思います。まぁ、この辺はそもそもの読者ターゲットによっても変わってきますので、検索キーワードと読者ターゲットのどちらに対してのほうが戦略的に捉えているか、によって考える必要があるでしょう。

いずれにしても、根拠があったり定量的な下支えデータがあったりして科学的な情報の方が読者にも検索エンジンにも評価されますので、ライティングする際にはいちいち「根拠はあるか」と自問自答をすると良いです。

6.1つの記事で言いたい主旨はひとつ

最後に意外と大事なことを書いておきます。おそらく記事を書くということは読者に対して提案したいことがあるからだとは思いますが、その主旨(大きく言いたいこと)はひとつに絞るようにしましょう。本記事のように主旨の中に言いたいことが6つあるのは問題ないのですが、違う次元や方向性の主旨を複数入れ込むのはあまり良くないと思います。これは私の経験上の話ですが、検索エンジンは主旨が複数あっても理解処理してくれ(るほどの精度があり)ますが、読者となる人間が処理できないと思うんです。
複数の主旨があるなら、記事の最後に違う切り口として別の記事をレコメンドして導線を作る等して、クリックして他ページに遷移する展開をした方が良いです。そうすれば読み進めてくれる人もいますし、疲れたならブクマして一旦退出してくれるはずです。

話がズレますが、読者はWebサイトページ内でアクション(クリックやタップ、何かしらの入力)をすればするほどそのWebサイトへのエンゲージメント(愛着心)が高まります。そして、ある程度1ページを読み切った感覚を持つことは達成感にも繋がりますので、途中離脱よりもよっぽど心地良い印象を(無意識的に)受けます。そして、先に述べた人間の脳のキャパシティも考えますとやはり主旨はひとつの方が記事としては優秀だと思うのです。

主旨をひとつにする理由は他にもあります。4.で述べたように追随した他サイトページがあったとしても、リンク紹介しづらいんです。「ここのページの真ん中あたりに書いてあって…」みたいにリンク紹介しなければならず、「だったら面倒だからリンク紹介しなくていいや」と思われてしまいます。複数の主旨があることは、こうした副次的メリットを考えてもやめた方が良いというわけです。

ぜひ意識してみてください

いかがでしたでしょうか?
今回、私の方でライティング時に意識すべきことをざっくり6つの切り口でご紹介させていただきました。本当は1記事における文章構成として、“起承転結”ならぬ“承結転”構成の書き方についても言及したかったのですが、それこそ1つの記事で複数の主旨になってしまいますので、また別の機会にご説明したいと思います。

ぜひ今回の6つの内容を意識してライティングに着手してみてくださいませ。
ではでは~。

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