2019年頃から米国中心で言われ出した言葉——トピッククラスターモデル(Topic Cluster Model)についてちょっと触れておこうかと思います。これは主にSEOでテーマ性を考えた時に、1ページ単位で点在した建て付けでサイト構造(ディレクトリ構造+内部リンク構造)をするのではなく、主旨(Topic)に合わせて内部リンクやカテゴリを集約(Cluster)化した構造(Model)を作るという概念です。私も「主旨のシャンパンタワー構造」とか「テーマ性を意識した派生型構造」等とは言っていましたが、トピッククラスターモデルという言い方はしてこなかったので、これを機にこういった考え方について解説していきたいと思います。
トピッククラスターモデルについて
もともと、この言葉はHubSpot内の人や記事から発生したものですが、言葉が新しいだけで概念はもともと存在していました。私のこのブログ内でもかなり前からツリー構造を推奨しておりました。
引用)HubSpotより一部
私が言うツリー構造とは、主旨の根本(幹となる主軸部分)から紐解いて細かく細分化(枝葉)されていくイメージでいつも話していましたが、トピッククラスターとはピラーページ(柱となるページ)からトピックを細分化していくイメージですので…まぁ同じことですね。
トピッククラスターモデルは主旨の位置付けに際して、リンクで繋がっていくことを主眼としているイメージを受けますが、ツリー構造はサイトのディレクトリを主眼としているイメージを受けます。とはいえ、私が述べているツリー構造はもちろんリンク構造も含んでいるのであえてトピッククラスターモデルという小難しい概念用語を使う必要も無いかな、と思っています。
このトピッククラスターモデルを具現化するための手順としては、以下の手順です。
- キーワードを概念で捉え分類化する
- ディレクトリ構造に落とす
- 内部リンク構造に落とす
- コンバージョンに繋げるシナリオを作る
キーワードを概念で捉え分類化する
これは、Google キーワードプランナーやその他サードパーティ制ツールを利用して施策キーワードを一覧化します。キーワードの一覧化については…今更触れませんが、とにかく抜け漏れなく列挙することが重要です。例えばターゲットのペルソナをイメージし、そのペルソナが検索するであろうキーワードから捉えたり、ニーズが発生するであろう場面をイメージしてキーワードを考えたりすることも必要です。出来上がったキーワード一覧を分類し、大カテゴリとか中カテゴリとかを作成していくと良いです。下絵は[分類]という単項目だけで作成した例ですが、このように分類してまとめていくと主軸となるキーワードが浮き彫りになります。
それを応用して作成していくと下絵のようにキーワードを構造化していくことができるようになります。つまり大カテゴリとか中カテゴリとか小カテゴリという感じですね。
ここまで出来るようになったらサイトも作りやすくなるはずです。
ディレクトリ構造に落とす
キーワードを分類したら、それがもうサイトの階層構造です。バランス良く分類カテゴリ数があり(何百もあってもしかたないですよね)、階層構造もバランス良くある(3~5階層までが理想的)とユーザーにも検索クローラーにも分かりやすく見つけやすいページになるのではないでしょうか。下絵はサイト構造案の例ですが、キーワードが分類化できればここまで作成することもできるはずです。
あとは内部リンクの設置ですが、これはUIやワイヤーフレームの設計時と合わせて、グローバルナビゲーション、フッターリンク、ローカルナビゲーション等の他に、フッター上部レコメンドするページ動線やサイト内バナー、本文内のリンク設置等を個別で考えていく必要があります。
コンバージョンに繋げる導線を作る
これに関しては、私のご提案手法ですが、細かいページから作成していくことです。つまり、深い階層に存在する狭くて深い内容から作成していくことです。そうすると、後々内部リンクが設置しやすくなります(主軸ページから作ると、枝葉ページを作った際に、主軸ページも修正してリンク設置しなければならないから)。また、先に枝葉ページを作っておけば、主軸ページ作成時に「ここで細かく話したよね」という具合にリンク紹介していけます。
記載すべきコンテンツに関しても、先に主軸ページを作ってしまうと、どこまで掘り下げた情報を掲載して良いか迷ってしまいます。しかし、最初に枝葉ページでとことん深掘りしておけば、後で主軸ページを作成する際に情報の深さを加減しやすくなります。
そして、何より枝葉ページに来訪する人はサービス利用に関する意識が非常にホットです。具体的です。ですので、コンバージョンへのシナリオを設計しやすいのです。そのコンバージョンへのシナリオが設計された狭く深い枝葉ページに向けて、主軸ページからリンク紹介していけばコンバージョンに繋がる導線を自然と作れます。何より、コンバージョン直前ページが細分化されていれば、その後のセッション分析による検証や新たな仮説を立てやすいのです。
ちなみに枝葉ページから作っていくと短期的にロングテールで上位表示されやすいのでメンタル上も前向きになれます。結果が出やすいので。一方で上位表示されるけど、そもそもの検索数が少ないので流入数が少なく、ヤキモキするかもしれません。でもいきなり主軸ページを作って、全くビッグキーワードで上位表示されないという状態よりはどうすれば良いかが分かりやすいので健康的です。
トピッククラスターモデルを意識してサイトを作っていきましょう
いかがでしたでしょうか。今回はトピッククラスターモデルの解説からページ着手の方法まで解説してみました。とはいえ、実際には具体的な案件や内容によって細かく進め方が変わってきますので、これ以上はこのブログでは触れないでおきます。
ご相談はいつでもドシドシお受けしていますので是非お問い合わせください。