東京オリンピックに向けてもそうなのかもしれませんが、ここのところサイトページの多言語化に伴う注意点をご相談いただくケースが多いです。そこで簡単に多言語展開する上での注意点をまとめてみましたのでご紹介します。
多言語化するために
多言語を作成する上で、まずは良くないやり方をご紹介します。
1ページに多言語で併記するのは避ける
同じページ内に日本語で表記した後に英語表記するケース(要は原文を書いてその後訳文を書く)があったりします。私もこのブログでたまに引用含めそういう書き方をしますが、SEO上は良くないです。Googleが混乱します(私のこのブログはどうでも良いのですが…)。同じ内容が繰り返し表記されていることになりますので、低品質な印象を与えかねません。
自動翻訳の場合はrobots.txtで制御
自動翻訳を使っている場合は、自動翻訳後の(パラメータ付)URLはクローラーに読み込ませないよう、robots.txtでDisallow設定してください。自動翻訳は文章が支離滅裂になったりしますので、ワードサラダ(意味がめちゃくちゃ)と判断され低評価を受けかねません。
URLの決定方法
よく多言語展開するURLはサブドメインが良いか、サブディレクトリが良いか、別ドメインが良いか等の相談を受けますので、ご案内します。
まず、正規のドメインがgTLDではなく、ccTLDの場合(例えば日本の場合は.jp)はそれだけで地域ターゲティングされます。そもそも.jpドメインであれば日本国向けドメインですので、海外では検索順位が上がりにくいです。ですので、その場合は言語に紐づくccTLD(例えばアメリカ圏内で実施する多言語化を目的とするなら.us)を取得するのが良いと思います。但し、在日外国人向けのSEOをお考えなのであれば、.jpの場合でもサブディレクトリ展開する形で宜しいかと思います。
また、正規のドメインがgTLDの場合は、Search Consoleのインターナショナルターゲティングで対応国を設定した上で、サブドメインやサブディレクトリを活用する方法もあります。その場合はサブドメインでもサブディレクトリでも別途Search Consoleに登録して、各登録プロパティ毎に対応国を設定すると良いです。
サブドメインが良いかサブディレクトリが良いかにつきましては、多言語によるSEO目的が海外外国人か在日外国人か対象を考察する必要があります。なぜならクローラーは検索するIPアドレスの対象国サーバーを優先するからです。つまり、海外外国人からの検索に対するSEOを狙うのであればサブドメイン(別ドメインでも可)にして、サーバーも対象国にすることが大前提となります。在日外国人からの検索に対するSEOを狙うのであれば日本のサーバーでも良いので、サブディレクトリにする程度でも良いわけです。
URLの決定方法に関してまとめると以下の図のようになります。
詳しくは「多地域、多言語のサイト|Search Consoleヘルプ」をご覧ください。
言語アノテーションの設定
多言語URLを決定したら次に言語アノテーションの設定です。このままでは(ドメイン内でもドメイン間でも)重複コンテンツ扱いになりかねませんので、しっかりとGoogleにシグナルを送らなければなりません。間違っても正規URLにcanonicalタグを当てようものなら…そもそもインデックスされませんからね。
これはスマホのアノテーションと同じ要領で、HTMLの<head>内に多言語対応しているページへタグを入れるだけです。
<link rel=”alternate” href=”https://english.fuwafuwa.biz/” hreflang=”en” />
<link rel=”alternate” href=”https://english.fuwafuwa.biz/” hreflang=”en” />
<link rel=”alternate” href=”https://french.fuwafuwa.biz/” hreflang=”fr” />
こんな感じで多言語展開しているページに全てページ単位で入れ込んでいくわけです。
詳しくは「言語や地域のURLにhreflangを使用する|Search Consoleヘルプ」をご覧ください。
サイトマップで多言語展開を伝える
サイト内全ページが多言語化されていることが前提ですが、上記のようにページ単位でアノテーション設定することが面倒であれば、XMLサイトマップで属性を指定することもできます。
その場合は、XMLサイトマップに以下の表記をします。
<?xml version=”1.0″ encoding=”UTF-8″?>
<urlset xmlns=”http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9″
xmlns:xhtml=”http://www.w3.org/1999/xhtml”>
<url>
<loc>https://fuwafuwa.biz/</loc>
<xhtml:link rel=”alternate”
hreflang=”en”
href=”https://english.fuwafuwa.biz/” />
<xhtml:link rel=”alternate”
hreflang=”fr”
href=”https://french.fuwafuwa.biz/” />
<xhtml:link rel=”alternate”
hreflang=”ja”
href=”https://fuwafuwa.biz/” />
</url>
<url>
<loc>https://english.fuwafuwa.biz/</loc>
<xhtml:link rel=”alternate”
hreflang=”ja”
href=”https://fuwafuwa.biz/” />
<xhtml:link rel=”alternate”
hreflang=”fr”
href=”https://french.fuwafuwa.biz/” />
<xhtml:link rel=”alternate”
hreflang=”en”
href=”https://english.fuwafuwa.biz/” />
</url>
<url>
<loc>https://french.fuwafuwa.biz/</loc>
<xhtml:link rel=”alternate”
hreflang=”ja”
href=”https://fuwafuwa.biz/” />
<xhtml:link rel=”alternate”
hreflang=”en”
href=”https://english.fuwafuwa.biz/” />
<xhtml:link rel=”alternate”
hreflang=”fr”
href=”https://french.fuwafuwa.biz/” />
</url>
</urlset>
要は各言語URLを軸に展開パターンを全て表記(軸となるURLも表記)するわけです。言語別にXMLサイトマップを作成しそれぞれに表記、それらXMLサイトマップをまとめたXMLサイトマップを作成することもアリです。
詳しくは「サイトマップを使用して代替言語ページを指定する|Search Consoleヘルプ」をご覧ください。
海外SEOを狙うのであれば上記前提で別途施策付けが必要
いかがでしたでしょうか。これはGoogleに対して多言語対応を伝えるための最低限の設定方法であり、その上で検索順位上昇等を狙う場合は別途SEO施策を考察していくことが必要です。
例えば、日本は世界でも有数のブロードバンド国家でして、国によってはかなりナローバンドだったりもします。にも関わらず画像をふんだんに使用していたり、複雑なUI設計をしていたりすれば自ずと表示速度が遅くなりますし、ユーザーにもストレスフルです。結果SEO評価も高くありません。このように国別のネット環境やコンテンツ等も充分に考察していかなければならないわけです。
とにかく多言語対応や多言語SEOを考察する際は慎重に進めることをオススメします。