• SEOは販売促進か?

SEOは販売促進か?

「サイトを良くしたい」という漠然としたご相談をいただくことがあります。しかし「それにはいくつか目的やアプローチがありますので、私のようなSEO屋に言う前にもう少し具体的に要件を固めていただきたいのですが…」等と伝えようものなら、「理屈っぽい」と途端に煙たがられてしまいます。ですので、「分かりました!サイトを良くするためのSEOを考えれば良いんですね」とざっくり過保護に答えてしまったりします…。

MISSION

「サイトを良くする」のはSEOで達成できる?

「サイトを良くしたい」というのは非常に抽象的な言葉ですので、まず私が思う「サイトを良くする」という言葉の中身を定義してみたいと思います。それには、大きく以下4つの要素が含まれているかと考えています。

  • 集客したい
  • サイトのファンを作りたい
  • 見た目を整えたい
  • 販売促進力を強化したい

個人的な想いも乗せて言及させていただくのであれば、SEOを追求することで上記の4つは確かに全て改善できると考えています。販売促進力に関してだって、YMYLを考えるとSSL化やPマークの取得も確実に行った方が良いでしょう。ユーザーの安心感を得ることが何より販売促進力の強化に繋がります。同様に、レピュテーション(評価)やサイテーション(口コミ)等の第3者評価も多くあった方がユーザーの安心感を与えます(悪評では意味ないですが)。ユーザーが気軽にコミュニケーションできるように、SNSで人肌感を演出することも良いと思います。こういった策は間接的にせよ全てSEOに寄与しますので、SEOを追求すれば自ずとこういった策の達成にも繋がってくるわけです。

そして、そうなるとオウンドメディアとしての自社サイト以外にも、アーンドメディアやペイドメディアのような(自社サイトを縁取る)媒体をも戦略立てて考える必要が生じます。つまり、Webガバナンスとしてデジタルコミュニケーション全体をどう形成するかも考えていかなければならなくなります。

本来であればWebガバナンスを整えた上で、その一環としてSEOをどう捉えていくかが一般的な戦略順序になるはずなのですが、前述のことから、私の考えとして「このWebガバナンスさえもSEOの一環として捉えることが出来るのではないか」という持論を持っているのです。

SEOの追求とは

もちろん、SEOには(ロボットに分かりやすくさせるために)テクニカルな要素も非常に多いです。インデックスの方法やアノテーションの方法、表示速度を高めるための分かりやすいコーディング、構造化データ等、その手法は多岐に渡ります。しかし、SEOに向けた情報設計を考える根本には「どういう検索ユーザーに」「どんな体験をしてもらいたいか」が存在しなければなりません。そうでなければどういうコンテンツを作成していけば良いかも分かりませんし、そこから考えられる施策キーワードの分析もできません。つまり、ターゲット・インサイトやバイイング・システム、カスタマージャーニーの仮説が必要になってくるのです。

ターゲットやカスタマージャーニーを研究した結果、ユーザー動態に見合った内部リンク構造やデザインUIを設計・改善することになりますし、そのためのコンテンツも充実させていくことになります。コンテンツが充実すればファンが増え、検索結果に表示されやすくなり、集客力が増します。つまり、SEOを捉えてサイト改善をしていくことが「サイトを良くする」手がかりになるというわけです。

実際、SEOを考えた結果、サイト構造を整えることで、前述の4つの課題を全てクリアできたケースもあります。これが、SEOの追求が全て改善できると私が考える理由です。

しかし、「サイトを良くしたい」という気持ちの中にあるのは“販売促進力の強化”だけの場合、そこまでSEOを追求せずにリスティング広告の出稿とLPの改善によって解決できたりもします。だから、私は「サイトを良くしたいというのはどこまでの何が目的ですか?」と聞くわけです。

SEOは販売促進ではない?

ここまで言うと「SEOは販売促進だ」と捉えることもできます。もちろん、SEOを追求すればこそ販売促進力も向上します。しかし、事業者としては販売促進に使う費用対効果は求めたくなるもの。そう考えると、SEO施策や費用にもROASの概念が必要になってきてしまいます。
しかし残念ながら、SEOは一朝一夕では効果を発揮しません。しかもサイトを良くすることにおいては終わりがございません。ここが難しいところです。結果的に、費用対効果を明確に算出することが難しいのです。厳密に「いつまで」という概念を捉えにくいものですから…。「SEOによって販売促進への効果寄与は考えられる」にも関わらず「販売促進軸としてSEOを捉えても検証が難しい」という矛盾があると思います。

ですので、私は説明が面倒な時には「SEOは販売促進ではない」と言い切ってしまう時もあります。

今一度SEOの目的を考えること

とりとめもなく記載してしまいましたが、結局私が言いたいのは「サイトを良くしたい」とは何なのかをしっかり明確に考え、ご相談いただきたいということです(笑)。
これ…本当に変な話なのですが、レイヤーが高い人ほど…経営寄りであればあるほど、実は抽象的なご相談が多いんですよね…。

もし、その要件定義自体からご相談ということであれば、相応の覚悟でご相談くださいませ。その時はSEO屋ではなく、個人的にご相談を受けます(笑)。

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