先日、強調スニペット化したサイトページの所在についてご紹介しましたが、まだまだこれが結構厄介な状態になっています。本来、強調スニペット化することでサイトページイメージの向上や通常スニペット部分のクリック率の向上、GoogleにとってもGoogleアシスタント機能への好転(強調スニペット部分を音声で回答してくれる)等、良いこと尽くしでしたが…今はどうなんでしょうね?
時系列でおさらい
まず、一連の強調スニペット化の副作用に関しまして以下にまとめました。多少のズレはあるかもしれませんが、日本時間でリアルタイムに私が確認した結果です。
- 1月23日:強調スニペット化されたサイトページが通常検索結果部分で11位以下に下落。Google Search Console等では強調スニペットは1位としてカウントされるため、順位変動を確認できず、目視かサードパーティ制ツールで確認。その数時間後(半日後?)にGoogleが正式発表。一方で強調スニペット枠がなく、Google検索エンジンを使用しているYahoo! JAPANではGoogleの通常検索結果部分と同様の順位下落、
- 1月29日:強調スニペット化されたサイトページが通常検索結果部分で圏外まで下落。Googleから公式発表は無かったものの、Google中の人であるDanny Sullivan氏がツイート。一方で、Yahoo! JAPANでは単純に検索結果から圏外となる。
- 2月4日:強調スニペット化されたサイトページは、Yahoo! JAPANでの検索結果で通常スニペットとして1位に返り咲く。
個人的に思ったこと
強調スニペット化されたサイトページの通常検索順位下落に関しては、恐らくGoogleのQDD(検索結果の多様性)概念から成ったメカニズムかと思います。しかし、実際に強調スニペット化されたサイトページのURLをクリックする傾向は低い気がします(先日の私の記事に多くの方から賛同いただけたので)。実際「強調スニペット化されたサイトページを一般検索結果からクリックして詳細確認する」という動きが多いと思うのです。強調スニペットでざっくり情報を得つつ、通常スニペットを確認して、その通常スニペットをクリックするという動きです。ですので、1月23日の段階で流入数も減りますし、1月29日の段階では壊滅的な流入数になってしまいます(私の把握する限り殆どの該当サイトページでそうなってしまっていました)。Yahoo!では通常スニペットとして1位扱いしてくれるようになったのである程度流入数は回復すると思いますが(まだ確認できていません)、今回のこのメカニズムって…「誰トク?」って感じなんですよね…。ユーザーとしてもそんなに嬉しくないんですよね、きっと。正直、強調スニペットの情報だけで検索ユーザーは100%満足するわけがないんです。強調スニペットが対象になるのはInformational Query(いわゆるKnow Query=情報を欲しているクエリ)が主ですので、一言二言で理解できるようなものではないはずです。飽くまでも簡単に概念を知りたい程度の場合のみ強調スニペット枠で完結する程度です。ですので、実際には通常スニペットから検索ユーザーが自己判断してクリックするはずです。
しかし、今回のこの一連の騒動(私から言わせれば「騒動」ですw)のせいで、強調スニペット枠から逃げ出したくなったサイト運用者も多いのではないでしょうか?だって、サイトに流入してもらいたいから情報発信しているわけですもんね。結果、スニペットを制御する方法(max-snippetやdata-nosnippet、nosnippet)で右往左往するという…そして、Google側もアシスタントで活用できなくなるという…本当に誰も得しないと思うんです。
いつもGoogle検索における仕様にはその蓋然性や意図に結構賛同していた私ですが、今回に関しては事前調査不足というか…なんかお粗末な印象を受けます。Yahoo!での回復以外にも、強調スニペット化によるサイト運用者側のメリットももう少し考えてもらいたいものですね。