この仕事をしていると「今後のMFIに向けて、改善策や取り組みを教えてください」とよく問い合わせを受けます。しかし、この手の質問をしてくる人はMFIを漠然としか理解していないからだと思います。ですので、ここにふわふわっと記載しておきます。
MFIとは何か
今さらながら、おさらいのおさらいのおさらいとして記載しておきますと…Googleにおける検索デバイスの半数以上がスマートフォン(モバイル)になったことを受けて、Googleの検索エンジンがページを読み込む際、従来のPCページからモバイルページを優先しようじゃないか、というのがモバイルファーストインデックス(≒モバイルの優先読み込み)です。つまり、Googleは検索順位の評価指標をモバイルに移行するという話です。
MFIの開発状況
MFIに移行するにあたって、単純にGoogle検索エンジンが検知する先をPCページからモバイルページにすれば良い程度かと(私は)思っていましたが、実際に蓋を開けてみると、同じサイトでもPCとモバイルとでは大きく異なるケースばかりだということが分かったそうです。ページ数が大きく異なったり(しかもアノテーションも出来ていない)、モバイルでは各種マークアップがされていなかったり、コンテンツ量も異なったり…。
このままでは、MFIにした途端、今までの検索順位がひっくり返る程大きく変わることを危惧したGoogleは以下大きく3つを公言しました。
- レスポンシブウェブデザイン(以下:RWD)にしてほしい(少なくともこれでPCとモバイルの大きな乖離は無くなるし)
- サイト単位ではなくページ単位で徐々に出来るところからMFIを導入していく
- MFIを導入する際はサイトオーナーにMFI化を確認しながら進める
私も本ブログで追ってきました。以下過去記事を参照ください。
- 2016年11月7日付:やっぱりモバイル最優先でSEO
- 2016年11月25日付:MFIに向けての下準備
- 2017年6月16日付:MFI導入は遅れても…
- 2017年8月23日付:MFI化の進捗は?
- 2017年8月23日付:レスポンシブウェブデザインのすゝめ
で、MFI対応策は?
上記までの情報が今のところ全てです。Googleは「モバイルでもインデックスが正常に出来るよう各種マークアップをし、PCと極力同じサイト(ページ&コンテンツ)ボリュームにしてください。そうでないとクオリティニュートラル(PCの順位と同じようにMFIでも順位付けされること)にしづらいし、開発が遅れてしまいます」というニュアンスで発表してくれているかと思います。
であれば、各サイトで行うことは以下です。
- モバイルでもPCと同じように各種マークアップ(構造化データや各種アノテーション)を行うこと(※RWDならクリア)
- モバイルでもPCと同じようにコンテンツ(ページ)のボリュームを設けること(※RWDならクリア)
- 基本はXMLサイトマップがあれば問題ないが、内部リンクをPCと同様に(もしくはそれ以上に整理)すること(※RWDならクリア)
- モバイルの場合にだけブロックしているコンテンツがあったり、クローキングがあったりしないこと
- 飽くまでモバイルファーストインデックスなので、モバイルがなければセカンドとなるデスクトップがインデックスされるだけ。でも、そう考えればモバイルページはあった方が良い
これらを確認し実装しておくことで、MFIにおけるサイトオーナーにとってのクオリティニュートラルは保たれると思います。
そして、さらにもう一歩突っ込んで、MFIを機にモバイルSEOをより最適にしたいと考えるのであれば、以下(私の憶測です)も改善すると良いと思います。
- モバイルでの表示速度を向上させておくこと。たとえRWDでも、モバイルの時にのみ出現するナビゲーションやハンバーガー等はJavaScript等は要注意。但し、GoogleはMFIのタイミングでモバイル表示速度も加味するとは断言していない。
- モバイルのUX(ユーザー体験)やUI、リンク導線等、モバイルの画面サイズならではの情報設計を考え直すこと。また、モバイルでもファーストビューがバナー画像だらけだったらいずれ評価を下げられるかもしれないので、しっかりとページ内容を指し示すことが出来るような情報設計にしておくこと。
これくらいでしょうか。
はっきり言って最後は私の完全な推察程度ですので、その前のところまでが今各サイトオーナーが出来ることだと思います。それ以上でもそれ以下でもありません。
セパレートタイプで展開していて、ろくにアノテーションも設定できていないところほど「MFIに向けてUI改善のアドバイスを――」とかを希望されたりしますが、そういうケースは言語道断と言いますか…何からお話しして良いか分からなくなります。
ぜひ今一度、MFI理解をおさらいすることで、今までの漠然とした課題点を具体的な改善点に置き換えるようお願いします。