最近耳にするようになった「リードナーチャリング」という言葉。マーケティング用語の一環ですが、その名の通り「lead(導いて)」「nurturing(育てる)」という意味からも、潜在顧客にアプローチし購買意欲を高めるための見込み顧客育成として使われます。要はリーチした潜在顧客をCold→Cool→Warm→Hotにしていくわけですね。
そしてこの度、私が個人的に推奨する言葉「コンテンツナーチャリング」についてちょっとご説明しておきたいと思います。この概念、実は非常に重要だと思っています。
コンテンツナーチャリング
思いっきり私の造語です(笑)。意味としては「コンテンツでナーチャリングしていく」という意識として考えています。しかしこの概念はテキトーに作ってはいません。
施策キーワードとターゲットは違う!
SEOをやっていると陥りがちな思考ですが、「検索心理=そのサイトのターゲット」とは限りません。なぜなら検索心理とは点在する刹那的心理なだけで、“年齢層”や“性別”、“職業”、“富裕者層”等のデモグラフィックを含むターゲット・インサイトはほぼ分からないからです。
従いまして、検索心理に合致したコンテンツがあったところで、そのサイト内のサービスを受けるに適うユーザーが呼び込めるかどうかは分かりません。しかも、このことを明確に理解しないままでいると、結果的に「ある特定のキーワードニーズで検索上位になって流入が増えたが、コンバージョンしない」という状態に陥ることもあります。そして、最悪「サイトのターゲットとは違うユーザーである」という検証もせずに「コンバージョン率を上げるために無駄にお金をかけた施策を行う」ことにも繋がってしまいます。
つまり、SEOにおける施策キーワード(≒検索ユーザー)が必ずしもそのサイト運用側のターゲット(潜在顧客)とは限らないということです。
コンテンツナーチャリングで仮説付け
そこで「コンテンツナーチャリング」という言葉の登場です。SEOに関するコンテンツの最適解としては、今の時点では(Google側のポジショントークとしては「それは最適解ではない」と言われますが)テキスト中心に文字量を多くした網羅的情報をいかに整頓された設計で紹介できるか、がポイントになるわけですのでそれで検索ニーズを拾い上げます。もちろんこれがGoogleから適当な評価として受ければ検索上位になります。
この検索上位によって増加した流入数(ユーザー)に対し、サイトのサービスへの気付きや利用喚起、需要への転換を、どのようなコンテンツストーリー(仮説)で見込み顧客化するか、が私の考えるコンテンツナーチャリングです。
これを考えるのがめちゃくちゃ面白いんです(笑)。私の考え方は「共感」「信頼」「感動」があればモノは売れるという概念なので、これを取り込んだうえでページ単位で相応するUIデザインを施します。
これだけでコンバージョン率が劇的に向上するケースもあればしないケースもあります。コンバージョン率が劇的に向上しないケースの場合は、既存顧客の特徴と検索ユーザーの特徴を(色々なやり方で)照合し、検索上位による流入の適正を判断するわけです。
このPDCAをわざわざ「コンテンツナーチャリング」と呼ぶ必要もないのですが…まぁ、いいじゃないですか(笑)。私は「コンテンツマーケティング」という言葉がどうも個人的に嫌いなので…というか、マーケティングという言葉の意味合いが広すぎてよく分からないので、「コンテンツナーチャリング」と名付けています。
なんと奥深いコンテンツ…
コンテンツは直訳すると「内容」という意味ですので、デザインであろうが画像であろうがテキストであろうが動画であろうが、全てコンテンツなわけです。ですので、もはやサイト=コンテンツなわけで…そうなるとサイトとしてどういう立ち位置で何を訴求するかというコンセプトや戦略から都度見直すことも増えていくのでしょうね。ブロードバンド化がもっともっと進めばその訴求コンテンツ幅も広がりますし、これからますます面白くなりますね。