• About this image始動

About this image始動

Googleは米国現地時間10月25日、英語版Google画像検索にAbout this imageを導入したことを発表しました。About this result機能の画像版です。まだ日本語版には導入されていませんが、今後フェイク画像等を判断する上で重要な機能になりますので、発表記事を和訳してご紹介します。

Googleからの発表内容

すでに私のブログでも触れていますが、About this imageについては、今年の5月10日付でGoogleはその予定機能について公表しています。ですのでそもそも「どんな目的だっけ?」からおさらいしたい人はこちらの記事から読み直すと良いでしょう。

というわけで、まずはGoogleからの発表記事をご紹介します。
 

オンラインで画像や情報源をチェックする3つの新しい方法

Googleは、皆さまがオンライン上の情報をより自信を持ってナビゲートできるよう、ツールやリソースの開発に取り組んでいます。

Google検索には、質の高い情報を見つけ、オンライン上の情報を理解するのに役立つツールが組み込まれています。本日、検索した画像やその情報源について、より詳細な情報を得るための3つの新しい方法をご紹介します。
 

About this image」が利用可能に

今年初め、Google はAbout this imageという新機能を発表しました。本日、この機能は Google検索の英語版ユーザーに全世界で提供されます。About this imageを使えば、オンラインで目にした画像の信頼性や背景情報を簡単に確認することができます。このツールで確認できることは以下の通りです:

  • 画像の歴史:画像や類似画像がGoogle検索で最初に表示されたのはいつなのか、他のWebページでもっと前に公開されていたのかを確認できます。これは、ある画像が現在の出来事に関連してシェアされているものの、実際にはもっと古い出来事に関する画像である場合に役立ちます。
  • 他のサイトがその画像をどのように利用しているか:画像が他のページでどのように使われているか、ニュースサイトやファクトチェックサイトのような他の情報源がその画像についてどのように述べているかを見ることができます。この情報は、画像について主張されていることを評価したり、他の情報源からの証拠や見解を確認するのに役立ちます。
  • 画像のメタデータ:画像クリエイターやパブリッシャーが画像に追加したメタデータ(利用可能な場合)を見ることができ、AIによって生成または拡張されたことを示すフィールドも表示されます。Google AIによって生成された画像はすべて、元のファイルにこのマークアップがあります。

 

About this imageを使って、曲がった家の画像に関する詳細情報を知ることができる例。画像クレジット:“ソポトの曲がった家”by Topory,ライセンスCC BY-SA 3.0

 

さぁ、About this imageを使ってこの画像を見れば、曲がった家がデジタルの錯覚ではなく、実際に存在することがわかるでしょう。(それでも、念のためポーランド行きのチケットを予約して、自分の目で確かめたくなるかもしれませんね!)
このツールは、Google画像検索結果で画像上の3つの点をクリックするか、検索結果のAbout this resultツールで“このページの詳細”をクリックすることでアクセスできます。このツールへのアクセス方法は、今後さらに追加していく予定です。
 

Fact Check Explorerに画像検索機能を追加

Fact Check Explorerは、ジャーナリストやファクトチェッカーが画像やトピックについてより深く知るための方法を提供します。Fact Check Explorerは、Claim Reviewのマークアップ(Googleがファクトチェックを検出して表示するのに利用しています)を利用して、世界中の独立組織によって調査されたファクトチェックを見つけることができます。
この夏、Fact Check Explorerに画像のURLをアップロードまたはコピーすると、その画像が既存のファクトチェックで取り上げられているかどうかを確認できるグローバルベータ版をリリースしました。またこのバージョンでは、画像に関連する様々な文脈の概要と、時間の経過に伴いそれらがどう変遷したかを確認することができます。このバージョンをリリースして以来、ベータ版ユーザーの70%以上が、新しい画像機能によって画像の調査時間が短縮され、画像によるファクトチェックをより迅速にオンラインで行えるようになったという声を聴いています。
 

ベータ版Fact Check Explorerでできる画像検索の例。コンテキスト検索では、画像がWeb上のさまざまな場所でどのように関連づけられたかがハイライトされます。

 
テスターから寄せられた主な要望のひとつは、社内のファクトチェックソリューションとのより良い統合でした。本日、FactCheck Claim Search APIの画像検索機能のベータ版を発表します:まもなく、承認を受けたジャーナリストやファクトチェッカーは、APIを通じてFact Check Explorerの画像コーパスを検索し、その知識を自社ソリューションに組み込むことができるようになります。これにより画像を調査し、読者のために独自の製品を構築することがさらに容易になるはずです。
 

Search Generative Experienceが、情報源に関するより多くの情報を提供

オンラインで情報を評価する最善の方法の1つとして、その情報源について詳しく知ることがあります。例えば、よく知らない小さな商店で売られている新しい登山靴を偶然見つけたとしましょう。そんな時はその販売者を調べたくなるかもしれませんが、あまり知られていないサイトの情報を見つけるのは難しい場合もあります。現在、Googleでは生成AIが代わりにそういった調査を行うことで、検索者が自信を持って検索できるようにする方法の実験を始めています。
Search Labsを通じてSearch Generative Experience(SGE)をオプトインしている人は、AIが生成したいくつかの情報源の説明を見ることができるようになり、そのWebサイトについて語る質の高いサイトの情報によってサポート(裏付け)されています。AIが生成した情報源の説明には、これらのサイトへのリンクが表示されています。
これらのAIが生成した情報源の説明として、WikipediaやGoogle Knowledge Graphのように既存の概要情報がない情報源については、About this resultの“このページの詳細”セクションに表示されます。今は既存の情報リテラシーの取り組みを支援・補完することで、この技術がどのように役立つかを模索するためのスモールスタート段階です。
皆様がオンラインで見たものを確認するのに役立つ、簡単にアクセスできるツールを持つことは、かつてないほど重要になっています。ポインター研究所のデジタルメディアイニシアチブMediaWiseが主導した2023年の調査では、回答者の10人に7人(70%)が、オンライン画像が本物で信頼できるものであるかどうかを見分ける自信がない、またはほぼ自信がないと回答しています。
私たちは、皆様が曲がった家について詳細を知るために情報を確認する場合でも、読んでいる情報源について文脈を知りたい場合でも、皆様がオンラインで見ているものにより自信を持ってナビゲートできるようなツールやリソースを構築することに邁進しています。

引用)The Keywordより和訳

 

つまりAbout this image機能によって、以下の内容が明確になります。

  • 対象画像のモチーフがどこから始まってどう遷移しているか:大元(画像の起源)の理解
  • 他のサイトでどう活用・評価されている画像か:発展性(第3者からの評価)の理解
  • 画像のメタデータ情報は何か:AI生成の場合はこれで理解

 

まだ提供は始まったばかりですので、対象画像の網羅性や正確性は未知数ですが、これによって画像の真偽や人気度が分かるようになりますね。

フェイク画像への対応

これ、一般的に見れば実はかなり画期的だと思います。世界中を騒がせている政治的なフェイク画像や芸能人等へのスキャンダルな画像について、その検証や確証が定かではない中、SNS等で拡散されたりしてしまうことを防げるようになるのではないでしょうか。

そして、話題があがる度にワイドショー等でコメンテーターが「怖い世の中になりますね」という意味不明な嘆きがありますが、そういったものも無くなっていくのではないでしょうか。

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