• 検索品質評価ガイドライン更新(2020.10)

検索品質評価ガイドライン更新(2020.10)

米国現地時間の2020年10月14日に検索品質評価ガイドラインがアップデートされました。巻末に改訂部分がログとして残るようになっていますので、もう百何十ページも読み直す必要はありません。ですので、一応今回は変更部分だけ切り取ってご紹介しておきます。

2020年10月品質評価ガイドラインの変更

2020年に変更した箇所が明記されていますので、その部分を和訳してご紹介します。以下、Googleの検索品質評価ガイドラインからの抜粋です。

  • Added note to clarify that ratings do not directly impact order of search results
  • Emphasized ‘The Role of Examples in these Guidelines’ as an independent section in the introduction
  • Added clarification that Special Content Result Blocks may have links to landing pages; added illustrative example
  • Updated guidance on how to rate pages with malware warnings and when to assign the Did Not Load flag; added illustrative examples
  • Changed the order of Rating Flags section and Relationship between Page Quality and Needs Met section for clarity
  • Added ‘Rating Dictionary and Encyclopedia Results for Different Queries’: Emphasizes the importance of understanding the user intent and query for Needs Met rating; added illustrative examples
  • Minor changes throughout (updated examples and explanations for consistency; simplified language regarding raters representing people in their locale; fixed typos; etc.)


  • 品質評価ガイドラインの評価が検索結果の順位に直接影響を与えるものではないことを明確にするため、注意書きを追加
  • 導入部の「本ガイドラインにおける事例の役割」を独立したセクションとして強調
  • 特別表示枠(ナレッジパネルなどのこと)にリンクが設置されていることがある点を明記し、例を追加
  • マルウェアの警告が表示されているページの評価方法と、Did Not Loadフラグを割り当てるタイミングについてのガイダンスを更新
  • 分かりやすいよう「評価フラグ」のセクションと「ページ品質とNeeds Metの関係」のセクションの順序を変更
  • 「辞書・事典要素でのクエリ別の評価」を追加。ニーズを把握するためには、ユーザーの意図やクエリを理解することが重要であることを強調
  • 全体的な細かい変更(一貫性を持たせるため例文や説明を更新、評価者がいる地域を問わず簡略化された言葉に更新、誤字脱字の修正など)

引用)General Guidelines

「この検索品質評価ガイドラインによる結果はSEOに直接的に影響していないよ」という点はGoogleが口を酸っぱくして伝えているので、もはや言語道断ですが、大事なのは「辞書・事典サイトでのクエリ別の評価」のところですね。Needs Metをどう訳すかにもよりますが、私は「需要を満たしている度」という解釈で考えています。

辞書的要素として応えるべき検索クエリの評価

今回Googleが追加した部分として、辞書的要素としてのクエリ解釈についてがあります。ここだけが今回の更新の特筆部分ですね。検索品質評価ガイドラインのセクション24.0の部分でクエリ別にどう解釈して評価すべきか、評価者に向けた案内をGoogleがしています。つまり、辞書的に検索結果として返している部分に対して「需要を満たしている度」をどう捉えるべきか、という案内です。セクション24.0の部分を和訳しておきます。

24.0 様々なクエリにおける辞書や百科事典の検索結果の評価

辞書や百科事典要素となる検索結果に「需要を満たしている度」の採点を行う際には、ユーザーの意図に注意を払う必要があります。他の全ての検索結果と同様、辞書や百科事典の検索結果の有用性はクエリとユーザーの意図に依存します。
辞書や百科事典要素が検索結果に出ることで、一部で話題性のある言葉においてはその重要性を発揮しますが、既に誰もが知っている一般的な言葉において、辞書や百科事典要素が検索結果に出ても役に立ちません。辞書や百科事典要素が検索結果に出ることについては、ユーザーのクエリに含まれる意図が「それは何か」「どんな意味なのか」という要素が強く、そう考えて検索しているユーザーにとって合致しているであろうと判断した検索結果であれば「需要を満たしている度」を高く評価しておきましょう。
重要:一般的な単語や一般的な項目に対する辞書や百科事典の検索結果の有用性については、よく注意して評価ください。一般的な単語において辞書や百科事典の検索結果が役立っているユーザーがあまりいないと思う場合は「Slightly Meets」(ちょっと満たしている)の評価が適切でしょう。役立っているユーザーが非常に少数か全くいないと思う場合は、「Fails to Meet」(満たしていない)の評価が適切です。

引用)General Guidelines

Googleが具体的に例を出してくれています。
例えば「obsequious」というクエリ。「媚びへつらう」という意味ですが、この評価場所が「ウィスコンシン州ミルウォーキー」であった場合、これは中等教育で勉強される語句であり、大学入試試験で頻繁に見かけますので、辞書的要素での検索結果が役に立つでしょう。つまり、辞書的要素が検索結果に出ても「需要を満たしている度」は高いわけです。

一方で「rainbow」というクエリ。「虹」ですが(評価場所として「ネブラスカ州リンカーン」に設定されています)、これは今さら虹の意味を求めているユーザーは少なそうですよね。まぁ、虹が出来るメカニズムを知りたいと思う人はいるかもしれませんが…。ただ、大凡検討がつくのは、虹の画像だったり、「虹」という名前が入ったブランドや地域のお店などを探してるのかと思われます。ですので、辞書的要素が検索結果に出ても「需要は満たしていない」と考えます。

同様に「cafeteria」というクエリもそうです。「オレゴン州ユージーン」という場所であれば尚更ですが、大半の人はカフェテリアという言葉に馴染みがあります。おそらく検索者はどこか食べる場所を探しているのだと思われます。つまり、カフェテリアそのものの意味よりも、どこか食べる場所を探しているので、辞書的要素の検索結果では需要は満たしていません。

他にも、クエリが「ATM」の場合。場所は「テキサス州エルパソ」とされていますが、恐らく検索者のほとんどは近くのATMを探しているのではないでしょうか。ただ、もしかしたらユーザーの中にはATMの一般的な情報(歴史、どのように機能するか等)を知りたいのかもしれません。ATMに関する辞書的要素が検索結果に出た場合、ゼロではないかもしれませんが、限りなくその要素は薄いですよね。

このような感じで、辞書的要素の検索結果が出ている場合、検索品質評価者は、都度検索心理を考えて「需要を満たしている度」をチェックするようにしてください、とのことでした。

特にWebサイトオーナー側として気を付ける点は無いけれど

今回の更新によって、何がどうということは無いのですが…先日の文節インデックスもそうですし、Googleはコンテンツに対して、断片的であってもきめ細かく評価しようとしている傾向をすごく感じます。

ですので、テキストコンテンツを書く人は1ページ内で「ちなみに・・・」みたいな内容はすごく大事な気がしています。なおのこと、深く広い情報が大事ですし、周辺情報までもあると検索結果に拾われやすい気がしています。やっぱり今のGoogleアルゴリズムを考えると、「最適なボリュームと端的な1ページ」というより「最大ボリュームと長編な1ページ」を作成した方が良い気がするんですよね…。そして、その分、ユーザーが見にくくなるので、それを防ぐべく目次を使ってページ内移動をバンバンしてもらうって感じが良いと考えています。

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