Googleは米国現地時間5月23日、Search Central Blogにて、トピックオーソリティ(Topic Authority:直訳すると「話題権威性」)に関する記事を公開しました。ツイート内容と合わせて和訳してご紹介します。Google検索とGoogleニュースにおける特定のクエリ領域で機能する検索ランキングシステムの話です。
To add a bit more, this isn't a new system that's just launched. We've used it for several years. Our post today is part of our regular efforts to share more about how ranking works.
— Google SearchLiaison (@searchliaison) May 23, 2023
引用)@googlesearchcより和訳
ちょっと補足すると、トピックオーソリティは今始まった新しいランキングシステムでありません。数年前から活用しています。今回のこのGoogleの記事公開の意図は、現在のランキング評価の機能について、もっと公表していこうと考えている一環に過ぎません。
引用)@searchliaisonより和訳
Googleからの内容
Google検索やニュース等で時事ネタや重要な情報に関する検索をした際、訳の分からない人やサイトからの情報だと信ぴょう性に欠けますよね? それはGoogleも同じことを考えているわけで…そこでGoogleはトピックオーソリティという権威的なサイトや著者を評価して優先掲載できるランキングアルゴリズムを数年前に開発したとのことです。Googleとしては検索ランキングに関するメカニズムを少しでも透明化するために、改めて今トピックオーソリティについて紹介したようです。
というわけで、まずは記事内容を和訳してご紹介します。
ニューストピックの権威性を理解する
大きな話題となるニュースは、大抵色々なニュースサイトで取り上げられます。そのため、ある話題について特定の専門知識を持つメディア(publications)を探しているGoogle検索者にとって、例えば経済状況による影響を確認したい金融機関や、地元で起きた災害について報道する地方メディアなど、一般的な報道の中でこのような専門的なメディアを見つけることがなかなか難しくなりつつあります。このような場面において、知識豊富で役に立つ記事は、一般的なサイトに埋もれてしまう可能性があります。
そこで、Google検索とニュースにおいて、関連性の高い、専門的な、知識豊富なコンテンツをより適切に表示するため、Googleは、健康・政治・金融など、特定の専門的なトピック領域において、どの専門家による情報源がニュース関連のクエリに役立つかを判断するのに役立つ、トピックオーソリティというシステムを開発しました。
トピックオーソリティの仕組み
トピックオーソリティは、メディアが特定の分野でどの程度の専門性を持っているかを理解すべく様々なシグナルに注目します。主要なシグナルは以下の通りです:
- 話題や場所に関して、その情報源の注目度:トピックオーソリティは、特定の話題や場所に特に関連性が高いと思われるメディアを理解します。例えば、テネシー州ナッシュビルの高校サッカーのニュースを探している人は、地元を報道するThe Tennesseanのようなメディアを求めていると認識するでしょう。
- 影響力と独自取材:トピックオーソリティは、独自の報道(例えば、記事を最初に報道したメディア)が他のメディアによってどのように引用されているかを辿って、そのメディアが今回どのように影響力や権威性があるかを判断します。2022年には、他の報道機関から頻繁に引用されている記事を簡単に識別できるように、Highly Citedラベルを追加しました。
- 情報源の評判:トピックオーソリティは、情報源の高品質な報道履歴、または専門分野や特定のトピックに関する専門知識の評判など、ソースの評判も考慮します。例えば、オリジナルの報道を行ってきたメディアの履歴やジャーナリズム賞はニュースサイトの評判を高めるのに有力な証拠になります。
トピックオーソリティがニュース検索に役立つ理由
トピックオーソリティはローカルニュースクエリへの対応を向上させる重要なシグナルであり、トップストーリーやその他のニュース特集に関して、世界中の読者に対してより役立つ地方や地域コンテンツを提供します。
トピックオーソリティがGoogle検索に役立つひとつの方法をご紹介します。例えば、あなたの住んでいる地域で洪水があったとします。トピックオーソリティシグナルは、その地域のメディアから、あなたの市や町の話題を定期的に取り上げているコンテンツを特定し、検索結果に上位表示するように働きます。そのため、全国規模の大きなメディアも洪水について取り上げているかもしれませんが、検索結果に表示されるのは地域社会で信頼されている身近なメディアとなる可能性が高いでしょう。
トピックオーソリティを重視することで、その場所やトピックに精通したニュースチームによる独自の報道を提供することも可能になっています。例えば、地元のメディアが自分の地域で取材したニュースのイベントは、より頻繁に検索結果に表示されるでしょう。また、特定の話題や分野に関するニュースの経緯を理解するためには、その専門知識を持つメディアが最も役に立つと判断され、結果的に表示されやすくなります。
トピックオーソリティを活かしたいと思うメディアは、通常のメディアが行うことと同じように、自分たちがよく知っている分野やトピックについてどこよりも優れた報道を行うべきです。そのための活動が、トピックオーソリティが測定する内容や役に立つユーザーファーストなコンテンツの作成に関する基本概念と自ずと一致するはずです。
引用)Search Central Blogより和訳
地域性が強いクエリに機能?
今回の発表記事を読むと、以下の検索クエリ関連において、最もトピックオーソリティが発動しやすそうです。
- 健康関連、政治関連、金融関連等における時事性や関心度の高いクエリ
- 事件や話題の地域性が高いクエリ
どちらに関しても、要は“それに精通している”メディアサイトを優先表示するようにするとのことです。そして、それに精通するためにメディアサイト側ができることは、“得意分野で高品質な報道をし続けること”だそうです。
ちなみに私は今回、メディアという訳し方をしていますが、厳密に言えば出版元なので、サイトという解釈をして良いでしょう。サイトという解釈をするのであれば運用者全員に影響するランキングシステムということになります(YouTubeやTwitterも対象ではないでしょうか)。E-E-A-Tという概念はこういうところでも作用しますね。
最後に、下請けのWebライターによっては「私は関係ない。ただただ発注された記事を書くのみ」という考えの人もいるようですが、私はそうは思っていません。しっかりと自己流とアイデンティティを持つことで、発注側が依頼しやすくなるエッジを効かせ、またいつ自分自身が表立っても良いように、しっかり丁寧にライティングすることをお勧めします。