SGEのUI強化

Googleが米国の英語圏中心にSearch Labsを発表して3ヶ月経ちました。そしてその中のひとつに生成系AIを搭載したGoogle検索であるSGE(Search Generative Experience)が含まれています。今回、そのSGEをマイナーアップデートしたとGoogleはThe Keywordで発表しました。米国現地時間8月15日付けの記事ですが、今後日本語版のSGEが導入された際には既に機能として備わっているはずですので、(米国の英語版で私たちはまだ一般的に利用できないものの)今のうちにご紹介しておきたいと思います。今回のアップデートは細かな機能ですが意外と重要な気がします。

Search Labs

発表内容について

まずはThe Keywordの記事を和訳してご紹介します。既に米国英語圏でのSGE利用ユーザーであれば理解できる内容ですが、全くSGEやSearch Labsを使っていない日本人(99%そういう人だと思います)には実感が湧かない内容かと思います。とはいえ、今お使いのGPTやBing AIと比較すればその有用性を理解できると思いますので、そんなスタンスでご覧ください。

生成AIを使って検索(ネット利用)しながら学ぶ

Web上の情報をよりよく学習し、理解するのに役立つ新生成AI機能をSGEに展開します。
生成AIを搭載した検索体験(SGE)を発表してから3ヶ月弱が経過しましたが、初期のフィードバックがポジティブなものが多く、とても心強く思っています。最初のロールアウト以来、Googleはこの検索体験をさらに役立つものにするため、継続的に改良を加えてきました。最近では、SGEが生成した回答(スナップショット)に概要の画像やビデオの追加、リンク表示方法の改善などのアップデートを発表しました。
本日、複雑な概念の理解を深めたり、コーディングスキルを向上させたり、複雑なトピックの詳細まで探求したりと、Web上の情報をより良く学び、理解するのに役立つ、アップグレードしたSGEのいくつかの機能をご紹介します。
 

AIが生成した回答の定義を見る

何か新しいことを調べたり、概念の説明を探している時、理解できない用語に出くわしたり、より詳しい情報が欲しくなるかもしれません。これを簡単にするために、科学、経済、歴史などに関する様々なトピックや質問に対して、AIが生成する回答方法を近日中にアップデートする予定です。このアップデートにより、特定の単語にカーソルを合わせると、そのトピックの定義をプレビュー表示したり、関連する図や画像を見ることができるようになります。
 


 

AIでコーディング情報をより理解しやすく

新人プログラマーであれベテランプログラマーであれ、コーディングについてもっと深く学びたいという気持ちは常にあると思います。今日より、SGEに新しい機能を追加し、生成コードをより理解しやすく、デバッグできるようにします。
SGEは現在、AIが生成した回答の概要を提供し、多くのプログラミング言語やツールに関するコーディング業務に関してもサポートしています。例えば、やり方に関する質問への回答や、一般的な業務の推奨コードスニペットを確認することができます。今回のアップデートでは、概要のコードを識別し、該当部分を色分けしてハイライト表示するようになりました。これにより、キーワードやコメント、文字列などの要素をより迅速かつ簡単に識別できるようになり、一目でコード部分を理解できるようになりました。
 

生成AIを使用し、Webブラウズしながらより簡単に学習

新しい情報の内面要素や外面要素を含めて理解しようとする時、長いWebページや複雑なWebページを咀嚼する必要があることが多く、その中で特定の詳細にだけ焦点を絞って読み解こうとしても簡単にできるものではありません。そこで、本日からSearch Labs内で“SGE while browsing”と呼ばれる初期段階テストを開始します。Googleの目的は、生成AIがオンライン上の情報をどう案内し、検索者が探している核心にどう早く到達できるかテストすることです。
“SGE while browsing”は、Webサイトページが長いコンテンツであってもユーザーが分かりやすくなるようサポートし、Webブラウズ中に探しているものを見つけやすくするために特別に設計されました。いくつかのWebページにおいては、generate部分をタップすると、記事の重要なポイントをAIがリスト表示し、そのページ内で探している情報に直接飛ぶことができます。また、“Explore on page”を使えば、その記事内で質問に回答している部分を確認することができ、そこをタップすると関連するセクションに飛んでさらに詳しく知ることができます。
 


 

これらの機能は、新しいことや複雑なことを学ぶときに特に役立つと私たちは考えていますが、新しいレシピを見つけたり、大きな買い物について調べたりするような他の行動に対しても便利です。
“SGE while browsing”は、Web上で無料公開されている記事に対してのみAIが生成したキーポイントを表示するように設計されています。そのため、有料コンテンツ記事にはキーポイントの機能を提供しません。サイト運用者側はこの設定変更が可能であり、コンテンツを無料または有料に指定する方法については、ヘルプセンターで詳しく知ることができます。このLabsでの期間を通してフィードバックを集め、パブリッシャーとユーザーの双方にとって何が最も効果的かを学び、この実験を時間をかけて進化させていきます。
既にSGEにオプトインしている場合は、自動的にこのテストを利用できます。まだオプトインされていない場合は、“SGE while browsing”にアクセスすることで、Search Labsから独立したテストとしてご利用いただけます。デスクトップで“SGE while browsing”を試すには、Chromeが最新バージョンであることを確認し、Labsにアクセスしてください。
 

これらの最新機能は、情報の検索と咀嚼をより簡単にするために、検索における生成AI体験を改善する方法のほんの一部です。Googleアプリ(AndroidおよびiOS)またはChromeデスクトップからSearch Labsを通してこれらの実験に登録し、フィードバックを共有することができます。

引用)The Keyword

 

はい。難しい話だったかもしれません。つまり検索に対して生成AIが返す検索結果において、表示される用語をマウスオーバーするとモーダルで説明してくれるし、検索結果から進んだWebページの中から欲しい情報(やコード)をハイライトして教えてくれたり、要点をまとめて読みたい箇所だけを読めるようアシストしてくれるという機能です。とにかく今風なタイパ重視の機能ですね。

SGEについて

一応、再度ご説明しておきます。Googleは米国英語圏ユーザーに対して、Search Labsと称した、いわゆる“ベータ版を一緒に使ってくれる会?”(笑)なるコーナーを作り、そこに参加表明してくれた人に、AIを使った様々な体験を提供しています。その中のひとつに生成AIを搭載したSGE(Search Generative Experience)というサービスがあり、いつか本格的にこのSGEがGoogle検索になるよう、今はSearch Labs利用者からフィードバックを集めている段階です。
そして、より使いやすくなるようマイナーチェンジを行っているというわけですね。
 

私たち日本人の一般Google検索ユーザーという立場からすれば、いつかAIを搭載したGoogle検索が、要点を絞り端的に欲しい情報を紹介してくれるのを待つ、という感じでしょうか。いずれにしてもWebサイトページ側としての評価は同じで、検索ユーザーの滞在時間は短くなるかもしれません。ポイントだけ見られてもコンバージョンしてもらいやすくするような工夫が必要になってくるでしょう。

そう思うと、今後必要なのは文脈よりも物理的な行動促進コンテンツになりそうな気がしますが…まぁもう少し様子を見ていきたいと思います。

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