• これから気になる2つのアルゴリズム

これから気になる2つのアルゴリズム

実は私が地味に気になっているアルゴリズムがあります。どちらもまだ本領発揮!という感じでは実感していませんが、間違いなくこれから頭の片隅に置いておくべきアルゴリズムかと思いますので、ここに記載しておきたいと思います。パッセージランキングMUMです。特にMUMに関しては、具体的機能にも影響していますので充分な理解が必要です。

パッセージランキングについて

パッセージランキングって結構大事だと私は思っています。今までのGoogle検索におけるWebページの評価は、飽くまでもページ全体の概念をもとに評価していました。しかし、2021年2月を皮切りに、ページ全体を通して1つの概念とするのではなく、良質な文章があれば、(その長短に関わらず)その部分だけで検索上位にページが表示される仕組みが導入されました。つまり、検索キーワードに対して的確な回答となる内容であれば、たとえページ内の一部分であっても評価対象にするという(ページ単位だけで判断しなくなった)ランキング要素となります。過去にこのブログでショートケーキの日と電池の日を例として挙げているので、そちらも再度併せてご参照ください。

そして、このパッセージランキングによって何が変わるかと言うと「Googleは、品質さえ良ければそのページを細かく隅々まで読み込むようになる」わけですので、なんとなくGoogleが話している内容と相反するかもしれませんが、「たとえ文章が長くなろうとも、しっかりと細かく、関連情報も含めて記載していくと品質の高いページになる」ということです。

今まではページ概念という抽象的な言葉に踊らされ、その概念自体を細分化してしまうことでページ数が無駄に増えてしまうWebサイトが目立っていました。そんな感じでページ数が無駄に多くなっては、ひとつひとつのページに注力できず、外部リンクを貰えるほど良質になる手間はかけられないと思うんです。だったら熟考に熟考を重ねた1ページを作り、それが何年も続くことで結果的に大量のコンテンツ資産となっている、という形のほうが良いですよね。パッセージランキングがもっと検索順位に影響するようになることで、むしろWebページ1つ1つが高品質に長くなっていけるのではないか、と思っています。ちなみに私個人としては、1ページあたりが長い方が読みやすいので、こうした傾向になるのは良いと思うのですが、人によっては「1ページあたりが短い方が良い」という意見もあるかもしれません。

パッセージランキングを考えれば考えるほど、広く深い情報の1ページがポコポコ出来上がると思うので、面白いことになるのではないかと思います。つまり、安直に考えれば、インターネット情報が良質になっていくのではないかな、と私は思っています。

MUMについて

MUMについては…正直上手く説明できないのですが…米国本国の記事を読んでも抽象的な言い回しだったり、例だったりして、理解しづらいので私も上手く伝えられる自信がありません。一応、Twitterでは以下のようにまとめました。

短い文章で言えば、検索キーワードに関するテーマを全世界的に情報処理することで、検索者の求める内容を多角的に予測・把握し、検索者の理解の段階に応じた複数要素の内容や画像を一度に識別。結果、その検索者に最適な情報を提供するAIアルゴリズムです。Multitask Unified Modelsの略ですので、直訳すると「複合処理業務統一化仕様」って感じです。つまり、ユーザーが何度も検索しないと辿り着けないような情報でも、MUMが体系立てて解釈・処理することで、少ない検索回数(1回)でユーザーが欲しいと思った情報に辿り着けることをアシストする機能です。うーん…どうしてもややこしい言い回しになってしまいます(笑)。

そして、このMUMがもたらすものについて私はちょっと触れておきたいのです。

今、企業のWebサイトがこぞってコラム記事を書いていたりしますよね。それはもちろんSEO施策の一環でして、様々なサービス関連キーワードや、それにまつわる情報収集クエリ(Knowクエリ)に対応すべく、客観的な一般情報を網羅する記事を書いているのだと思います。それにより検索上位を奪取することでWebサイトへの流入数を増加させることが狙いのはずです。そして、Webサイトへの流入数を増やす目的は、サービスの売上を上げるためですよね。

しかし、実際はどうでしょう。流入数、ひいては検索順位に目をやるあまり、売上のことは考えられていないのではないでしょうか。事実、コラム記事に書いてある内容は客観視した(誰が書いても良いような)一般情報で、そのWebサイトならではの情報でもなければ、サービス訴求もロクにしていません(最後にチョロッとバナー程度)。流入ユーザーにおいても情報にしか意識が行っていませんので、実際、どんなサービスをしているどんなWebサイトなのかさえ認識していないのではないでしょうか。

そこで、MUMの導入が強化されるとどうなるでしょう。
検索ユーザーは「自分の状態」に合わせた回答(自分に有益なWebサイトページが紹介される)を期待しているわけで、その「自分の状態」を明確に表記(代弁)しているWebサイトページであれば、Googleにピックアップされて紹介してくれるようになるわけです。
と、いうことは…Webサイトページでコラム記事として記載するのであれば、「こんな人にはこういうやり方があるよ」という内容の方が良いわけです。「こんな人」というのは誰が良いのか…それが企業のターゲットになるのではないでしょうか。

つまり、企業はコラム記事内でしっかりとターゲットをフォーカスし、その企業ならではの記事を書いていくことで、必然的にターゲットとのマッチ(=ターゲットの流入)が増えてくるようになるはずですし、サービスの訴求もしやすくなるのではないでしょうか。

MUMがビジネスのエコシステムを変えるかもしれないのです。

と、いうわけで

私が企業サイトの運用者であれば、この2つのアルゴリズムによってライティングすべき要件を明確に設定し、ライターやアウトソースを利用すると思います。これからのコラム記事はこうあるべきだと思っています。

皆様はどうお考えでしょうか。是非ご意見いただければと思います。

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