• 2023年5月の米オフィスアワーより①

2023年5月の米オフィスアワーより①

2023年5月に米国本国で行ったEnglish Google SEO office hoursについて、フォローアップ記事が出ましたので、いつものように和訳してご紹介します。今回は全部で27個質問がございますので、そのうちの前半14個のご紹介です。残りは次回の記事でご紹介します。世界共通の疑問も多いのでご参考ください。

質問と回答

2023年5月GoogleSEOオフィスアワーの議事録です。毎度のことながら内容に関して何かあればGoogle Search Centralのヘルプコミュニティへ質問しましょう。今回ご紹介するのは、全27質問のうちの14個です。まず和訳したものをご紹介します。
 

1.あるドメインがペナルティを受けた場合、そのドメインからのアウトバウンドリンクに影響はありますか?

Duy:Kholizioからの質問です。「もしドメインがペナルティを受けたら、そこからのアウトバウンドリンクに影響しますか?」

「ペナルティを受ける」というのは、Googleのスパムアルゴリズムや手動対応によってドメインの順位が落ちることを意味するのだと思います。一般的には、スパムだとわかっているサイトからのリンクは(良くも悪くも)信用しません。これは、アンカーリンクの傾向を分析するのに役立ちます。
 

2.URLテストツール毎にHTMLのレンダリング結果は異なるものでしょうか?

Martin:Ellen Edmands氏からの質問です。「URL検査ツールのレンダリングHTMLタブとリッチリザルト検査ツールのレンダリングHTMLタブの結果は、それぞれ違って生成されるのでしょうか?」

原則同じ生成方法です。しかし、2つの流れがあることで、生成結果が異なることがあります:Google Search Consoleの“クロール済みのページを表示”タブでインデックスパイプラインを使用する方法、Google Search Consoleのライブテスト、またはリッチリザルトテストツールのライブテストを使用する場合です。ライブテストはどちらもキャッシュをスキップして、現在のバージョンのページがどのようにレンダリングされているかを確認することができます。つまり、キャッシュデータがない状態なので、レンダリングに影響を与えるほどの時間切れが発生する可能性があります。タイムアウトが発生する場所や、タイムアウトが発生した場合によっては、レンダリングされるHTMLが異なる場合があります。とはいえ、これらのGoogleのインフラ上、全く同じ生成方法です。
 

3.ディレクトリやソーシャルブックマークサイトに投稿をすることは価値がありますか?

Gary:Shantanuからの質問です。「ディレクトリ登録やソーシャルブックマークサイトに自分のページを投稿することでSEO上の価値はあるのでしょうか?」

この質問は、私が15年前にSEO施策をしていた頃を思い出させてくれるので、とても気に入っています! 結論からお伝えすると、ディレクトリ登録やソーシャルブックマークをすることはただの時間の無駄です。全く役に立たないことに時間を浪費している可能性が高いです。
 

4.なぜ私のサイトでは、一覧ページがnoindexとして除外されているのでしょうか?

John:なぜ私のサイトでは、一覧ページがnoindexとして除外されているのでしょうか?

確認すべく、いただいたサイトページを見てみました。どうやら要するに、特にあなたのサイト内でページ分割されたカテゴリページにおいて、noindex robots <meta> タグが入っているようです。これを確認するためには、Search Consoleで指定された正確なURLを入力して確認することができます。また、ブラウザでページを開き、view-sourceを使って“robots”で検索し、robots <meta> タグを、‘googlebot’で検索してGooglebot タグを、それぞれ確認するのも簡単な確認方法のひとつです。ページによっては、これらのタグが複数個所にある場合もあります。あなたのサイトの場合、2つの別々のrobots <meta> タグがあり、2つ目のタグのほうにnoindexが見つかりました。専門的な言い方をしますと、Chromeのモバイルエミュレーションを使ったり、開発者ツールのInspect Elementを使って読み込まれたDOMを見たり、Search ConsoleのURL検査ツールの機能を使ったりすることになるでしょう。今回のケースでは、あなたのサイトのeコマースプラットフォームのプラグインか設定画面で修正するのがと思いますが、そこで設定いただければ特に問題はないかと思います。
 

5.私のサイトへ、ロシアのWebサイトからリンクが貼られているようです。このようなリンクをブロックするにはどうすれば良いでしょうか。

Duy:質問は「ロシアのWebサイトから私のサイトへリンクが来ているようですが、私はこういうリンクをブロックするにはどうすれば良いでしょうか。私のサイトの検索順位を落とそうとしているのだと思うのですが。」

私たちのアルゴリズムは原則、インターネット上のスパムやゴミのようなリンクを認識し、無視するよう非常に良質な機能をしています。時にはそれが相当量存在することもあります。それでも、全く心配する必要はありません。私たちのシステムにお任せいただき、あなたはご自身のWebサイトを改善することに集中してくださって結構です。
 

6.Webサイトのバックエンドはランキングに関係するのでしょうか?

Martin:Eshraghからの質問です。「Webサイトのバックエンドはランキングに関係するのでしょうか? 例えば、WordPressやカスタムメイドのCMS、HTMLのレンダリングに特定のプログラミング言語を使用しているかどうかは重要な要素になりますでしょうか?」

いいえ、一般的には重要ではありません。しかし、それによるパフォーマンスや動作は重要です。例えば、バックエンドとなるサーバが著しく遅い場合、ランキングに影響を与える可能性があります。
 

7.スニペットに複数のサイト名を表示する予定はありますか?

John:Madeleineからの質問です。「スニペットに複数のサイト名(例えば、ルートドメイン名とサブドメイン名)の表示を承諾する予定はありますか?」

サイト名に関するドキュメントの中では、現在はドメイン名のみで、サブドメインには対応していないことに触れています。将来これが変わるかどうかをここで明言することはできません。過去の変更を振り返ると、対応チームが問題点を浮き彫りにし、その根本から見直すことで対象範疇を広げて表示したこともあります。だからと言って、今後もそうなると明言することはできません。
 

8.16,000ページのインデックスに6ヶ月以上もかかるのでしょうか?

Gary:Tom Bakerからの質問は、「私のサイト16,000ページをインデックスするのに6ヶ月以上もかかるものでしょうか?1週間に5~15ページほどインデックスは増えているようですが、遅くないでしょうか。」

サイトページのインデックススピードは、多くの事柄に左右されますが、最も重要なのは、サイトページの品質と、インターネット上での人気度です。コンテンツが最高の品質であると自負できるほどのものであれば、ソーシャルメディア上でプロモーションを行い、皆があなたのサイトについて口コミをするほどにしましょう。そうすれば、きっと早期インデックスにも役立つはずです。
 

9.パーマリンクにおいて、URL“-will-not-”と“-wont-”を入れるのは短縮形として良いのでしょうか?

John:Michaelからの質問です。「パーマリンクにおいて、URLに“-will-not-”と”-wont-“が考えられる場合、短縮形でも良いのでしょうか? “Wont”は実際には別の意味もあるのですが、一般的に、“-do-not-”対“-dont-”のベストプラクティスはあるのでしょうか。」

そのことは大した問題ではありません。原則、URLの単語は検索にほとんど影響ありません。私が唯一推奨するとしたら、同じページに間違って変なリンク設定をしないように、管理に一貫性を持たせることです。それでも影響度は限りなく少ないですし、サイト全体のURLを変更することはかなり大きな変更となりますので、どこかで読んだ風なSEOの都市伝説を信じてURLを変更することはおすすめしません。
 

10.画像のURLに多くの階層があると、Googlebotsが画像をクロールしてインデックスしづらくなるのでしょうか?

Martin:Amanの質問は「画像URLに多くの階層があると、Googlebotsが画像をクロールしたりインデックスしたりするのが難しくなるのでしょうか?例えば、https://www.abc.com/ab/cd/content/category/image/hires/imagefilename.jpgのように」

良いお知らせです。全く関係ありません!
 

11.私のサイトは多くのスパム被リンクを受けているのですが、それを止めるにはどうしたらいいでしょうか?

Gary:匿名の質問です。「多くのスパムバックリンクが私のWebサイトに向いているのですが、どうすれば止められますか?」

簡単です、無視してください。インターネットは巨大な空間で、あなたはそのほんの一部からリンクを受けているに過ぎません。Googleは25年間、スパムリンクに対処してきた経験から、そういったリンクを無視する機能に非常に長けています。だから、私ならそんな被リンクを無視します。それでも、どうしても気になるなら、Search Consoleの否認ツールを使って申請することができます。
 

12.Google Search Consoleが間違ったクエリを表示する可能性はありますか?

John:Alexisが質問しています。「Google Search Consoleに間違ったクエリが表示される可能性はありますか?」

Search Consoleのパフォーマンスデータは、特定のクエリに対してあなたのサイトが表示された時にデータ収集するようになっています。このパフォーマンスデータは理論的な手順で機能しているわけではなく、ユーザーが検索した時に表示されたケースに基づいています。意味不明なデータを抽出してしまった場合は、レポートの設定を絞り込んで具体的な内容を確認するようにしています。もし間違ったクエリが表示されているのであれば、特定の国だけに見られるデータだったのでしょうか? それとも、特定の検索タイプで見られたデータだったのでしょうか? もしくは、一時的なものだったでしょうか? 内容によっては再現できることもありますが、今はもう表示されていない、あるいは時々しか表示されないということもあります。それが興味深く紐解ける内容なこともあれば、現時点では再現できないこともあります(ので何とも言えません)。
 

13.検索エンジン向けのサーバサイドレンダリングとユーザー向けのクライアントサイドレンダリングでHTMLページを分けても問題ないのでしょうか?

Martin:Madeleineの質問です「私たちは、検索エンジンのボットにはサーバサイドレンダリング(SSR)でページの完全一致のHTMLを配信し、ユーザーにはクライアントサイドレンダリングを使用しています。これは、JavaScriptによるSEO施策として適切な対応策でしょうか?」

これはダイナミックレンダリングと呼ばれるアプローチです。設定やメンテナンスが複雑になるとは思いますが、それで上手くいくのであれば、行っても良いでしょう。ただ、Webサイトのオーナー側にも複雑な管理コストがかかるので、新しいプロジェクトとして開始する場合は推奨していません。最適な対応策とは言えませんが、上手くいっているのであれば、変更する理由はないと思います。
 

14.画像ファイル名を説明的に記述する重要性は?

Gary:Al G.からの質問です。「画像のファイル名を記述することは、どの程度重要なのでしょうか?」

いい質問ですね!しかし、もしあなたが何百万枚もの画像を持っているのなら、どこかのタイミングでそこまで行うメリットがあるかどうかを検討する必要が出てくるでしょう。数枚だけならファイル名を工夫しても良いと思いますが、画像ファイルが大量にある場合は、対応していられないと思いますので、あまり気にしないほうがいいかもしれません。また、Google画像検索SEOベストプラクティスもご覧ください。

引用)Google SEO Office Hours|Search Centralより一部和訳

 

毎度のことながら、特に私から話すことはありません…。変なリンクが貼られても無視しましょう、くらいですかね。あと、インデックススピードについてですが、16,000ページであろうが10ページであろうがGoogleは品質を確認しながら、また様々なところからアクセスされたりリンクされたりしているのを確認しながら、インデックスしていると思いますので、今はそういう認識でいたほうが良いと思います。

個人でSEOを行っている人にとっては情報源が乏しい?

最近、私はよくTwitter内で「Search Consoleの見方が分からない」とか「こういうケースの対処法が分からない」等のツイートをよく目にします。そして、そういう人は個人でブログを行ったり、フリーで何かの仕事をしていたりしていて、SEOに関する情報源が開放的ではなさそうな環境にいそうです。

SEOに携わる知り合いが多かったり、コンサルティングを受けていたり、企業勤めで同僚や他社と情報交換できる環境にあったりすると良いですが、確かに閉塞的な情報環境にいると分からないことが多いんだろうなぁ、と思いました。

ということで、もしこのふわふわビジネスブログをご覧になっている方で、「基礎的すぎて聞きづらいなぁ」とか「ツイートするのも嫌だし、誰かなんか教えてくれないかなぁ」と思ったら、私宛に「お問い合わせ」からご質問ください。実はこんなブログでも、結構ご質問いただくことが多いんです。しかも私は無料でお答えしています。「相当な工数で調べないとお答えしづらい」という回答をしたことは数回くらいしかありません(あるんかい笑)。私には明確なメリットがあるわけではありませんが、でもご質問いただくと「こういう方に読んでもらえているんだなぁ」という執筆の励みになるんです。

というわけで、いつでもお気軽にどうそ。

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