• 2023年1月の米オフィスアワーより①

2023年1月の米オフィスアワーより①

2023年1月に米国本国で行ったEnglish Google SEO office hoursについて、フォローアップ記事が出ていましたので、和訳してご紹介します。今回は全部で28個質問がございましたので、前編と後編の2回に分けていきたいと思います。実際にグローバルに影響する質問が中心ですので、ぜひご参考ください。

質問と回答

2023年1月GoogleSEOオフィスアワーの議事録です。内容に関して何かあればGoogle Search Centralのヘルプコミュニティへ質問すると良いでしょう。今回ご紹介するのは、全28質問のうち前半の14個です。私からはまず、和訳したものをご紹介します。

meta keywordsは重要ですか?
Lizzi:「メタキーワードは今でもSEOに役立つのでしょうか?」とのことですが、いいえ、役に立ちません。その理由について興味がある方は、2009年のブログ記事で、Googleがメタキーワードを使用しない理由について詳しく説明しているので、ご一読ください。
 

なぜ私のブランド名はそのまま表示されないのですか?
Gary:カジャルからの、私のブランド名は「Quoality」です、とのことですが。「Quebec Uniform Oscar Alpha Lima India Tango Yankee」の頭文字を取ったブランド名であり、そのブランド名をGoogle検索すると、「quality」の検索結果が表示されます。カジャルたちのブランド名は正しいスペルです。なぜ、Googleはこのような検索結果にするのでしょうか?とのことです。
いい質問ですね。Googleのアルゴリズムは、一般的な単語のスペルを間違えて検索した場合、それを学習して正しいスペルを提案したり、正しいスペルでの検索を行おうとします。ブランドが成長するにつれ、Googleのアルゴリズムはあなたのブランド名を学習するようになり、おそらくアルゴリズムが正しいスペルとして検出したものになれば、最初からそういった表示(一般用語に修正して検索結果を返すこと)はなくなるようになるでしょう。しかし、時間もかかると思います。
 

サイトマップのlastmodには、どの日付を使うべきですか?
John:マイケルからニュース記事のサイトマップXMLファイルにおけるlastmodについての質問です。これは記事の最終更新日なのか、それとも最後にコメントされた日付でしょうか?とのことです。
サイトマップファイルはページの変化に応じてクロールするタイミングを決めるものなので、lastmodの日付は再クロールに値するほどコンテンツが大きく変化した日を反映させるべきでしょう。もしコメントがページの重要な部分であるなら、その日付を使うのは問題ありません。最終的に、これはあなた自身が決定してしまって良いです。記事自体の日付については、ページでの日付の使用に関するガイドラインをご参照ください。特に、ページ内の日付は一貫して使用し、タイムゾーンを含む構造化データをマークアップに含めるようご確認ください。
 

ニュース用と一般的なサイトマップの両方を持つことはできますか?
Gary:ヘレンからの質問ですが、同じサイトで、ニュース用のサイトマップと一般的なサイトマップの両方を記述しても問題ないでしょうか? ニュースのサイトマップと一般的なサイトマップが同じURLを含んでいる場合、何か問題がありますか?とのことです。
sitemaps.orgで定義されている、以前からWeb用のサイトマップを1つだけ持ち、必要なURLに対してニュース専用タグを追加することができます。ただ、30日以上前のURLからはニュース専用タグを削除する必要がありますのでご注意ください。ですので、通常、ニュース用とWeb用のサイトマップを別々に作成する方が簡単です。URLが古くなりすぎたら、ニュース用のサイトマップから完全に削除すればいいだけですから。両方のサイトマップにURLを含めることはあまり良いことではありませんが、とはいえ特に何の問題も発生しません。
 

無関係な検索流入についてどう対処すれば良いですか?
John:ジェシカからの質問です。Google検索結果の下部の関連ワードのサジェストに、ジェシカたちのWebサイトとは関係のないトピックが1つあるとのことです。そのトピックワードの検索結果を見てみると、ジェシカたちのWebサイトは表示されませんでした、とのことです。
ちょっと正確な意味が分かりませんが、検索で表示されるものが期待したものと違う、あるいは検索結果ページの要素の1つに何か問題があると感じているようですね。このような場合のために、検索結果ページ全体と、個々の機能についてのフィードバックリンクを下部に用意しています。そこからご意見をお寄せいただくと、該当するチームにフィードバック内容が送られます。とはいえ、チームの彼らは、検索者全員のための長期的なシステム改善方法を追及する傾向にあります。ですので、これはあくまでも、機能全体に対するフィードバックであり、チーム員があなたのサイトを目視し、なぜこのページが表示されないのかを明らかにしようとするものではありません。
 

なぜ私のサイトのmeta descriptionは表示されないのですか?
Lizzi:クレアからの質問です。Squarespace(デザイン性の高いテンプレートを提供し、簡単にサイト制作できるCMS)で作るサイトにサイト説明文を入力する箇所があるのですが、Googleで表示されるスニペットと異なっています。インデックス再送信もしました。どうすれば変更できますか?とのことです。
ここで留意すべきことは、Googleが特定のページに書いた特定のmeta descriptionを使用するとは保証していないということです。実際にスニペットは自動生成され、ユーザーが検索した内容に基づいて該当箇所が変化することがあります。ページ内の違う箇所のほうが、特定の検索クエリに対してより適切である場合もあります。Googleがページ全体から取得できる情報よりも、サイトオーナーが書いたmeta descriptionの方がより正確にページを表現している場合、Googleはそのdescrioptionを説明文として使用する可能性が高くなります。meta descriptionの記述方法については、ベストプラクティスをドキュメントとしてご紹介していますので、そちらをご確認ください。
 

中古ドメインのスパムスコアを改善するにはどうしたらいいですか?
John:モハメドからの質問です。このドメインを購入したのですが、BANされたりスパムスコアがついていることが後から分かりました。この場合どうしたら良いでしょうか?とのことです。
他の多くの事柄と同様、ドメイン名に投資する場合は事前に調査・審査を行うか、専門家の助けを得ることが非常に重要です。ドメイン名を再利用するケースは多いのですが、時には最初に整理しなければならない余分な業務が付いて回ることがあります。これは、Googleがやってくれることではありません。とはいえ、今確認してみたところ、あなたのWebサイトは全く読み込めませんでした。おそらく最も重要な問題は、表示に関する技術的なものではないでしょうか。
 

ポルノサイトからのスパムリンクはランキングに不利になりますか?
Lizzi:Google Search Consoleのリンクツールを使って、過去1ヶ月間でポルノサイトからのリンクスパムをたくさん見かけました。私たちにとってこれは非常に迷惑です。これはランキングに悪影響を及ぼすのでしょうか?とのことです。
これは、Googleシステムがリンクがスパムかどうかを判断するのが上手になってきているので、あまり課題として考える必要はありません。しかし、心配な場合や手動アクションを受けた場合は、Search Consoleのリンク否認ツールを使用することができます。スパムリンクのリストを作成し、ツールにアップロードする必要があります。この方法の詳細な手順については、Search Consoleでリンク否認ツールのドキュメントをご確認ください。
 

Googleはキーワードの含有率を評価しますか?
John:Googleはコンテンツのキーワード密度を考慮するのでしょうか?とのことです。
いいえ、Googleは最適なキーワード含有率という概念を持っていません。長年にわたりGoogleのシステムは、キーワードがまったく記載されていなくても、そのページが何について書かれているかを認識することができるようになってきています。とはいえ、明確にすることに越したことはありません。検索エンジンが、あなたのページが何についてのもので、どのようなクエリに対して表示されるべきかを汲んでくれるだろうと頼ってはいけません。もし、サイト内に「その場所に輝きを与えます」とだけ書いて美しい家をいくつか見せたところで、検索者も検索エンジンも、あなたが何のサービスを提供しようとしているのか分からないでしょう。もし、あなたの仕事が住宅塗装サービスなのであれば、そのように表現すれば良いわけです。塗料の販売ビジネスなら、そう書けば良いのです。ユーザーが何を求めて検索しているのかを考え、同じ用語を使いましょう。そうすることで、あなたのページは見つかりやすくなり、また検索者も自分の求めているものを見つけられたと認識しやすくなります。キーワードの密度は重要ではありませんが、明確であることは重要です。古いSEOの都市伝説、作り話、冗談、コメントなどにあるような考え得るキーワードをひたすら詰め込む、みたいなマネをする必要はありません。
 

タイトルとmeta descriptionが混在しているのはなぜですか?
Lizzi:マイケルからの質問です。もし、あるページのmeta descriptionが、カスタムディスクリプションやページのスニペットではなく、タイトルタグと全く同じ文章で表示されていたらどうすれば良いのでしょうか?とのことです。
私なら、まずHTMLが有効であること、そしてURL検査ツールでレンダリングされる方法に問題がないことを確認します。もっと詳しい状況を見ないとこれ以上アドバイスするのは難しいので、Search Central forumsに、そのページと表示されている検索結果の例を投稿してみてはいかがでしょう。そのページと検索結果の例を投稿していただければ、そのフォーラムのスタッフが問題解決のための具体的なアドバイスをします。
 

ステージングサブドメインを削除するには?
Gary:匿名の質問です。サブドメインにステージングサイトがあるのですが、残念ながらインデックスされてしまいました。どうすれば検索結果から削除できますか?とのことです。
まあ、こういうことはよくあることで心配するようなことではありません。まず、ステージングサイトが実際に404または410のステータスコードを返していることを確認し、Googlebotがそのサイトに関する記録を更新できるようにします。そして、ステージングサイトが検索に表示されるのが気になる場合は、Search Consoleでサイト削除リクエストを送信します。ただし、最初にSearch Consoleにステージングサイトがあることを確認・登録する必要があります。
 

リンクの否認でサイトの順位は上がるのか?
John:ジミーからの質問です。私のサイトにリンクしているスパムリンクを否認すれば、アルゴリズムによるペナルティから回復できるでしょうか?とのことです。
私ならまず、あなたのサイトに本当にスパムリンクが貼られているのかどうか確認すると思います。不明瞭で奇妙なリンクがされることはよくあることで、Googleはそれをたいてい無視しています。一方で、あなたが積極的に致命的なスパムリンクを自分で貼っているのであれば、それらを取り除くことは意味があるでしょう。リンク元を削除できない場合は、否認ツールが役に立ちます。しかし、だからといって以前の順位に戻るわけではなく、アルゴリズムがあなたのサイトを再び信頼できると認識するのに役立つ程度で、そこから改めて順位向上するチャンスが与えられると考えてください。この方法は、サイトが再び上位表示されるようになる魔法の手段ではありません。最初からそうなのですが、地道にコツコツ努力しなければならないのです。
 

サイトの移転はどのようにすればよいのでしょうか?
Gary:クララからの質問です。商品とサイトはほとんどそのままで、会社の名前が新しくなるだけなのですが、どうしたら良いでしょうか? この新しい社名によってURLが変更されます。旧名称のクレジットも維持するにはどうしたら良いでしょうか?とのことです。
いい質問ですね。そしてこれもサイト移転の質問です。サイト移転は、いつだってワクワクドキドキな作業です。最も重要なのは、旧URLが新URLにリダイレクトされているかどうかです。とにかくこれが一番大事なことです。新しいドメインを取得したら、Search Consoleでサイト所有者を確認します。セキュリティ項目やその他のレポートで赤いフラグが表示されていないかご確認ください。そしてリダイレクトが完了したら、Search Consoleでサイト移転のリクエストも送信します。サイト移転は本当に大掛かりな作業ということもあり、サイト移転に関する詳細ドキュメントがあります。お好きな検索エンジンで「Google サイト移転」などと検索して、ぜひご覧いただき、ご準備ください。
 

私のサイトがGoogleで表示されないのはなぜですか?
John:ロブからの質問です。私のサイトがGoogleの検索に表示されず、インデックスされないのです、とのことです。
ロブがURLを教えてくれたので、ちょっと確認してみたところ、サイトが404のステータスコードを返していました。原則、Googleにとってこのページは全く存在していない扱いを受けています。もう少し調べてみたところ、全てのGooglebotのユーザーエージェントには404のステータスコードが返されていますが、訪問する人には普通に見ることができるようです。Chromeのデベロッパーツールにあるユーザーエージェントスイッチャーを使ってテストできますのでお試しください。これは、どちらかというとサーバー側の設定ミスのようなので、解決するにはホスティングプロバイダに依頼する必要があるかもしれません。Googleはページのインデックスを続けているため、解決されれば1週間ほどで検索結果に表示されるようになるはずです。

引用)Google SEO Office Hours|Search Centralより和訳

 

どれも基本的な内容で、大した内容はありませんでした。でも、こういった初心者向けの内容が多いのもオフィスアワーの特徴ですし、常に新しいサイト運用者は生まれますので、以前と同じような質問でも繰り返すことが必要なのだと思います。

ちなみに、ステージング状態にあるサブドメインに関する質問について、私から補足です。Garyはステータスコードの404か410を返すよう回答していましたが、まだ使用しているステージングURLの場合はそうはいかないと思います。ですので、その場合はnoindex扱いにするか、401でベーシック認証にするか、403で立ち入り禁止にするかになると思います。そしてsite:検索で対象ページが表示されなくなったら、robots.txtでdisallow設定すれば良いのです。そうすれば、今後もステージングで使用する際に不具合が出ないで済むと思いますので。ちなみに、すっかりインデックスがなくなってからdisallow設定しないと、ずっとインデックス状態になってしまうので注意しましょう。

スパムリンクについて

今回ご紹介した質問に関して、いくつかスパムリンクについて触れられていましたので、私からも一言添えておきたいと思います。

Googleはスパム(リンク)システムとそのアップデートによって、不自然なリンクに関しては無評価するようになっています。有料リンクやシンジケート型リンク、その他リンクプログラムに参加していることが分かれば手動対応(≒ペナルティ)を受けると思いますが、その確証がない中での不自然なリンクは無視するはずです。そうでないと、ネガティブSEO(競合他社にわざと変なリンクを貼られて検索順位を落とされる)が横行してしまうわけですから。ですので、身に覚えがない不自然なリンクがあってもあまり気にしなくて良いと思います。それよりも、良いリンクを受けるためのコンテンツ品質向上に注力したほうが、はるかに生産性が高いです。

サイト立ち上げ当初は被リンクも少なく、変なリンクが貼られていると気になってしまうものですが、最初の1年は気にせずガンガン優良コンテンツ生成に勤しみましょう。

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