色々とバタバタしていてGoogle I/Oの情報までさえも辿り着けていませんが、少しずつ情報を棚卸していきます。
というわけで、先日(5/14)に𝕏で「私のサイトの95%がインデックスから削除されました。手動対応(≒ペナルティ)における確認と再審査リクエストができないののはなぜですか? そもそもインデックス削除されるほどスパムと思われているサイトは再審査リクエストをするに値するものなのでしょうか?」とポストされた内容に対して、Googleからリプライという形で回答された内容をご紹介したいと思います。要は「インデックス削除されることや大幅な順位低下は手動対応(≒ペナルティ)とは限らない」という話です。
Googleからのポスト内容
Googleは、あるサイトにおけるインデックスの大幅な削除についての状況に対し、2つのアプローチ方法からの理屈を紹介してくれています。ちなみにこの私のブログでは分かりやすく“ペナルティ”と記載していますが、正確には“手動対応(Manual Action)”とGoogleは記述しており、ペナルティという言葉は使ったことがありません。ですので、ここでも以下より“手動対応”と記載しますが、俗にいうペナルティだと解釈ください。
Two different things. A site could have an algorithmic spam action. A site could be not ranking well because other systems that *are not about spam* just don't see it as helpful.
I've looked at many sites where people have complained about losing rankings and decide they have a…
— Google SearchLiaison (@searchliaison) May 13, 2024
ランキングが下がったと不満を言うサイトオーナーを数多く見てきましたが、アルゴリズムによるスパム対策が自分に対して行われていると判断する人も数多くいらっしゃいます。しかし、実際にはそうではありません。だからこそ、Search Consoleで極力多くの情報を共有するという方法を取っていますし、推奨しています。Search Consoleにアクセスすれば、アルゴリズムによる対策が行われている場合でも、手動対応が行われた場合と同じように通知が表示されるようになるかもしれません。先週、検索チームの何人かとこの件について話し合ったばかりですが、この方法は再検討予定です。
これは別に新しい考えではありません。ただし、2つの重要な点で対応することが難しい状況です。まず、非常にひどいスパム行為を行うサイトがあります。それは自分ではないと自信をもって言える人は――おっしゃる通り、おそらくスパム行為を意図してやっているわけではありません。スパム行為のあるサイトは、それを自分でも分かっているはずです。そして、アルゴリズムがスパム行為とみなしたことを本人に通知すれば、今度は彼らはその裏をかくようにして、検索者や他のサイトにとって良くない方法で欺こうとするでしょう。2番目に、アルゴリズムによってランキング低下したものを“手動で”解除する方法はないからです。これはアルゴリズムによる対応です。特定のサイトに焦点を当てているわけではありません。サイトのリストが追加されているわけではありません。自動的にパターンを理解して「このコンテンツ全体に渡り、これらのパターンが見られるため、一般的にここにはスパムがあると推察します」と判断します。従って、人間がサイトにアクセスして何らかの方法で“削除”しているわけではありません(わかりますか)。実際に手動対応が行われたものであれば、それは特定のサイトに対して意図して行われたため、解除することが可能です。
そして…手動対応なら再審査を申請して手動対応を解除してもらえるという考え方には大いに共感しています。しかし、アルゴリズムによる場合は、知らないだけでなく、たとえ知っていたとしても、誰かに相談することすらできないという状況です。私が考えていることのひとつとして、取り急ぎメールのように通知を受け取った人が「スパム行為ではありません」と回答できるような方法がないかということです。そして、恐らくそれらのレポートをまとめて使用することで、自動化されたスパムシステム全体をより良く改善することができるでしょう。もちろん、問題は、故意にスパム行為をしている人でも同じように「スパム講師をしていません」と言えてしまうことです。ですので、役立つシステムをどのように考え出すかについて、少し考察する必要があります。これは、私が社内の人々ともっと話し合いたいと思っていることの一部です。
スパム対策の話を終える前に、「だったら、手動対応されていればもっと簡単だろうに」などと考えてほしくはありません。自分のサイトがスパム分析担当者の目に留まるのは望ましくありません。まず、手動対応は即座に処理されるわけではありません。次に、サイトを改善したと言ってきても、実際には改善が見られない場合、サイトの今後の動向について私たちが把握するだけで終わります。
スパムから離れた話をしますと、Googleは個々のコンテンツやサイトがどれだけ有益で、有用で、信頼できるかを判断するための様々なランキングシステムを持っています(そして、私が以前に何度も言ったように、それらは完璧ではありません。「全然ダメじゃん」と言われる前に言っておきます)。システムによって下落影響を受けていると思う人もいるかもしれません。私もSearch Consoleで多くのデータを見てきましたが…実際には下落していないサイトも多くあります。ランキングが非常に良いものだってあります。しかし、トラフィックの減少が顕著になるほど、順位が少し下がっています。下落した当事者は何か抜本的な問題を抱えているのでは、と思いがちですが、実際にはそうとは限りません。トラフィックの減少に関する検証ページに本件に関するセクションを追加しました:
https://developers.google.com/search/docs/monitor-debug/debugging-search-traffic-drops#small
しかし、明らかに大きな順位下落があったものもあります。私が議論しているもうひとつのこと(私だけではありませんが)は、Search Consoleでこれらの指標の一部を表示できるようにもっと何かできないかということです。これは、スパムについて私が言ったこと、システムを操作させたくないこと、そして「自動システムが判断するより、実際に判断したほうが有用なので、順位を上げよう!」等というボタンなんてないこと等、全て一律で難しい対応なのです。とはいえ、もっと多くの情報を共有し、あらゆる人に役立つ方法で、より良い推奨事項と組み合わせることで、クリエイター側の役に立つ方法を見つけることができるかもしれません。
長くなりましたが、これで終わりにします。私は過去数ヶ月間のフィードバックに目を通し、サイトを深く検証し、考えをまとめ、社員達と何度も話し合うことに膨大な時間を費やしてきました。“小さい”でも“単独”でも呼び方は何でも良いですが、熱心に素晴らしいコンテンツを生み出しているサイトがいくつかあることは重々承知しています。一方で、私たちのシステムはそれを充分に認識できていません (Googleのシステムが認識している非常に低品質コンテンツもたくさんあります。また、上位表示している素晴らしいコンテンツもあります。しかし、素晴らしいコンテンツで上位表示しているサイトオーナーは、SNSを使って自慢したりしない傾向があります)。私が言及した、Googleが上手く検知できていない素晴らしいコンテンツを、もっとうまく評価できるようにしたいと思っています。他の人には有益に感じていても、おそらく役に立たないコンテンツの評価を下げるもっと良い方法は?より良い案内のしかたは?よりより通知方法は?そんないくつかのことを試してみようと考えています。
とはいえ一夜にして全て行うことはできませんし、だからといって自分とりで行うこともできませんし、それが私の主要業務でもありません。私は他のチームと協力し、提案、奨励、推奨を行うことはしますが、他のチームもまた自分たちの業務があります。また、様々な調整やその他のバランスを取る必要もあります。しかし、私が(これまでもこれからも)できるのは、皆様からのフィードバックを受け取り、それを様々なチームに伝えることで、全面的に役立つと思われる方法で提唱や推奨を行うことです。
引用)@searchliaisonより和訳
とりあえず言えることは、Googleも葛藤を抱えているということですね。
順位低下やインデックスの大幅な削除の背景には手動対応と自動的なアルゴリズムによるだけのものがあり、自動的なアルゴリズムによるだけのものの場合は、特別な対応方法は無いとのことです。そりゃそうですよね、結局コンテンツが低品質と思われたので(そしてそんなコンテンツページが大量にあると思われたので)インデックスから削除されただけですし、であれば自分でコンテンツを高品質にしていくしか無いはずです。
Googleとしてもスパム行為をしているつもりが無い人と意図してスパム行為をしている人とで使い分けてアプローチできれば良いと考えていますが、スパム行為者に、意図してやっていないと言われたらそれまでですし、良いやり方が見つかっていないようです。
もちろんGoogleのコンテンツ評価が充分でないことは自他共に認めているわけであり、そのためのアップデートなわけで。まぁ、話は逸れちゃってますが、最初の質問に対しての回答としては「Googleのランキングシステムがスパム行為を意図して行っていなくても低品質コンテンツだと自動で識別して順位下落したので、1ページ1ページをしっかりコンテンツ形成し直して、高品質にしていってください。特別な申請方法やインデックス削除の解除方法があるわけではありません」ということだと思います。
現在もなお揺れている?
コアアップデート後もインデックス削除や順位の大幅な下落サイトはあるようで、まだまだ揺れが続いているようです。「コアアップデートが終わったのに何で?」と思う人もいるようですが、別にコアアップデートがまだ続いているとしても、新しいランキングシステムのアップデートが入ったとしても、通常の変動内であったとしても、やることは一緒じゃないですかね?
アップデート前やアップデート後だからコンテンツを良くするの?Googleの評価を見ながらコンテンツを見直して改善するの?
いやいや、常に今見てくれているユーザーのために改善するものでしょう。これは綺麗事ではなく真理です。