• Googleが都市伝説に警鐘

Googleが都市伝説に警鐘

コアアップデートによる影響でGoogleランキングは現在も世界中で変動を続けています。そんな中、ある人のSEOに関する悩みに寄り添ったLily Ray氏の𝕏でのポストを踏まえ、Googleが改めて現在、巷で言われていることを公式に否定するポストをしていますのでご紹介したいと思います。

巷で言われていたことって?

そもそものLily Ray氏のコアアップデートを受けた考察において以下のような検証と仮説があったようです(Ray氏はGoogleの社員ではなく外部のSEO研究者であることと、Ray氏のポスト内容におけるニュアンスを私が加味できないこと、を踏まえて無機質にご確認ください)。

Ray氏の考察

  • 今回のコアアップデートで大きく変動している業界(クエリ群)がある(「ペット」関連)。
  • その業界の中で特に大幅な順位上昇が見受けられた2サイトがある
  • その2サイトはただ記事を掲載しているのではなく、EC機能もある
  • サイトにEC機能を追加すれば、ただのアフィリエイトやレビューサイト以上のことを行っているサイトであるとGoogleに示せるのではないか

 

つまり、ただのアフィリエイト目的サイトや客観的視点サイトではなく、独自で機能を持っていることをGoogleに理解させることができれば高評価に繋がるのではないか、という仮説とも解釈できる内容であり、SEO界隈では著名なRay氏の発言ということもあって、巷で話題になりました。もっと端的に言えば、“EC機能を付ければ評価が上がる”と解釈もできてしまいますよね。

Googleからのポスト

そんな中、Google(@searchliaison)がRay氏のポストにリプライする形で以下のように発言しました。

“Googleに示す”という理由でEC機能を追加することはお勧めしません。これは“Googleに示す”ためのものということ全てにおいて同じことが言えます。ユーザーにとって意味のあることをするようにお考えください。優れたサイトであることを“Googleに示す”のは、ユーザーにとって優れたサイトである必要があるからです。Googleのためだけを考えて追加しないでください。ちなみにLily、これはあなただけに向けて、否定的な意味で言っているわけではありません。これは数多くの人が当然のように考えがちな単なる短絡的な一般的な考え方です。

Googleのためだけにやっていると、ランキングシステムの評価に先んじることができず、むしろ後れを取ってしまうことになります。こちらに記載しています: https://twitter.com/searchliaison/status/1725275245571940728

“Googleに示す”とするのはやめましょう。私は今まで非常に多くのサイトを閲覧してきました(フィードバックに感謝)が、パターンは次のようなものが多いです。

  • “専門家”がコンテンツ監修したと記載するのは、誰かがそうすると検索順位が上がると言い、それを信じている人がいるから。
  • 不可解な目次が上部に表示されるようになったのは、どこかのタイミングで誰かがそうすると検索順位が上がると言い、それを信じている人がいるから。
  • 特段コンテンツが新しくなっていないにも関わらずページ更新が頻繁にされていると、それだけで更新性を“Googleに示す”ことができ、検索順位が上がると誰かが言い、ちょっとした変更だけでも新鮮で評価が高いと思われている。
  • ページ内に“こちらよくある質問です”と追記し、検索回数が多いテーマも盛り込む方法。これは検索順位を向上させると思われています。ページに訪問するユーザーが望んでいるのではなく、作成者が順位向上を望んでいるだけです。
  • ページの真ん中に色々情報が詰め込まれていて、主要コンテンツを読むのが大変なページがあります。これは“Googleに示す”以前に、単に読者体験として良くないです。

 

以上です。今回のアップデート後でも、大手サイトだろうが小サイトだろうが、そういった手法を使っている上位ページはたくさん見つかるでしょう。先ほどもお話したように、検索ランキングシステムは完璧ではないので、引き続き改善に努めていきます:参考 https://twitter.com/searchliaison/status/1725275270943293459

そして、Googleが望んでいることはユーザーが望んでいることである、ということを理解できるように、ガイダンスの改善も本気で考えています。私は、この改善に向けて全く新しいヘルプページを作成するようGoogleに求めています。ちなみに現在の草案の一部には次のようなことが書かれています:

「Google検索で成功するための最も重要な鍵は“Googleが望んでいる”と聞いたようなコンテンツではなく、ユーザーを喜ばせることを目的としたコンテンツを用意することです。たとえば、“Googleはより長いコンテンツを望んでいる”という話をどこかで聞いたことがあるせいで、読者の役に立たないほど長いコンテンツを書いてしまう人もいます。
Googleが望んでいるのは、ユーザーが好むコンテンツ、つまり読者や訪問者が有益で満足できると感じるコンテンツです。これはGoogleの成功の基礎となります。 Google向けのコンテンツ作成に関して疑問がある場合は、この原理原則に立ち返ってみてください。“このコンテンツはユーザーが喜ぶか”を自問し、そ思うならそうしましょう。それがGoogleの望むことです。」

以上が希望的観測です。私は @googlesearchc ではありませんし、クリエイターが抱える問題に取り組んでいるわけでもありません。ですので、どのようなページが良いか悪いか、どんなページが評価されるかなどについては保証できません。私の主な役割は、検索品質に関するフィードバックを検索品質チームに伝え、それを還元することです。皆様が共有してきたフィードバックの多くは、私が対応しています。でも“じゃあ大手サイトはどうなんだ?”という指摘もあり、その通りであると反省もしています。本当に質の高いコンテンツ作りに取り組んでいる大手サイトも見受けられますが、それが必ずしも報われるわけではないないこともGoogleの反省点であると理解しています。どうか、今後も質の高いコンテンツを提供し続けてください。質の高いユーザー体験を提供しているサイトこそが成功してほしいと、私も願っています。

そして、どうかお願いです。検索上位を狙うのであれば、“Googleに示そう”とあれこれ対策するよりも、ユーザーに満足していただけるような素晴らしい体験を提供することに注力してください。そうすれば、自然とGoogleのランキングシステムにも評価されるようになるでしょう。

引用)@searchliaisonより和訳

 

そして、このポストには@searchliaisonからさらにリプライが付いており、Lily氏を擁護しています。Lily氏はそもそも“Googleに示す”という戦略をする人ではなく、ユーザー体験に焦点を絞ることをずっと推奨している人であるとのことです。ですので、今回急にLily氏がEC機能をGoogleに示すということを推奨しているとは解釈していない、とのことでした。まぁ、単純にLily氏が検索評価とEC機能の相関性をポストしただけで、それをさも因果関係があると誤解をする人が出てくるかもしれない、というGoogle側の懸念から生じたリプだったのではないかと思われます。

ついでに都市伝説を否定

ちなみにGoogle側のこのポストの中で例に挙がっている話にも触れ、そこに私の解釈を付加してご紹介します。

  • 実際に見ていない監修者を著名人にするより、コンテンツそのものの専門性を磨け
  • なんでもかんでも目次を付ければ検索上位になるわけではない
  • コンテンツもまともに強化・更新されていないのに無駄に更新するな
  • 検索回数の多い情報を“よくある質問”とい称して掲載してもそれがユーザーに意味なければ無駄

まぁ、当然の話ですね。

カテゴリー

新着記事

人気記事

過去記事