• ドアウェイページのガイドライン更新

ドアウェイページのガイドライン更新

Googleのウェブマスター向け公式ブログで誘導ページ(ドアウェイページ)における品質ガイドラインを更新したという発表がありましたので、ここでも改めてご紹介します(「誘導ページはガイドライン違反です」も併せて参照)。

ドアウェイ

そもそもドアウェイページって?

Googleの定義を私なりに要約しますと、施策キーワードでの検索上位を目的として不当に作成されたサイトまたはページのことです。要は、エリア別にサイトを複数運営している(不動産系にありがちな)サイトだったり、いかにも(施策キーワードを含有しまくった)な内部リンクアンカーテキストでサイト内をどんどん回遊させるような質の低いページ群を持つサイトだったり、単語を一部書き換えただけの自動生成されたようなページ群を紹介しまくるサイトだったりのことですね。アダルトサイトやシステムで吐き出したようなアフィリエイトサイトでたまに見かけます。

気を付けるべきポイント

「いやいや、そんなことしてないよ」という方も多いでしょう。しかしながら、気を付けなければならないのは“そんなつもりは無かったのにドアウェイページ扱いにされること”です。これを自己判断するには“良心を持って客観的に自分のサイトを見直す”という心構えが必要なのですが、どうしても贔屓目に見てしまい、なかなか客観的に自分のサイトを見直せない方が多いようです。なので、私のような第3者の存在があるのですが(笑)。

ページ制作が面倒臭くなって、どこかで「こんなもんでいいだろ」ってなっていませんか?その時点で大体アウトです。でもGoogleは親切なので、今回さらに定義を補完しました。以下の内容です。

  • 検索エンジン用に最適化することでサイト内の有用なコンテンツや関連性の高いコンテンツにユーザーを案内することを目的としているか。そうである場合、そのページがサイトのユーザーエクスペリエンスに不可欠か。
  • ページのコンテンツが極めて具体的であるにもかかわらず、一般的なキーワードで検索結果の上位に表示されることを目的としていないか。
  • 検索トラフィックを増やすことを目的に、そのページにサイト上の既存の項目(場所や商品など)をまとめたコンテンツを繰り返して掲載していないか。
  • コンテンツや機能において独自の価値はなく、単にお金儲けのためにユーザーを別のページに誘導することのみを目的に作成されたページではないか。
  • ページが「孤立」して存在していないか。サイト内の他の場所からそのページへの移動が困難または不可能ではないか。検索エンジンのためだけに、サイト内の他のページやサイトのネットワークからそのページへのリンクを作成していないか。

 
私がたまに発見するサイトで「これ、大丈夫かな?」と思うサイトは、ページのフッターに「東京都の賃貸」「神奈川の賃貸」「千葉の賃貸」「埼玉の賃貸」のようなアンカーテキストで、都道府県単位の各賃貸ページへ内部リンクし、そのページに行くと該当エリアの情報もなく、ひたすら該当エリアで絞った(動的なURL)の物件一覧が出現する場合ですね。UX(ユーザーエクスペリエンス)を損なっているかどうかが分からないので「大丈夫かな?」という解釈になっているのですが、求人サイトやECサイトでもこういった現象は起きると思います。

そして、こういうことを指摘すると大抵「え?そういうものじゃないんですか?」なんて返答を受けるばかりか「ここの(競合)サイトも同じことをやってますけど」と反論されたりもします。これ、同業者の方でしたら”あるある”話だと思います(笑)。

視点を変える

こういったケースに陥るパターンとして、そもそものSEOの考え方に問題があると思います。そこで、SEOアプローチ思考としてダメな例と理由をご紹介します。

キーワードの含有率を気にする

何年も前に都市伝説化したSEO施策として「施策キーワードはサイト全体の4.5%を占めると良い」「いやいや4.0%だ」等という馬鹿げた話がありました。未だにそのやり方を考えてキーワードの含有率を考えるあまり、内部リンクアンカーテキストに無駄にキーワードを含めたり、titleタグや見出しタグに含めたり、テキスト内にいちいち馬鹿丁寧にキーワードから説明したり…そんなことをやっていると、上記ガイドラインに違反したりしてしまいます。そのやり方を「いやいや、ユーザーには親切でしょ」と本気で考えている場合は、別の方にそのサイトを見てもらって確認すると良いでしょう。

ページ数を気にする

「ページ数がある程度ないといけない」「そうだ、こうやって単語を変えてページを自動生成すれば良いんだ」「サイト内検索キーワードを動的にカテゴリ化してページ生成していこう」という考え方がアウトです。にわか知識の個人アフィリエイターに陥りがちなアプローチ方法です。テーマ性の高いページ(数)を気にするところまでは良いことなのですが、結果として”楽してページ数を増やす“という行動に出てしまうと上記のガイドライン違反になります。そのページがどれくらいの時間をかけてどのくらい一生懸命作ったかによって結果が変わるなんて…やっぱりSEOは愛情ですよね(笑)。

ベニスアップデートを気にする

ベニスアップデートに伴って様々なエリアで検索上位したいという思いから、日本の都道府県市区町村単位でバンバン一部を書き換えただけのページを作る。これも結果としてアウトになりますよね。都道府県市区町村単位のページを作ることは良いことです。でも、単語を変えるだけで後は動的な案件の紹介だけだとしたら…Googleはドアウェイページという解釈になってしかるべきだと思われます。該当する都道府県市区町村におけるオリジナルコンテンツがどのくらいあるか、案件軸だけではなく見直すことをオススメします。

背伸びした施策キーワードで検索上位を目指す

そもそもその施策キーワードで検索上位になるサイト内容ではないにも関わらず、施策キーワードとして選定してしまったあまり、不当にキーワードを含有したドアウェイページが増加する、というケースも考えられます。施策キーワードに対するサイト構造は散々「検索クエリの種類とサイト設計」等でもご紹介していますが、しっかりと3Cとなる自社サービス(Company)、検索市場における競合(Competitor)、ユーザーの検索ニーズ(Customer)を見据えた上で、情報設計しなければなりません。自社サービスのチラシでしかないのに、情報収集型クエリ且つビッグワードで施策しようなんて考えると、”ページ追加のドアウェイページ生成”になっちゃったりするものです。そもそも自分のサイト構造に合致した施策キーワードを選定するか、施策キーワードからサイト構造を見直すかする必要があるわけです。

おわりに

いかがでしたでしょうか?パンダアップデートの陰に隠れて意外と意識していなかったドアウェイページかもしれません。また、パンダアップデートに伴う懸念回避が結果的にドアウェイページ回避にも繋がっていたことから、忘れていた方もいるでしょう。しかしながら、私がサイト制作をする際に気を付けていることはこのドアウェイページ扱いであり、意図せず結果的にドアウェイページに抵触することです。

ドアウェイページがひどい場合は手動対応(ペナルティ)にも繋がりますが、たとえ手動対応を受けなくても多角的に低評価にはなりますので是非お気を付けください。

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