2023年12月に米国現地(英語圏)で実施されたEnglish Google SEO Office Hoursについて、フォローアップ記事が出ました。2023年9月以降3ヶ月ぶりのSEO Office Hoursです。というわけで、毎度のように和訳してご紹介します。今月は溜まっていたせいか、対応した質問が多いです。全部で31個質問がございます。ですのでこのブログでは3回に分け、第1弾は最初の12個をご紹介します。今年のブログ記事はこのネタで終わりそうです(第2弾までは年内の公開、第3弾は年明け公開を予定しています)。
質問と回答
2023年12月のGoogleSEOオフィスアワーの議事録を和訳しています。毎度のことながら内容に関して何かあればGoogle Search Centralのヘルプコミュニティへ質問しましょう。今回ご紹介するのは、全31質問のうちの12個です。今回はめちゃくちゃ良い情報やTipsが詰まっていますので必見です。
1.iframeを使用している場合、iframeのコンテンツをインデックスするにはどうすれば良いですか?
John:iframeのコンテンツが元のページではなく、iframeを使用しているページに関連付けられるようにするために必要なmetaタグはありますか?
素晴らしい質問ですね! 主要ページがiframe要素でサブページを埋め込んでいるとします。一般的に、私たちのシステムはサブページのコンテンツを主要ページの一部としてインデックスに関連付けようとしますが、どちらのページもそれ自体が通常のHTMLページであるため、それは必ずできるとは限りません。サブページが主要ページの一部としてのみインデックスされるようにしたい場合は、サブページにnoindex + indexifembedded robots metaタグの組み合わせを使用することができます。一方、サブページが主要ページの一部としてインデックスされることがないようにしたい場合は、HTTPヘッダーに適切なx-frame-optionsを使用して、iframe要素による埋め込みを防ぐことができます。
2.階層構造とフラット構造のどちらが良いですか?
Gary:Idoからの質問です。「私のWebサイトでは、階層構造とフラット構造のどちらのカテゴリ構造が良いのでしょうか?」
これはサイトの規模によると思います。階層構造であれば、1つのセクションだけで独立した展開ができますし、特にクロールの際に検索エンジンが特定のセクションだけを異なるように扱う可能性もあります。例えば、/news/セクションをニュースのようなコンテンツ用に、/archives/セクションを古いコンテンツ用に確保すれば、検索エンジンは/news/を他のディレクトリよりも速くクロールするようになるでしょう。すべてを1つのディレクトリに置くと、そういったことはほぼ不可能です。
3.JavaScriptでGooglebotにリンクを検索させないようにするには?
Martin:Mateuszからの質問です。「JSONやJavaScriptの選択された<script>タグ内のリンクを検索しないようにGooglebotに指示する方法をお聞きしたいです。」
Mateuszさん、robots.txtファイルで、クロールされたくないURLのクロールを禁止するようご検討ください。そうすれば、GooglebotはJavaScriptファイルへのリクエストを行わず、コンテンツは表示されないので、後でクロールの対象となるURLは表示されません。
4.Core MVCでサイトを構築し、HTTPSに移行したのですが、なぜインデックスされないのでしょうか?
John:Panosからの質問です。「Core MVCで新しいサイトを構築し、HTTPSに移行したのですが、新しいページのインデックスに問題があります。」
Panosさん、こんにちは。あなたのサイトがどのようにインデックスされているか見てみました。あなたのサイトはwww無しでインデックスされているようなので、www有りでサイトを完全一致で探しても見つからないはずです。site:domain.comのようにドメインだけを探せば、インデックスされていることが分かるでしょう。
5.非英語ページのURLの推奨は?
Gary:Kaiからの質問です。「英語以外の言語のページURLの推奨はありますか?スラッグに英語を入れたほうが良いのか、それとも漢字を使ったほうが良いのでしょうか?」
どちらでも良いのですが、コンテンツの言語をURLにも使用することは、Google検索やユーザーにとって役に立つことがあります。
6.<meta name=”prerender-status-code” content=”404″>というコードは、Googlebotに対して何をするのですか?
Martin:Martinからの質問です。「<meta name=”prerender-status-code” content=”404″>を見つけたとき、Googlebotは何をしますか?」
Martin、言うが易しですが、Googlebotは現在そのステータスコードを無視します。これは、クライアントサイドでレンダリングされるページ単体のアプリケーションで、ソフト404エラーを避けたいのだと思いますが、その場合は<meta name=”robots” content=”noindex”>を追加するか、サーバーが404ステータスコードで応答するページにリダイレクトすることを検討してください。詳しくはdevelopers.google.com/searchのドキュメントをご覧ください。
7.新しいUI/UXでは、すべてを一度に変更する方が良いのでしょうか?
John:Anjaneyからの質問です。「UI/UXの改善と新しいページを含む、私の会社の新しいWebサイトデザインを立ち上げる準備をしています。ページデザインを1つずつ変更する方が良いでしょうか?」
Webサイトを新しいサーバーに移行するだけで、他はすべて同じというものから、ドメイン名やコンテンツもすべて変更するというものまで、Webサイトのリニューアルには実に様々な手法があります。まず、Webサイトで何が変わるのかを明確にしておきましょう。理想的には、文書内のすべての変更をドキュメントにマップ化し、どの変更がSEOに影響する可能性があるか注釈を付けておくと良いでしょう。URLを変更するのであれば、Googleのドキュメントにサイト移転の処理に関する素晴らしいガイダンスがあります。コンテンツやUIを変更する場合は、もちろんSEOにも影響します。適切な準備なしに大きなリニューアルや移行を行うと、SEOの面で台無しになりやすいため、効果に不安がある場合は、経験豊富な人の助けを借りることを強くおすすめします。すべてが適切に行われていると思っていても、それでも不安な気持ちになるものです。移行に失敗すると、その修正には事前準備するよりはるかに時間と労力がかかります。いずれにせよ幸運を祈っています!
8.URLにダブルスラッシュを使用することのSEOへの影響は?
Gary:Ricardoからの質問です。「“https://www.example.us//us/shop”のように、URLに二重のスラッシュを使うことのSEO上の影響は?」
厳密な観点では問題ありません。RFC3986の第3節を見ると、前方スラッシュはセパレータであり、URLパスに何度でも、繰り返し出現しても問題ありません。とはいえユーザビリティの観点では最適な考えとは言えませんし、一部のクローラーを混乱させる可能性もあります。
9.Google Search Consoleの“Video outside the viewport”の問題を解決するには?
Martin:Igorからの質問です。「Google Search Consoleの“Video outside the viewport”の問題を修正するにはどうすればよいですか?」
ある動画を検索している人が、探した動画を見つけるためにスクロールしなければならないページにランディングすると考えてみてください。この問題を解決する最も簡単な方法は、動画をページの一番上に移動させることです。そうすれば、ページにランディングしたときに動画が表示され、実際に動画を見ることができるので、このエラーを回避することができます。注:今回のSEOオフィスアワーを記録した後、私たちは考慮すべきいくつかの変更を発表しました。動画モード検索では、動画がメインコンテンツであるページのみを表示するようになりました。
10.商品画像のURLが変更され、別のサーバでホストされるようになった場合、どのように対処すれば良いですか?
John:「商品画像のURLが変更され、別のサーバでホストされています。現在の画像ランクを新しいURLに転送するようにGoogleに指示するにはどうすれば良いですか?」
簡単なのは、新しい画像URLを指すように画像要素を更新するだけで良いです。また、古い画像のURLを新しいものにリダイレクトするステップを踏むことをおすすめします。画像は再クロールされる頻度が低い傾向にあるため、画像URLを変更すると、すべての検索システムで再処理されるまでに少し時間がかかることを覚えておいてください。画像SEOのベストプラクティスもご覧ください。
11.私のサイトは404ページが多かったのですが、問題でしょうか?
Gary:Amaniからの質問です。「私のサイトには404ページがたくさんあり、何回か記事を公開した後、削除依頼をしました。」
404エラーはWebの一部と言えます。サイトに掲載するのは構いませんし、恐れる必要はありません。唯一気をつけたいのは、あなたが重要だと考えているページが突然404になった場合、私なら修正しますが、そうでなければ気にしないでしょう。
12.私のサイトは表示する404ページをHTTPで200ステータスで返していますが、これはソフト404になりますか、それともクローキングになりますか?
Martin:Martinからの質問です。「私のサイトは404ページの表示をHTTPステータスで200を返します。これはソフト404かクローキングでしょうか?これはどのくらい悪いことなのでしょうか?」
Martin、通常それはソフト404とみなされクローキングではありません。このせいでSEOの王道から外れるということはないですが、決して望ましくはないです。通常クライアント側のレンダリングアプリケーションで404ステータスを設定できるため、これを回避する方法がいくつかあります。常に404で応答するようにサーバ上のルーターを設定し、JavaScriptのリダイレクトを使用してGooglebotを実際に404ステータスコードを与えるページに指定することもできます。あるいは、JavaScriptを使って、noindexの値を持つrobots metaタグを動的に追加し、これらのページがインデックスされようにすることも可能です。これについては、developers.google.com/search内のJavaScriptドキュメントに情報があります。
第1回は以上です。めちゃくちゃ面白い質疑応答でした!
まぁ、でも人によって得ている知識や抜け漏れている知識、忘れがちなポイントは変わるため、その感動も変わると思います。皆さまがいかがでしたでしょうか。私が気になったのは以下の4つです。
- iframeのコンテンツをインデックスしたい場合は noindex と indexifembedded のコンボで(1.より)。とはいえ、私個人としてはやはり静的なコンテンツとして表示することをオススメします。
- ディレクトリ分けすることでその頻度に合わせてクロールも変わるので、ネスト構造より上手く調整できると思う(2.より)。
- リニューアルの場合は見た目だけ変わるのか、リンク構造も変わるのか、URLも変わるのか、それとも変わるのと変わらないのとが混合しているのか、等によってインデックスに向けた対応が変わるので、プロに相談すると良い(7.より)。私もこれは激しく同意します。上手く設置できれれば検索順位はそのままではなく、むしろ新ページのコンテンツ内容によって向上するケースもあります。
- 画像を別サーバ配信に引っ越し、URLが変わる場合は画像のリダイレクトを行うと良い。画像URLはクロール頻度が低い傾向にあるため、そのままにすると一時的な検索ランキングに影響するかもしれない(10.より)。
今回のOffice Hoursは期待が持てそうですね!
第2弾も楽しみにお待ちくださいませ。