企業のサイトを拝見しているとどうしても自社サービス紹介のためのサイトという作りになりがちで、ディレクトリ構造も自社サービスを細分化していくような構造になっているケースが多いです。にも関わらずそのサイトを「〇〇(一般用語)というキーワードで検索順位を上げたい」等と考えたりするケースがあり、酷い場合は「サイト内部を一切修正できないけど検索順位を上げたい」という方もいらっしゃったりします。そういう時は、私は黙って下を向いてしまうんですが…(笑)。
そもそも自社サービス軸からディレクトリ展開していっては自己主張の強いサイトに留まるだけであり、ユーザーのニーズや検索キーワード軸からディレクトリ展開していった方がユーザーの使いやすさが格段に良いに決まっています。つまりメディアとして存在することですね。そしてその検索キーワードのテーマ性に対して最大であり最適であるサイトが検索結果で1位になるわけです。
そこで、今回はディレクトリ構造の在り方についてちょっとご説明したいと思います。
施策キーワードやニーズから始まるディレクトリ構造
「キーワードとサイト設計」を事前に必ずご確認ください。こちらが分かればほぼ問題ございません。その上で、整理/分類されたサイト構造を実現するにはディレクトリ構造とリンク構造を合わせて考える必要があります。
ディレクトリの親子関係に注意
サイトテーマに合わせてコンテンツやページが決まったら、そのページはどのディレクトリ(この場合カテゴリと考えた方が分かりやすいです)に属するべきかというのを想定していってください。例えば、車のサイトを考える時、「トヨタ」というカテゴリの中に「日本車」というコーナーがあった方が良いか、「日本車」というカテゴリの中に「トヨタ」というコーナーがあった方が良いか…答えはもちろん後者ですよね。こんな感じで作成していって、最終的に頂点のカテゴリとなるページが、そのサイトのトップページになるはずです。そしてそのトップページはそのサイトテーマの中で最も広義なキーワード(≒ビッグワード)で検索順位上位となってくるでしょう。
コンテンツを推測しやすいファイル名
ディレクトリのファイル名(=URL)はそこから「どんなコンテンツがあるか」判断しやすい命名のしかたを考慮してください。例えば、”automobile.com/me/02/”というURLがあったとします。このURLだけを見てはパッと内容が分かりづらいですよね?でもそれが”automobile.com/maker/japan/”というURLだったら…分かりやすいですよね。まぁそういうことなんです。でも内容を明確に伝えたいあまり、やたら長いファイル名にしたりするのも分かりづらかったり、(多少ですが)ソースにおけるbyte数が無駄に増えたりしてしまうのであまりオススメはしません。たまにSEOのブログ等でファイル名を細かく文章にしているケースがありますが、あの場合はおそらく内容がページ単位で似ているので、区別するために細かく文章にしているのだと思います。
多くても4階層以内(3クリック以内のリンク構造)
この解釈は人によって異なりますが、私の場合はせめて”〇〇〇.com/aaa/bbb/ccc”くらいまでの階層構造が理想的だと考えています。それよりも深い階層になるということは、そもそもの親ディレクトリが少ない(≒大きなテーマを孕みすぎている)可能性を疑うようにしてください。クローラビリティの低下にもつながりますので。やはり一番最初のサイトマップを考える時が最も神経を使うタイミングなのかもしれませんね。
繰り返しますが、サイトテーマと情報構造を整理することで、ユーザーの使いやすさとクローラビリティを両立したサイト構造(ディレクトリ構造+リンク構造)を実現することが可能になります。要は広義なキーワード(≒ビッグワード)を頂点としたシャンパンタワー構造のイメージです。このことを注意しながらサイト構築していくことで「そもそも施策キーワードで検索順位が上がってくるサイト構造ではございません」と言われることは無くなると思います。
そして、パンくずのリンク構造もこのディレクトリ展開に合わせて行っていくことで、よりクローラビリティ性も上がり、且つファインダビリティ性(見つけやすさ)も上がるとお考えください。さらに、ディレクトリ構造に従った縦のリンク構造とは別に、テーマに合わせた横軸のリンク構造も構築(≒クロスリンク構造)していくことで、より一層ユーザーの使い勝手も良くなっていくでしょう。
また、既に出来上がっているディレクトリ構造を抜本的に改修しなければならない場合は、フルリニューアルする気持ちで取り組まなければなりませんので気合いを入れてくださいませ。