• 2023年8月の米オフィスアワーより①

2023年8月の米オフィスアワーより①

2023年8月に米国現地(英語圏)で実施されたEnglish Google SEO office hoursについて、フォローアップ記事が出ましたので、毎度のように和訳してご紹介します。今月は少なめで、全部で16個質問がございます。そのうちの前半8個をご紹介します。残りは次回の記事でご紹介します。質問事項の大半は世界共通の疑問ですし、基本的な内容なのでおさらい含めて参考になります。是非今一度ご確認ください。

質問と回答

2023年8月のGoogleSEOオフィスアワーの議事録を和訳しています。毎度のことながら内容に関して何かあればGoogle Search Centralのヘルプコミュニティへ質問しましょう。今回ご紹介するのは、全16質問のうちの8個です。まず和訳した質問と回答をご紹介します。
 

1.サイトマップインデックスファイルにはいくつのURLを含めることができますか?

John:サイトマップインデックスファイルはいくつのURLを含めることができますか?

XMLサイトマップファイルは50,000URLまで含めることができ、それはサイトマップインデックスファイルでも同様です。サイトマップインデックスファイルは他の複数のサイトマップファイルを含むというだけです。詳しくはサイトマップのドキュメントをご覧ください。
 

2.ARIA属性を設定するとSEOに寄与しますか?

John:Michałからの質問です。「GoogleはARIA-label属性やその他のARIA-labelのアクセシビリティ属性を見て考慮しますか?ARIA属性を設定するとSEOに寄与しますか?」

Webサイトにアクセシビリティ機能があるように見せることに、本質的なSEO上の利点はありません。アクセシビリティのためにアクセシビリティ機能を使うのが本質です。とはいえ直接的なSEO効果がなくとも、これらの機能に依存しているユーザーは充分にいるはずです。ARIA-labelのようなアクセシビリティ機能をSEO目的で不自然に使うのではなく、適切に使いましょう。
 

3.正規化された“domain/en”を“domain”にリダイレクトすべきでしょうか?

John:Hakanからの質問です。「正規化された“domain/en”を“domain”にリダイレクトすべきでしょうか?それとも、すでに正規化されているだけで充分でしょうか?」

ここで得られるSEO上の利点はありませんが、一貫性を保つことは有用です。言語コードのないバージョンがデフォルトのバージョンで、言語コードがついたバージョンと内容が同じなら、hreflangx-defaultに設定すればいいでしょう。正規化と内部リンクに一貫性を持たせることで、通常はその(言語コードのない)バージョンが正規版として選択されることになります。そうすることで、トラッキングの一貫性が保たれるので、作業が楽になります。SEO効果はありませんが。
 

4.URLのハッシュタグ(#)の後のリンクの要素は、検索結果での表示に影響しますか?

John:Michelが尋ねています。「URLのハッシュタグ(#)の後のリンクの要素は、検索結果での表示に影響しますか?」

通常は表示に影響を与えることはありません。あれはフラグメントと呼ばれ、ページのコンテンツの特定の部分にリンクするために使われます。Google検索はページ全体を見るので、通常は無視されますが、ユーザーがページの関連部分に直接ジャンプするのに役立つかもしれません。フラグメントが別のコンテンツを表示するために使用されていると判断できるURLもありますが、それは非常にまれであり、推奨される方法ではないため通常Google検索はURLフラグメントを無視します。
 

5.競合が少なく、SEO施策も万全であるにもかかわらず、私のサイトが上位に表示されないのはなぜですか?

John:競合も少なく、SEO施策も万全なのに、私のサイトが上位表示されないのはなぜですか?サイトマップ、インデックスされたページ、更新されたコンテンツ、バックリンク、ページ内最適化を行っています。しかし、私のサイトはまだ施策キーワードの検索結果の上位200位に入っていません。

このような質問はよくあります。GoogleはSEOについて語るとき、さまざまな技術的な側面に焦点を当てる傾向がありますが、あなたはもっと多くのことに取り組む必要があります。良い方法は、オフラインの世界と比較して考えてみることです。例えば、本に置き換えて考えると、良い表紙の写真であり、適度な文章の長さで、誤字脱字は少なく、良いトピックがあれば、その本はベストセラーになるでしょうか? あるいはレストランであれば、適切な食材を使い、清潔な厨房で調理すれば、お客さんがたくさん来るのでしょうか?技術的な側面をうまくカバーすることは良いことですが、成功するためにはもっと多くのことが関係しているはずです。
 

6.新しく購入したサイトにペナルティが課されているかどうか分かる方法はありますか?

John:Antonからの質問です。「新しく購入したサイトにペナルティがあるかどうかを確認するにはどうすればいいですか?」

サイトの所有権を確認したら、Search Consoleで手動による対策(手動対応)の現在のステータスを見ることができます。この情報は、サイトの所有権を確認できたすべての所有者が見ることができます。対応期限が過ぎた手動対応や、解決済みの手動対応は、Search Consoleには表示されません。手動対応が解決されると、一般的にはかなり早く影響が見られます。とはいえ、手動対応に関係なくアルゴリズムが重大な品質問題に反応することもあることを覚えておいてください。
 

7.不動産物件に商品のリッチスニペットを使用しても問題ないですか?

John:Igorからの質問です。「不動産物件に商品のリッチスニペットを使用しても問題ないでしょうか?」

これについてはチームに確認しました。Googleショッピングに関して言えば、Merchant Centerの広告掲載対象外のショッピングコンテンツのヘルプ記事を見ると、不動産のような物理的に移動できない資産、移動できない家、土地は、サポート対象外として挙げられています。ただ実際には、このような場合はGoogleは商品スニペットを無視することになるでしょう。商品の構造化データを不動産に使用すること自体は悪用とはみなされませんが、SEO上何の効果もありません。私が推奨するのは、目に見える効果がある構造化データを使うことです。例えば、検索で商品として表示できるものには商品構造化データを使うなどです。
 

8.hreflangは直接の翻訳でなくても、異なる国をターゲットにした類似のコンテンツをリンクするために使用できますか?

John:Alexからの質問です。「hreflangは直接的に単純翻訳された内容だけではなく、それぞれの国で異なる内容にもかかわらず機能させるのに使っても良いのでしょうか?例えば、ある会社が複数の国でチョコレート菓子を販売する場合、原材料は異なるかもしれません。」

はい、使用できます。hreflangは、代替言語や地域バージョンのためのものです。別にただローカライゼーションするためのものではありません。hreflangの詳細については、多地域または多言語のサイトのドキュメントをチェックしてください。

引用)Google SEO Office Hours|Search Centralより一部和訳

 

さすが、ミューラー氏♪
回答のしかたが素敵です。というわけで結構基本的且つ興味深い内容だけ抜粋します。

  • 「コーディングが良い、SEO上優秀な施策に準拠している」と自負したところで、そもそも中身が弱かったり当たり障りの無い内容であれば意味がない(5.より)。
  • 動かせないようなものを商品の構造化データでマークアップしても良いけど、Googleは無視するので無意味。商品構造化データの対象になるかどうかはココを見てね(7.)。
  • 言語アノテーションはただの翻訳ページに対して機能するのが目的ではなく、その国その国に合ったコンテンツを提供すること。だから、主旨は同じでも国によって内容が変わるのは当然。そこに言語アノテーションを使用することも問題ない(8.)。

 
特に8.はGoogleのことを考えてただの翻訳しか掲載していないのであれば勿体ないので、しっかり国単位で中身を熟考すると良いでしょう。

大事なのは中身

ミューラー氏のコメントや過去のFAQを読んでいると分かる通り、コーディングや検索エンジンフレンドリーにしなければならない部分は、Google側も一生懸命理解するようアルゴリズムや検索ランキングシステムを歩み寄らせていることが分かります。一方でやはり中身に関してはしっかりと良いものを作るよう啓蒙し続けていますよね。

つまり、中身が良ければ検索エンジンフレンドリーでなくても長期的には評価する、中身が悪ければいくら検索エンジンフレンドリーでも評価しない、ということですね。言われてみれば当然なのですが、当事者になると盲目的になってしまいますので気を付けましょう。

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