• 「この結果について」について

「この結果について」について

ちょっとバタバタしていて、情報がワンテンポ遅れていて申し訳ないのですが、4月2日が世界的な国際ファクトチェックデーでした(エイプリルフールの次の日というのも洒落が効いています)。そこに向けて、米国現地時間3月28日にGoogleからAbout this result機能(和名「この結果について」)を含む各機能を改めて紹介していましたので、和訳しながら「この結果について」を改めて解説していきたいと思います。

Googleからの発表内容

まずはGoogleがThe Keywordにて発表した記事を和訳してご紹介します。

Google検索で情報を確認する5つの新しい方法

人々は情報をすばやく見つけ、複雑なトピックを理解し、真実と嘘を見分けるためにGoogleを利用しています。Google検索は、世界中の信頼できる多角的な情報源から質の高い情報を見つけ、世界をより理解するための新しい視点を得るのに役立つでしょう。しかし、Web上で利用できる全てのコンテンツを見極めようとすると、特にどの情報が信頼できるかと判断する時なんて、その情報量に圧倒されてうんざりすることがあります。

4月2日の国際ファクトチェックデーは、そういう行動喚起の場です。というのも、現代ではほとんど全ての人が、主張を検証したり、情報源を確認したりするために、自分なりのファクトチェックをするやり方が必要があることに気付いているからです。誰もが、信頼できる情報を見つけるために必要なツールを得るべきです。そのため、私たちはオンライン上で出会った情報を評価するための機能を構築し、役立つ情報の幅を広げるようにしています。今回は、Google検索でこれらのリソースをどのように拡張・改善しているかをご紹介します。
 

「この結果について」は全世界で利用可能に

Googleで検索すると、お気に入りのショップやいつも読んでいるブログなど、見覚えのあるサイトや情報源の検索結果が表示されることがあります。しかし、中には初めて目にする、あるいはあまり馴染みのないサイトや情報源もあるかもしれません。情報を評価し、その情報の出どころを理解するために、「この結果について」機能は、今後、Google検索を利用できるすべての言語で利用できるようになります。現在、Google検索では、ほとんどの検索結果の横に3つのドットが表示されています。この3つのドットをタップすると、表示されている情報の出元はどこか、また、Googleのシステムがどのように検索者のクエリに役立つと判断したのかについて、詳しく知ることができます。このような情報があれば、訪問した方が良いサイトやどのような検索結果が自分にとって最適化を、より詳しい情報を得た上で判断することができます。
 

「この結果について」機能の動作例です。

 

新機能でトップストーリーに多様な視点を見出す

Google検索で表示される情報源を理解するのと同じくらい重要なのは、ニュース記事をより深く理解するのに役立つ、さまざまな情報源や視点を発見することです。Google検索では、検索結果に多くの人々の声を取り入れることで、ユーザーにとって最も重要な事柄についてより多くの情報を提供することを目指し、この度「Perspectives」機能を開始しました。このカルーセルは、トップ記事の下に表示され、検索しているトピックに関するさまざまなジャーナリスト、専門家、その他の関連する声からの意見や洞察を紹介します。この機能により、ニューストピックに関するさまざまな注目すべき声を知ることができ、Google検索で見つけた信頼性の高い報道を補完して、理解を深めることができます。ニュースに関するすべての機能と同様に、Googleは権威ある信頼できる情報を届けることに全力を尽くします。このカルーセル機能は、米国の英語圏で近日中に導入され、デスクトップとモバイルで利用できるようになる予定です。
 

「Perspectives」カルーセルに表示されるさまざまなコンテンツの一例です。

 

「この著者について」で情報源を理解する

私たちは、新しい声や視点を表面化させるとともに、人々が読んでいるコンテンツの背後にある著者について簡単に知ることができ、信頼できる新しい声を発見できるようにしたいと考えています。そこで「この結果について」機能を拡張し「この著者について」という新機能を追加しました。これにより、3つのドットをタップすると、Google検索で表示される著者の経歴や実績に関する詳細な情報を確認できるようになります。この機能は、全世界で英語圏の検索結果に導入され、米国の英語圏では「Perspectives」カルーセルにも表示されます。
 

「このページについて」にアクセスすることで、より簡単に文脈を知る

また、結果の横にある3つのドットをクリックすると、特定のページの情報源やトピックに関する詳細情報を知ることができます。この度Googleではこの情報へのアクセスをさらに分かりやすくしています。例えば、熱帯雨林の保護団体を検索するとしましょう。本日から、Google検索でその団体のURLを入力すると、このページについての情報が検索の上部に表示されます。そのサイトの自己紹介や、Web上の他の誰かがそのサイトについてどう語っているか、さらにはそのサイトに関する最近の報道まで素早く確認することができます。そこから、そのWebサイトを訪問してもっと詳しく知りたいかどうかを判断することができます。現在この機能は、全世界の英語圏で提供されています。
 

Google検索のナビゲーションバーにURLを入力すると、「このページについて」が表示される例です。

 

情報格差を見つける

時には、Google検索に表示できる素晴らしい情報が少なかったり、検索結果が急速に変化したりすることがあります。それは、人々にとっても重要な印象の変化となり得ます。このような情報格差に対応するため、Google検索はトピックが急速に進化している状況下で、自動的にコンテンツアドバイザリー(コンテンツに対する勧告)を表示するようにします。Googleは先日、同様の勧告を開始しました。この勧告はGoogleのシステムが、検索結果の全体的な品質について高い信頼性を持っていない場合に表示されます。数ヶ月後には、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、日本語を含む新しい言語に、品質情報のギャップを示す勧告表示を拡大する予定です。
これは有用な情報がないとか、特定の結果が低品質であるということではありません。これらの勧告はページ上の結果全体に関する文脈を提供し、勧告が表示される場合でも常に皆さんのクエリに対する結果を見ることができます。
 

情報リテラシーとファクトチェックに投資する

Googleでは便利なツールや機能を開発するだけでなく、情報リテラシーに関する教育サポートも続けています。ここでは、その方法をいくつかご紹介します:
 

  • Googleは、米国図書館協会の一部門である公共図書館協会と提携し、情報リテラシーを高めるために開発されたカリキュラム「Super Searchers」プログラムを通じて、約1,000人の図書館員および図書館職員にトレーニングを提供します。これは、昨年、欧州5ヶ国で数百人の図書館員を対象に実施した「Public Libraries 2030」を発展させたもので、米国内の図書館で図書館員が利用者をトレーニングすることが奨励されます。
     

  • Googleは、非営利団体Poynter Institute for Media StudiesのMediaWiseと提携し、中学生・高校生によるボランティアプログラム「Teen Fact-Checking Network」を拡大し、誤った情報を否定し、メディアリテラシーのコツを共有すると発表しています。このプログラムはドイツとブラジルで展開され、10代の若者たちが地元の報道機関と提携し、メディアリテラシーのスキルの重要性について認識を広めることに貢献する予定です。Googleの支援により、MediawiseとPBS NewsHour Student Reporting Labsは、中学・高校の教師向けに20以上のレッスンプランを開発し、メディアリテラシーのスキルを身につける方法を生徒に教えるのに役立つようにしました。

 

最後に、GoogleとYouTubeは昨年、国際ファクトチェックネットワークに1,320万ドルの助成金を提供し、新しいGlobal Fact Check Fundを設立したことを発表しました。そのファンドは、近日中に開設されます。この基金は、65ヶ国、80以上の言語をカバーする130以上のファクトチェック団体を支援する予定です。これは、GoogleとYouTubeがこれまで行ってきた誤情報への取り組みに基づくもので、ファクトチェックに関する単独で最大の助成金となります。

引用)The Keywordより和訳

 

新しい話がいくつか出ていましたのでまとめてご紹介します。
 

  • About this result(日本名:この結果について):現在、全国展開中。ちなみに現在は日本でも確認できますが、私が見る限り大した情報は載っていません。
  • Perpectives機能:日本語で言うところの「他の人の見解」というイメージ。ニュース関連のクエリに対して、そのトピックに関する様々な立場の人の意見(権威者・有名人等によるメディアやブログ、ニュースサイト、Twitter等)をカルーセル紹介するようになる。ただし、米国の英語圏のみの対応。
  • この結果についてに「この著者について」機能が追加:「この結果について」の中に著者についての項目ができ、その著者の経歴や実績が表示される。これは全英語圏で対応し、そのうち米国の英語圏にはPerspectives機能とも連携する。
  • About this page機能:日本語で言うところの「このページについて」というイメージ。URLで検索するとそのサイトに関してサイト内でどう自己紹介しているか、他人がどう評価しているか、そのサイトに関する直近のニュース等まで確認できる。
  • 情報量が不足、または期待する結果を得られなそうな検索結果について:Googleが検索結果に関して検索者のニーズに応えられているか自信がない場合、「この検索結果はまだ充分な情報が揃っていないかもしれません」みたいな文言が検索結果に表示される機能。今後数ヶ月で日本語にも導入予定。

まだまだこれからの機能

現在の日本のGoogle検索結果では、タイトル横の3点ドットをタップするとドメインのインデックス年数(中古ドメインの場合は当時のドメインのインデックスから始まる)とSSL、検索結果のカスタマイズ状況、また検索キーワードが検索結果に含まれているか、日本語か日本対応か…等が表示されます。はっきり言ってわざわざサイトページに入る前に確認するほどの内容ではありません。ですので、私も個人的にこの3点ドットを使ったことは無いですね(笑)。

今回実装が発表された機能も、ほぼ英語圏中心ですのでそこまで日本には影響は無さそうです。また、英語圏であってもどこまで有用になりそうかまだ疑問が残ります。今後もっともっと情報が分かるように機能拡張に期待したいと思います。

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