• サリバン氏が検索を振り返る

サリバン氏が検索を振り返る

Googleの広報担当であるDanny Sullivan氏(以下:ダニー・サリバン氏)がThe Keywordにて、ここ25年間の検索について語っています。私のサリバン氏のイメージはSearch Engine Landに在籍していたジャーナリストという感じなのですが、ずっとSEMについて追及されていたようです。
というわけで、今回はそのサリバン氏が語る検索について和訳してご紹介します。

サリバン氏の検索に対する想い

25年間検索について見てきた(向き合ってきた)サリバン氏ならではの、今までの検索とこれからの検索についての感想文です。

Google検索の広報担当が語る25年間の検索との付き合い方

ダニー・サリバン氏は、Googleの検索広報担当へ就任前、20年以上にわたって検索エンジンを追い続け、このテーマに関わる最も初期のメディアの1つを創刊した実績を持っています。検索エンジンの進化をGoogleの内外からどのように見てきたのか、ダニーに話を聞きました。

ダニー・サリバン氏は、Googleの検索に関する広報担当者であり、Google検索における表面化されている部分と水面下での活動を説明したり、検索に携わる人々に世間の声を伝えたりしています。普段は、Twitterで皆様からの質問に答えたり、イベントでプレゼンテーションをしたり、Web上のどこかでフィードバックに答えたりしているダニーの姿を見かけることがあるでしょう。また、テレビSFシリーズ、スタートレックのコンベンションで彼を見かけることもあるかもしれませんが、それはまた別の機会にお話ししましょう。
2017年にダニーがGoogleの広報担当になる前は、20年以上にわたり検索エンジンの世界を追い続け、この分野の第一人者として活躍していました。実際、彼が検索エンジンマーケティングに関する最も古いWebメディアの1つを立ち上げてから25年が経ちました。この節目を記念してダニーが長年見てきた検索エンジンの進化について、またGoogleの社内外から話を聞くことができましたのでご紹介します。
 

検索技術に興味を持ったきっかけは?

大学時代、図書館の検索システムMelvylを使い「歴史」や「科学」といった言葉に合致するあらゆる本を見るのが楽しみでした。検索対象があまりに多すぎてシステムダウンすることもありましたが…でも、図書目録を1枚ずつめくって調べるのではなく、デジタルで本を探せるというのは、当時としては画期的でした。その後、ジャーナリストになってからは、過去の記事を探すためにLexisNexisで複雑なクエリを考え出す必要がありました。非常に大変な作業ではありましたが、技術によって有益な資料が簡単に見つかるようになるのは、やはり嬉しいものでした。
今では当たり前である世界中どこからでも必要なコンテンツを数秒で見つけ、欲しかった情報を得るということ。これが正式な検索手順を使わなくてもできるようになった当時、つまりインターネットと初期の検索エンジンが登場した時から、既に私は検索に魅了されていました。その時の衝撃は今でも忘れることができません。私は今でも検索の虜になっていますし、検索は誰もが素早く情報を見つけ、思ったことについて詳しく知ることができるようになっています。
 

検索エンジンに対する人々の意識は、時代と共にどのように変化してきたか?

1990年代、私は検索に関する授業を行っていました。検索エンジンは必ずしも自然に話すような言語による検索を得意としておらず、独特な検索キーワードを学びそれを使うことでより良い結果が得られることもありました。また、探している情報が見つからないのは、検索エンジンのせいではなく、自分の検索のしかたが悪いと感じる人も少なくありませんでした。
今日では、人々は生まれながらにして検索の仕方を知っているように感じられます。何の勉強も授業もなしに、魔法の箱に言葉を入力すれば、パッと欲しい結果を届けてくれるのです。また、探しているものが見つからなかった場合に、見つけられなかった自分を責めることも少なくなったように感じます。おそらく、検索が高度になることで人々の動向も変わったのでしょう。あまりにも簡単に必要な情報が見つかるので、人々はより高い水準で(且つ正当な基準で)期待を抱くようになったのです。
探している情報について、Googleが幾度となく提供してくれたことをいちいち覚えていないかもしれませんが、異常値(外れ値)――つまり探している情報が正しく提供されなかった場合の記憶は残っているでしょう。Googleでは、このことは前向きな姿勢で捉えています。これは、逆に言えば誰もが求めるものをGoogleは提供できるという評判を築き上げていることを意味しているわけで、今後も私たちはそれを実現するために努力し続けます。
 

Google検索について、もっと多くの人に知ってもらいたいことは?

検索エンジンの定期的な改善にどれほどの労力が費やされているか、ほとんどの人は理解していないでしょう。私たちは年間を通じて何千もの改善を行っており、2021年だけでも5,000以上もの改善を行なっています。
何らかの変更やアップデートの実施が決まると、実験による定量的なフィードバックと人間のレビュアーによる定性的なフィードバックの両方で慎重に評価します。そして、両側面で問題ないと判断できたら、アップデートや変更を実施します。例えば今日、Googleは検索における商品レビューコンテンツのランキングに関わるアップデートを行い、より深く、自分の体験と言葉で書かれたコンテンツを優先するようになります。
昨年、Googleは80万件を超える実験と継続的な品質テストを実施し、実際にGoogleが提供する検索結果や発表するアップデートがより便利な検索を提供しているものであると確認できました。そしてこれらのプロセスが機能していることに、私たちは大きな自信をもっています。過去7年間、品質評価者のデータに基づく私たちの内部指標では、無関係な検索結果の数が50%以上減少していることが分かっています。


“この7年間で、無関係な検索結果の数を50%以上減らすことができました。”
ダニー・サリバン – Google検索に関わる広報担当


 

Google検索は、これまでどのように進化してきたと考えているか?

検索は、Webや人々の検索へのアクセス方法とともに進化してきました。ARから画像や動画まで、情報の種類は増え、人々が必要とするものをリッチなビジュアル形式で見つけられるような機能も増えました。
さらに、Googleレンズを使った視覚的な検索など、より多くの検索方法を導入しています。先日ハイキングに出かけた時、ある花の上に昆虫を見つけ、そこにGoogleレンズを向けると、それがどの種類の蜂なのかすぐに識別してくれたことがありました。検索が始まったばかりの頃は、こんなことは想像もできませんでした。
Google検索が進化した方法として表立って分かりづらくても影の立役者となっているのが、人々が何を探しているのかを理解する技術についてです。2019年、私たちは自然言語や長いクエリをより理解できるニューラルネットワークベースのランキング改善のための言語モデル――BERTを発表しました。興味深いことに、私たちが長年に渡ってAIを使用して言語の理解を向上させてきたように、人々の検索クエリも進化してきました。2015年以降、Google検索における自然言語のクエリは60%以上増加しています。これは人々がより簡単に、そして私たちが普段書いたり話したりする方法に近い言語を使って必要なものを見つけることができることを意味します。
 

これからの検索はどうなる?

AIの進化によって可能性が拡大し、情報と私たちを取り巻く世界をより深く知ることで「検索」の意味を今一度考え直すきっかけにもなるでしょう。近い将来、Googleレンズを使い、画像とテキストを同時に検索できるようになって物理的な世界について学んだり、見たものについてより直感的な方法で質問したりできるようになるでしょう。
また、答えが1つとは限らない質問に対してGoogle検索がどのように機能できるのか、とても楽しみにしています。Googleはシンプルな質問に対する答えを見つけることには長けていますが、それだけでなく、答えのないような話題をより簡単に説明したり、どこから調べ始めればいいのか分からないような場合にも役立てるようなGoogleでありたいと考えています。
20年以上に渡り、検索について考えてきた私にとって最もエキサイティングなことは、「検索」は決して完全体ではない、ということです。Googleは、情報へのアクセスや利便性を向上させるために、まだほんの一歩を踏み出したに過ぎないのです。

引用)The Keywordより和訳

検索に向けた想い

今回の記事で特段新しい内容や発言、機能等はありませんが、サリバン氏が「検索」と向き合いだした頃から比べると、いかに今が格段的に良くなっているかが分かります。そしてこれからのGoogle検索はより視覚的に、そしてより直感的になっていくのでしょう。

ということで…今回はサリバン氏の想いを和訳してみました。

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