• 202403コアアップデートとスパムアップデート

202403コアアップデートとスパムアップデート

凄いのが来ました。2024年3月のコアアップデートスパムアップデートです。Googleが米国現地時間3月6日に発表しました。まず、コアアップデートに関しては複雑にコアシステムの連携が絡むようで、最大で1ヶ月程度かかる見込みとのことです(ちなみに、今のうちにお伝えしておくとコアアップデートは基本ページ単位で評価するものとのことです)。そしてもうひとつのスパムアップデートです。このスパムアップデートには主に3つの要素がスパムポリシーに補完され、そのスパムポリシーに則ってアップデートしているようです。その3つとは、無駄な大量生成コンテンツ(今まではこれを「機械的にやっているもの」と表現していましたが、無駄な大量生成とは、なにも生成AIに限らず人的なものも対象になりますので、生成AIの普及に伴い「生成AIがダメ」という誤解を防ぐべく「無駄な大量生成コンテンツ」に言い換えた感じです)、中古ドメインを使った不当なサイト運用(中古ドメイン自体は問題なくとも、それを使って低品質なコンテンツで順位上昇してしまっているもの)、そしてドメイン貸し(ドメイン貸しと私は呼んでいますが、Googleは“サイト評価の悪用”という言い方をしています。簡単に申し上げますとコチラで、Googleが露骨に注意喚起を始めたのはこのタイミング)です。ドメイン貸しだけ5月5日に導入するようです(猶予期間のため)。以上でおおよそのご説明は終わるのですが(笑)、ここではGoogleの発表内容を和訳しつつ解説していきたいと思います。

本日、Googleは2024年3月のコアアップデートと新しいスパムポリシーを発表しました。これらのポリシーを組み合わせることで、クリック誘引だけを目的に作成されたコンテンツを駆逐し、ユーザーに役立つコンテンツをより優先表示できるように設計します。詳しく知る:

引用)@googlesearchcより和訳

Googleからの発表内容

まずはGoogleによるSearch Central Blogの記事内容を和訳してご紹介します。現時点では日本語訳が出ていませんが、さすがに重要な記事ですので、近いうちに公開されると思います。

Webクリエイターが知っておくべき2024年3月のコアアップデートと新しいスパムポリシーについて

本日、2024年3月のコアアップデートを発表しました。このアップデートは、クリックを集めるためだけに作られたようなコンテンツを減らし、ユーザーが役に立つと感じるコンテンツを増やすことで、検索の質を向上させることを目的としています。また、Googleの検索結果に悪影響を与える可能性のある行為をより適切に処理するために、新しいスパムポリシーを導入しました。この記事ではクリエイターの皆様に向けて、今回のアップデートとスパムポリシーの両方について詳しくご説明します。
 

2024年3月のコアアップデート

2024年3月のコアアップデートは複数のコアシステムの変更を伴うもので、通常のコアアップデートよりも複雑なアップデートです。また、コンテンツの有用性を識別する方法も進化しています。
私たちが信頼できる情報を特定するために複数のシステムを使用しているように、様々な革新的シグナルやアプローチを使用して、より有益な検索結果を示すべく、コアランキングシステムを強化しました。このために使用されるシグナルやシステムはもはや1つではありません。また、この変更について説明するための新しいFAQページも追加しました。
これは複雑なアップデートであるため、ロールアウトには最大1ヶ月かかる可能性があります。様々なシステムが全て更新され互いに補強し合うため、通常のコアアップデートよりも順位変動が大きくなる可能性があります。アップデートが完了し次第、Google検索ステータスダッシュボードに掲載します。
クリエイターは、ユーザーのために満足のいくコンテンツを作成している限り、このアップデートに向けて新しいことや特別なことをする必要はありません。順位があまり良くないと思われる方には、役に立つ、信頼できる、人を第一に考えたコンテンツを作成するためのヘルプページを読むことを強く推奨します。
 

新しいスパムポリシー

Googleのスパムポリシーは、Googleの検索結果品質に悪影響を与える行為に対処するためのものです。今回は、非常に横行している悪質な行為である、中古ドメインの悪用、大量生成されたコンテンツの悪用、サイト評価の悪用に対する3つの新しいスパムポリシーを発表します。
コンテンツクリエイターの皆様には、Googleの全てのスパムポリシーをご確認いただき、悪い行為がないことをご確認ください。Googleのスパムポリシーに違反したサイトは、検索結果の順位が下がったり、検索結果に全く表示されなくなる可能性があります。スパムの手動対応を受けた場合、サイト所有者は登録したSearch Consoleアカウントを通じて通知を受け取り、手動対応の再審査を申請することができます。
新しいスパムポリシーと同時に、2024年3月スパムアップデートも本日より開始します。
 

中古ドメインの不正使用
中古ドメインの不正使用とは、中古ドメイン名を購入し、主にユーザーにとってほとんど価値のないコンテンツを配信して検索順位を操作するために再利用することです。例えば、医療サイトで使用されていたドメインを購入し、低品質なカジノ関連のコンテンツを配信するために再利用することで、以前の所有者によるドメインの評判に基づいて検索で成功することを望む人がいるかもしれません。
中古ドメインの悪用は、偶然に生じるものではありません。ドメイン名の過去の評判を利用し、価値の低いコンテンツで検索上位にランクインすることを望む人々によって行われている行為です。これらのドメインは概して検索エンジン以外の方法で訪問者に見つけてもらうことを目的としていないはずです。とはいえ、ユーザーにサービスを提供することを第一に考えた新しいオリジナルサイトに古いドメイン名を使うことは問題ありません。
 

大量生成されたコンテンツの乱用
大量生成されたコンテンツの乱用とは、検索順位を操作することを主な目的として多くのページが生成されることであり、ユーザーを支援することではありません。この悪用行為は、一般的にどのように作成されてもユーザーにほとんど価値を提供しない、オリジナリティのないコンテンツを大量に作成することに重点を置いています。
この新しいポリシーは、自動生成されたコンテンツに関する以前のポリシーを補足するもので、コンテンツが自動化であろうが、人間によるものであろうが、人間と自動化の組み合わせによろうが、大規模なコンテンツの不正使用であれば対象とするものです。

  • これは、スパムに関してGoogleがAIコンテンツを見る方法の変化ですか?
    長い目で見ると、Googleスパムポリシーは主に検索結果でのランキングを操作することを目的とした、生成AIを含む自動的な生成活動はスパムであるというものでした。今回更新されたポリシーも、これまでのポリシーと同じ倫理・原則に基づいています。低品質コンテンツが必ずしも自動作成だけとは限らないため、自動生成だけではなく様々なコンテンツ作成方法も対象として考慮できるよう拡張しました。

  • “自動生成コンテンツ”に対する古いポリシーと“大量生成された悪用”に対する新しいポリシーの違いは何ですか?
    新しいポリシーでは、検索ランキングの操作を目的とした大量のコンテンツ作成が悪質な不正行為であり、それが自動化であろうが人的作業であろうが、問わないという点に重きを置いています。

 

サイト評価の乱用
サイト評価の乱用とは、第三者のサイトのランキングシグナルを利用して検索ランキングを操作することを目的としたページが、第一者の管理や関与なく公開されていることです。このようなページには、スポンサーページ、広告ページ、パートナーページ、その他の第三者のページが含まれます。これらのページは通常、本体サイトの主な目的からかけ離れているか、本体サイトの緊密な管理や関与なしに作成されており、ユーザーに殆ど価値を提供していません。
私たちの新しいポリシーでは、すべての第三者コンテンツを違反と見なすのではなく、綿密な管理なしに配信され、検索順位を操作することを目的としたものだけを違反と見なします。例えば、多くのメディアは、主に検索順位を操作するためではなく、一般読者のために意図された広告コンテンツをホストしています。“純広告”や“記事広告”と呼ばれることもあるこの種のコンテンツは、通常、メディア内で見つけたり、Googleの検索結果からたどり着いたりしても、そのメディアの一般読者を混乱させることはありません。そのため、Google検索からブロックする必要はありません。
Googleのスパムポリシーのページでは、サイト評価の乱用とそうでないものの例をいくつか挙げています。このようなコンテンツは、Googleのスパムポリシーに違反しないよう、Google検索からブロックする必要があります。サイトオーナーがこのアップデートに向けて準備する猶予期間を設けるべく、この新ポリシーは2024年5月5日から適用します。

  • サイトに影響するランキングシグナルはありますか?
    Googleのコアランキングシステムは、主にページレベルで機能するように設計されており、個々のページのランク付け方法を理解するために様々なシグナルやシステムを使用しています。一方で、もちろんサイト全体に関するシグナルも持っています。第三者のSEO分析サービスの中には、サイトの“評価”や“オーソリティ”というスコアを算出しているものがありますが、これらはGoogle独自のシグナルではありませんし、Googleの公式なものでもありません。

  • 私のサイトの一部には、第三者と協力して作成したクーポンコーナーがあります。これはスパムになりますか?
    多くのメディアが読者向けクーポンを発行しています。メディアがクーポンコーナーの制作に積極的に関与しているのであれば、このコンテンツをGoogle検索からブロックする必要はありません。読者はそのメディアがどのようにクーポンを調達しているのか、またクーポンが読者にどんな価値を提供しているのかを明確に理解できるなら良いでしょう。

 
私たちの新しいポリシーとスパム対策システムの絶え間ない改良の目的は、ユーザーに有益で素晴らしいコンテンツを提供することだけではありません。有益なコンテンツを制作している人たちが、スパムを行う人たちよりも優先して検索表示されるようにすることでもあります。
ロールアウトが完了したら、検索ステータスダッシュボードを更新します。アップデートが完了した後に、皆様からの具体的なフィードバックを募集するフォームを公開予定です。

引用)Search Central Blogより和訳

 

以上です。冒頭でも述べましたが、以下にまとめます。

  • 2024年3月コアアップデートでは、色々なコアシステムを完全刷新するため、相互作用等も踏まえ完了まで1ヶ月くらいかかる。また、順位変動が激しくなる可能性が高い。

 

  • 2024年3月スパムアップデートはスパムポリシーの刷新に合わせて主に3つのスパム行為を駆逐するものである。
    1. 中古ドメインを不当に使用して低品質コンテンツにも関わらず上位表示しているものを駆逐(=そういうことをするな)。正当に使用しているものは問題無いし、見れば分かる。
    2. 大量コンテンツを無駄に生成していると思われるページ群を駆逐(=そういうことをするな)。もともと“自動的な大量生成”と言ったが、それだと生成AIを使ったコンテンツは全てダメだという誤認を招く。人であろうがAIであろうが無駄に生成されているのはダメで、逆に言えば人であろうがAIであろうが有益なコンテンツであれば問題ない。また大量生成自体にも問題はない。
    3. サイト評価を悪用して全く関係ないコンテンツページを運用しているのは駆逐(=そういうことをするな)。これはコンテンツの品質有無ではなく、本体サイト(ルートドメイン)評価を利用しているだけで、本体サイトが一切関与していないと思われるコンテンツページが対象。これに抵触しているサイトオーナーに改善への猶予期間を与えるべく、このポリシーだけは2024年5月5日から発動させる予定。
      ※じゃあ、そもそもサイト(ドメイン)自体を評価しているシグナルはあるのか、という質問には「あるよ」と言いつつ明言を避けた印象を受ける。少なくともAhrefs等のサードパーティ制ツールが表示しているドメインオーソリティとかドメインランクみたいな数字はGoogleとは一切関係ないとのこと。

話題としてのインパクトは大きいもののあまり関係ない?

うーん…今回のアップデートはセンセーショナルですが、スパムアップデートの方は、中古ドメインや大量生成系に関しては対象となるアフィリエイトサイト等がありそうなくらいで(そういう人が多くいるという私見です。アフィリエイトサイトが悪いわけではありません)、一般的な法人サイトでそういうところって殆ど存在しないかな、と思います。

一方で、サイト評価を悪用(ドメイン貸し)している法人サイトは散見されます。法人サイトの中には、このスパムアップデートによって経営が傾くほど打撃を受けるケースもありそうですね。だからこそGoogleは約2ヶ月の猶予を設けたのだと思います。

他にもGoogleで今回のアップデートに関する記事がありますので、追ってまたご紹介したいと思います。今回はまず、こんな内容でご確認くださいませ。

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