• バンドワゴン効果を営業に活かす

バンドワゴン効果を営業に活かす

さて、「ドア・イン・ザ・フェイスとフット・イン・ザ・ドア」、「両面提示とローボール・テクニック」に続き、行動心理学に基づいた営業活用の第3弾として、バンドワゴン効果(BandWagon Effect)についてご紹介したいと思います。私には、特にB2B営業に発揮するイメージがありますので是非ご参考ください。

バンドワゴン効果とは

簡単に言えば「みんなやってるよ」という扇情効果ですね。バンドワゴン(パレードの先頭を進む楽器隊の車)のように、大勢がついていく現象(支持している現象)に合わせて、支持者が増大していく効果を指します。米国経済学者であるHarvey Leibenstein氏が提唱した言葉で、「時流に乗る」「流行に乗る」等も慣用句的に「バンドワゴンに乗る」と表現されます。

大勢の人が指示したり、購入したり、所有していると自ずと欲しくなったり、安心して購入したりする心理を表した現象や効果ですね。何となく日本人にありがちな印象を受けますが、世界的にも起こる現象なのですね。逆に誰も支持していなかったり、全然売れていないモノ(人)を支持したくなる「アンダードッグ効果」という言葉もありますが、これは一応バンドワゴン効果の対義語にあたりますね。ちなみに、Web業界においては、口コミを見てみんなの評価が高かったりすると購入する、みたいな消費者行動もこのバンドワゴン効果による現象のひとつかと思います。

バンドワゴン効果についてはこれ以上説明しても…だと思いますので、バンドワゴン効果と同じように活用される関連用語として「スノッブ効果(Snob Effect)」と「ヴェブレン効果(Veblen Effect)」についてもご紹介します。
 

スノッブ効果とは

先ほどのバンドワゴン効果は「みんな支持してるよ」というものに対して、スノッブ効果とは「みんなと同じが嫌だ」という心理が働く現象を指します。これも前述のHarvey Leibenstein氏が提唱した言葉で、スノッブ(snob)とは、俗物という訳になります。なぜか私の場合は服屋で洋服選びの際に、店員から「皆さんこれを購入されます」とか「有名な○○さんも着ています」と言われると冷めてしまうのですが、おそらくこの私の心理はスノッブ効果なのかもしれません(笑)。要は「他人(ひと)と同じが嫌だ」と思ってしまう心理を突いた効果のことです。
 

ヴェブレン効果

ヴェブレン効果とは「値段が高いから良い物だろう」と思って購入してしまう効果のことです。ヴェブレン財とも言います。米国経済学者であるThorstein Bunde Veblen氏が権利収入等で財を成しているいわゆる有閑階級者の消費行動について論じたことにちなみ、Harvey Leibenstein氏が提唱した言葉です。
類似商品の場合、金額が高い方が機能性や安定性等でなんとなく“良いもの”と思って購入してしまう消費者心理の現象を指します。私の場合、マウスやモニター、キーボード等のPC周辺機器等でそういう消費行動を取っている気がします。「安かろう悪かろう」の逆パターンの心理ですね。

バンドワゴン効果を狙ったビジネス

冒頭で述べたように、バンドワゴン効果はB2Bにおいて役立ちます。なぜなら、企業というものは、競合の動向や実績について常時意識しています。そんな中、B2B営業する場合は必ず「他にどういう会社が実施していますか? 効果実績例をください」等と返答されることがほとんどです。つまり、「他にこんな会社でこんな効果が出ています」「御社の競合はみんな効果が出ています」と営業すれば、ほぼ前向きに検討するでしょう。

また、企業が何かのサービス導入を検討する場合は、必ず自己判断ではできません。社内に稟議を上げて上司が理解・納得しなければ担当は外部業者に発注することはできません。そして社内稟議を上げる際には、必ずと言っていい程、上司から「他にどんな企業がそれを導入しているのか?」「競合はどのサービスを利用しているのか?」を訊かれます。

こういったことからもB2Bで営業する際は、必ず「みんなやっているよ」「これだけ支持されているよ」という実例や市場感を演出すると良いでしょう。
実際に、B2BサービスのWebサイトを見れば分かると思いますが、ほとんどのWebサイトには実績や導入企業例、導入企業ロゴ、導入企業インタビュー等がとにかく沢山掲載されています。それが最も導入検討に繋がりやすいからです。むしろ導入実績例だけで検討に繋がるほどです。

B2Bの新サービスを始める際は、是非このバンドワゴン効果を意識し、まずは(無料でも良いので)実績を増やすことに注力してみてはいかがでしょうか。

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