• Google+:個人サービス終了と情報漏洩?

Google+:個人サービス終了と情報漏洩?

Google+がついに…そして急に個人向けサービスを終了すると発表しました。2011年のサービス開始以来ずっと低迷していたにも関わらず、ここにきて急に発表するあたり…何か裏がありそうな感じですね。

Google+

Google+の低迷

2011年6月にサービスがスタートしたGoogle+ですが、私は当初からずっとGoogle+に傾注してきており、個人的な思い入れは非常に強くありました。サービス開始当初の日本では、AKBグループが活用し、Google+でもアイドルオーディションを開いたり、何かと話題を振りまいてきました。ブランドページという企業やグループアカウントも作成できたり、派生サービスや付帯サービスも強化されたり、とここ7年間でも様々な紆余曲折があったと思います。

しかしやはり、FacebookやTwitterには勝てませんでした。

高度な写真編集機能(後に「Googleフォト」として独立)などもあったがユーザー数が伸びなかった。Googleは現在のユーザー数を明かしていないが、「ユーザーの90%のセッションは5秒以下」という。

引用)ITmedia NEWS

私もずっと使用していたから分かりますが、ユーザーはサービス立ち上げ当初からいる人達が多く、後発でGoogle+に入ってきたユーザーは結局Instagramに流れてしまったような印象を受けます。画像SNS要素が強かったGoogle+ですが、やはり同じ画像SNSだとユーザー間との絡みが少ないInstagramの方が使い勝手が良く気軽に投稿できるのだと思われます。

Google+はブランドページがそのままGoogleマイビジネスとも連結しているため、企業アカウントのサービスをすぐに打ち切ることはできないとは思いますが、個人アカウントの方は遅くとも2019年8月迄にはサービスを終了するとのことです。

サービス終了は低迷が原因ではない?

2019年8月迄には個人向けサービスを終了するというGoogle+。しかし、どうやらこれは低迷が原因では無さそうです。

GoogleではGoogle+のPeople APIのバグを発見しました。
<中略>
このバグは2018年3月に発見され、その後すぐに修正しました。これは、People APIのコード変更による副作用として発生したと考えられます。
Googleではプライバシー保護を第一にGoogle+を運用していたため、APIログデータは2週間までしか保存していません。つまり、このバグの影響が最終的にどれくらいにまで及んだかを確認する術はありません。ただ、その2週間のログデータ保存内においての分析を行った結果、最大で50万のユーザーアカウントの情報が流出している可能性があったと分かりました。私たちの分析によると、このPeople APIを使用しているアプリケーションは最大で438件にも及ぶ数だということが分かっています。私たちの調べでは、開発者も含めてこのバグを知っていた者やバグによる乱用、悪用があった形跡は見つかっていません。
<中略>
ユーザーへの機能移行のタイミングや方法を探るため、私たちは今後10ヶ月間のうちにこれらの不具合を徹底解消し、来年8月末までに完了させる予定です。ユーザーに対しては、今後数ヶ月に渡ってデータのダウンロードや移行方法等を順次案内していく予定です。

引用)The Keywordより抜粋・意訳

はい。Google+、やっちゃってました…。しかも3月に。Facebookもやらかしまくっていますが、Google+も個人情報の情報漏洩インシデントはあったわけです。そしてそれを半年以上も公表していませんでした。

グーグルは公表が遅れた理由について、情報が悪用された証拠がなかったことなどを挙げた。ただ、米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は8日、規制強化や企業イメージへの打撃を回避するため事実を隠蔽していたと報じた。

引用)共同通信

Facebookは何かインシデントがあれば極力すぐに公表するようにしています。インシデントの数が多すぎるのが問題ですが、それでも善後策としては懸命な企業努力が見受けられます。しかし、今回のGoogle+におけるGoogleの対応はあまりにもお粗末な気がします。どんな理由であれ、公表を遅らせればその分世間からの疑いの目は避けられません。しかも今年の3月といえばDeleteFacebook運動の真っ只中…そりゃあ常識的に考えてもGoogleのあざとさと疑わざるを得ませんよね。

後味が悪い…

通常、シナジー戦略を行っている企業であれば、たとえイチサービスであっても「低迷」が理由でサービスを終了するという言葉を避けたいはずです。それでも主な理由を「低迷」としているのは、「低迷」をスケープゴートにしたい感が見え見えです。「Google+終わります!低迷が理由だからです!…まぁ、情報流出の疑いもあるし…ボソッ」って感じでしょうか。

The Wall Street Journalは、Googleのブログ記事と同じタイミングで記事を掲載し、このAPIのバグはブログに記載されているよりもはるかに深刻なものだったと指摘した。2015年からユーザーデータが流出していた可能性があるにもかかわらず、Googleのエンジニアがようやくこれを発見したのは、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)の施行に備えて、プライバシーの漏えいがないかGoogleのサイトを調査し始めたときだったという。この記事では、Googleが、「規制当局に直ちに目を付けられる」ことを恐れて問題を公表せずに隠ぺいしたとも伝えている。

引用)CNET Japan

それでも、恐らくこの問題は(実際にアクシデントが起こらない限り)これ以上騒ぎが大きくなることは無いでしょう。憶測をスキャンダラスにメディアが取り上げて終わりです。そういう意味ではGoogle側としては「してやったり」なのかもしれません。

いずれにしても、Google+はあっけなく…そしてはかなく散っていくことになりそうです。変なインシデントが付帯したせいでGoogleの黒歴史として葬られていくでしょう。ずっと傾注してきた私としては悲しいですが…。

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