MetaがAI「Llama 2」を発表

米国現地時間7月18日、Metaは次世代のオープンソース大規模言語モデル「Llama 2」の提供開始を発表しました(読み方は「ラマツー」で良いと思います)。満を持して…というよりも、AIビジネスにおける生き残りをかけて…というイメージの方が強い印象です。といいますのも、既に発表と同時にMicrosoftと組むことを発表しているからです。Microsoftといえば、OpenAI社に資本算入しているGPTがありますよね。このLlama 2もGPTやGoogleのPaLM 2と同じLLM(大規模言語モデル)の生成AIであり、そういう意味では競合する事業です。また、Llama 2はWindows搭載を主旨としており、今後はVRやARとLlama 2の連携強化も考えているようで…楽しみなLLMのひとつです。

Llama 2とは

というわけで、Llama 2を軽く紐解いていきます。もともとMetaもAI事業に注力しており、Llama 1は出来上がっていましたが、それをさらに強化したLlama 2ができたとのことです。このLlama 2を普及させるための最大の特徴は、研究利用や商用利用を無償化しているという点にあります。
 

Metaは10年以上に渡り、探索的研究、オープンソース、学術界や産業界のパートナーとのコラボレーションをAIへの取り組みの中心に据えてきました。私たちは、オープンな場でのイノベーションが、より多くの人々に利益をもたらすテクノロジーにつながることを目の当たりにしてきました。大規模な言語モデルはすでに何十種類もリリースされ、開発者や研究者の進歩を牽引しています。それらは、AIを活用した新しい生成的な体験を導く中核要素として企業に利用されています。研究者からのLlama 1に対する高い需要(大規模言語モデルの利用を求めるリクエストが10万件以上)を有するとともに、Llamaを用いて卓越した功績が達成されました。

引用)Metaについてより一部

 

また、Llama 2はMicrosoft Azureというクラウドサービスを利用して開発する人にとって設計しやすく、Windowsでのローカル動作にも最適化されているとのことです。しかもAWS等のプロバイダとも連携しているので、開発者にとってはこのLlama 2を使って諸々開発するのが楽で積極利用しやすい仕様となっています。
 

MetaはLlama 2の優先パートナーとしてマイクロソフトとのパートナーシップを一段引き上げ、生成AIにおける取り組みを拡大します。本日より、Llama 2はAzure AIモデルカタログで利用できるようになり、Microsoft Azureを使用する開発者はLlama 2を使って設計し、コンテンツフィルタリングや安全機能のためのクラウドネイティブツールを活用できます。また、Llama 2はWindows上でのローカル動作に最適化されているため、開発者は、顧客がさまざまなプラットフォームで生成AI体験を享受できるようにするシームレスなワークフローを実現できます。またLlama 2はAmazon Web Services(AWS)やHugging Face、その他のプロバイダーでもご利用いただけます。

引用)Metaについてより一部

 

Llama 2ができることは、文章生成やヘルプ、検索エンジン機能、翻訳など、各種生成AIと同じですので、今後Microsoftとの取り組み次第では、GPTではなく、Windowsパソコンに標準搭載されるAIになるかもしれませんね。そうなればGPTはBingとの取り組みに特化していくのかもしれませんが、これは私の100%憶測なので正確な方向性は分かりません。

利用とこれから

すでにこちらのLlama 2サイトから無償でモデルデータのダウンロードが可能で、フォームから、名前とメールアドレス、国名などを入力後、Meta側から送られてくるURLからLlama 2のデータをダウンロードできるという仕組みです。日本語対応はまだまだ弱そうですので、これからに期待って感じかもしれません。
 

『Llama 2(ラマツー)』が日本語にも対応しているかは気になる所ですが、現状、Llama 2(ラマツー)が学習した言語データ分布を見ると、日本語比率は0.1%に留まるので、日本語は得意ではないという印象です。今後に期待しましょう。

引用)みんなのらくらくマガジン

 

今後の倫理的な部分に関しては、Metaでは“責任への焦点”と称して、社内外が注力しレッドチーム(安全性のテスト)による演習、モデルのチューニングと評価方法を透明化、責任ガイドポリシーの作成、Llama 2活用の先駆者向けのコミュニティ学習チャレンジ・プログラム学者向けパートナーシップ・プログラム等、あらゆるプロジェクトやドキュメントを策定しています。準備万端って感じですね。

AI市場における普及競争

今回のLlama 2をもってしても、GPTやLamda等の生成AIと明確な機能の違いはありません。精度の違いやビッグデータ処理能力の違いだけが勝負になるでしょう。そうなると、よりビッグデータをインプット、アウトプットできるか、が重要になるわけで、そのためにも普及活動が最重要課題となります。普及されればされるほど、利用者が増え、アウトプットだけでなくインプットが増えます。結果的に開発能力と人材が強化され、勝ち組として加速化するというわけです。

世界的な企業であるGAFAMの中でどれだけ連携できるか、どれだけ先んじれるかが焦点になりますので、私たち利用者側はそれを生温かい目で見守るのみとなっているのでございます(笑)。みんな頑張れー!

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