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インターネットはレピュテーションが大事

マーケティングという言い方がどうしても深すぎて言葉として抵抗を感じる私ですが(それでもこのブログでGナビに使用していますがww)、私は「マーケティングとは、要はどういうこと?」と訊かれれば「マーケティングは“仕組み”、販促プロモーションとは仕組みを知って“仕掛け”を作ること」と答えるようにしています。そんな私が考えるレピュテーションマーケティングについてふわふわっと持論を書いてみたいと思います。

評判

“仕組み”とする意図

例えば、缶コーヒーや映画のDVDなんかをプロモートする時、もちろんエンドユーザーに向けた宣伝プロモーションを行います。TVCM、新聞、雑誌、ラジオ、インターネット、OOH等、実施することは予算に合わせて様々あると思います。でも、結局大事なのはいわゆる“棚取り”です。エンドユーザーがどんなに缶コーヒーを飲みたくても、DVDを借りたくても、コンビニやレンタルDVDショップに行った時、その場に商品が無かったら手にできません。逆に申しますと、事前情報が一切なくても、店頭に商品があれば手にしたり購入したりすることだってあるのです。つまり、いかに店舗に扱ってもらうかが重要になります。

そして、店舗にはバイヤーと呼ばれる方々がいて、その商品をどのくらいの量で仕入れれば(取り扱う、買い取る)店舗の売上を最大化できるかというのを毎回予測、仮説立てするわけです。もちろん、現場レベルで店舗の取扱商品を決めるのがバイヤーなので、バイヤーの責任も重大です。

そんなバイヤーに商品を取り扱ってもらうよう、メーカーの営業が努めます。「今回のうちのこの新商品は来期に3000GRPのTVCMを投下しつつ、これだけの宣伝・パブリシティ戦略を行っていきます」というプロモーションシートを掲げ、より多くの商品数を仕入れてもらうよう営業します。バイヤー側は「そこまで認知と登場感を演出されるなら、じゃあ○○個発注しようか」という流れに(簡単に言いますと)なってくるわけです。コンビニ(CVS)に至っては、ひとつの缶コーヒーが1週間で50~70個売れないと、その商品は棚落ち(店頭の陳列から外される)と言われています。また、陳列する場所もどのくらい目立つところに、どのくらい置かれるのか等、私たちが普段何気なく目にしているところで大変な凌ぎ合いが展開されているわけです。

マーケティングミックス
 
私は以前、映画DVDの販促プロモーションや制作、バイヤーへの営業用資料を作成したりしておりましたので、こんな仕組みを理解していました。そんな私に言わせれば、DVDショップへの営業のための宣伝プロモーション施策となっているタイトル(作品)も少なくなく、エンドユーザーへの接点は店頭に強く依存しているケースもありました。「エンドユーザーとのコミュニケーションや市場を捉えていないのに、それがマーケティングなのか!?」という考えもあると思いますが、「店頭での接点をしっかりと強くするためのマーケティング活動の一種です」という考えだってあるのです。いわゆる仕組みを捉えた仕掛け作りですよね。

だから私はマーケティングを一言でいうと“仕組み”なのではないかと考えるわけです。

インターネットでの“仕組み”とは?

では、店頭に依存しなくてもインターネット上で全て完結するサービスの場合は、どこを視野に入れなければならないのか。私は、店舗でいうところの“棚取り”という位置付けは、インターネットにおける“レピュテーション(評判)”なのではないかと考えているのです。
インターネットによるユーザーの動態心理を、私は以下のように捉えています。

  • Search(検索)
  • Attention(気付き)
  • Search(検索)
  • Interest(興味)
  • Comparison(比較)
  • Examination(検討)
  • Action(行動)
  • Sympathy(共感)

 
(最近の私の考えではSearchがちょいちょい色々なところに出てくるのですが)上記のあらゆる心理段階で登場してくるのがReputation(評判)です。評判というもの自体は動態ではないので、上記のプロセスに組み込むわけにはいきませんが、上記の各段階でReputation(評判)が機能してくることは容易に理解できると思います。いわゆる口コミです。

もっと言えば、口コミだけでサービスの気付きを得て、口コミだけで商品を購入したり何かをアクションするユーザーだって多数いるのです。だからこそ私は、インターネットの口コミこそ、店頭でいうところの棚取りにもっとも近いのではないかと思うわけです。ECサイトであればAmazonだってヤフオク!だって商品や出品者の評価欄もありますし、どんな企業もサービスも「○○ 評判」等と検索すれば、誰でも様々な第3者の意見を確認することができます。

レピュテーションとは

インターネットにおいては「検索した時に変な口コミサイトが上位表示されていることによる風評被害を避けたい」「SEOに有利だから」等、動機は様々あるかと思いますが、それでも評判作りのための施策や仮説、プロモーションは非常に重要だと思います。

実際に評判を良くするためには商品やサービス自体を良くしていかなければなりませんし、それ以外でもアフターケア、コミュニケーションスピード(フットワーク)等、いわゆる4P(Product、Price、Place、Promotion)の検証やPDCAを行っていかなければなりません。

そうした事業自体の品質向上を前提とした上で、「ではインターネット上のコミュニケーション(コンテンツ)をどう有益にしていこうか」という、“付加価値戦略”を練らなければならないと思います。ちなみにここでいう付加価値とは、サービスや事業を取り巻くコンテンツやユーザーコミュニケーション上のプラスアルファの価値として考えています。

この付加価値がユーザーの評判や口コミを生み、リンクを多く受け、ユーザーとの接触機会向上と行動意欲向上を生み出すのです。

 

接触機会向上

ユーザーに対して、一般的生活や一般的概念を革新する程の新しい情報や驚きの情報、「なるほど!」と思わせる情報はリンクされ、共有されていきます。Facebookを行っていると、友達のいいね!やシェアした情報の中に、よく「なるほど!」と思う情報があったりします。こうした情報は技術的や物理的に奇を衒ったコンテンツでもなんでもなく、単純に読みやすいテキストで情報が記載されているだけです。結局、情報の中身自体が面白く有益な内容であれば、それだけで情報は拡散され、結果的に企業やサービス、事業とユーザーとの接触機会が増えていくのだと思います。

 

購買意欲向上

上記の接触機会向上によって、ユーザーからの気付きを受けたら、いよいよ情報発信側のサイトの使いやすさやサービスを充分に理解してもらい、それを経験してもらいたいと思うはずです。経験をしてもらうための分かりやすい伝え方や優位性をしっかり伝えなければならないでしょう。

そしてサービスを経験してもらったら、後は評価を待つのみです。どんなにサービスの品質向上を行ったつもりでも、必ず悪い評価はあったりします。(そういうのはユーザー側にも問題があったりしますが)悪い評価を真摯に受け止め、すぐに善後策を協議・実施し、その対処に絶対の自信があれば、悪い評価欄に「改善しました」という返答をするくらいの追求と度量を持つと良いでしょう。

こうしたPDCAを何ヶ月、何年も続けていくことで評価が改善され、新規ユーザーの購買意欲を向上していくものだと私は考えています。

レピュテーションがサイト全体を最適化する

こうして話していくと、結局「良い評価を受けるために施策していく1つ1つがSEOやガバナンス、使い勝手等、サイト全体を良くしていくことに繋がるのではないか」と思うかもしれません。全くもってその通りです(笑)。

なので、極論すると「SEO施策なんて要らない」という人がいるのも分かる気がします。目的をどこにもっていくのかというだけの話です。検索順位向上?外部リンクビルディング?ノン!ノン!ユーザー満足度!(笑)。

私が、インターネットはレピュテーションが大事というのはこういうところにもあるわけで、SEOではなく、ユーザー満足度の向上のためにもサイトの最適化は重要なのでございます。

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