EU圏内でGoogle仕様の変更

ヨーロッパの話です。ヨーロッパの動きが日本に影響するかは分かりませんが、一応ご紹介します。EUのデジタル市場法によって、Googleを含むIT大手企業に課された義務に合わせ、Googleが持つあらゆるプロダクトの仕様や機能が一部変更されるようです。その中でGoogle検索における表示や検索ランキングシステムにも変更があります。
Googleの検索ランキングシステムにおける根本は世界共通でしたが、それが少し違ってくるのではないかと考えられます。そんな話を米国現地時間1月17日のThe KeywordにてGoogleが途中報告してくれていますので和訳してご紹介します。

Googleからの発表内容

DMAの施行に伴うGoogleの仕様変更の中で、検索結果表示に関する仕様変更もあります。具体的には、検索結果上位に特定のサービスがあることで消費者の選択肢の公平性を防ぐことを目的とし、比較サイトを優先表示する働きに変更するようです。それ以外にもGoogleフライト枠の表示をやめる等もあるようです。
Google検索以外のサービスに関する情報でもありますので、このブログではSEOカテゴリ外にしています。

DMAへの準備に関する最新情報

欧州連合(EU)は昨年、デジタル市場法(DMA)と呼ばれる新しい規制を制定し、“門番”として指定された企業に適用されることになります。この新しい規則は3月に施行されるため、私たちはその準備として、Google製品に多くの変更を加えテストを開始しました。ヨーロッパの人々や企業は、今後数週間のうちにGoogle各製品における変更を目にすることになるでしょう。
以下のような変更をテストしながら展開していくため、Google製品の一部の見た目や動作が変わる可能性があります。以下例です:

  • リンク先のサービスに関する追加の同意:現在、ユーザーの設定に応じて、コンテンツや広告のパーソナライズを支援するなど、特定の目的のためにGoogleの一部の製品やサービス間でデータを共有しています。今後数週間にわたり、Googleは欧州のユーザーに追加の同意バナーを提示し、一部のサービスがこれらの目的でデータを共有し続けるかを確認する予定です。サービスがリンクされていない場合、一部の機能が制限されたり、利用できなくなったりする可能性があります。ユーザーは、Googleアカウントの設定でいつでも選択を変更できます。
     

  • 検索結果の変更:Googleでは、ユーザーがホテルやショッピングなど何かを検索しているときに、検索結果の一部として写真や価格など、必要なものを見つけるのに役立つ情報を表示することがあります。これは、ホテルやレストランのような単一のビジネスに対する検索結果の一部であることもあれば、関連する検索結果の特集グループであることもあります。ヨーロッパ圏内では今後数週間にわたり、検索結果に対する様々な変更のテストを拡大する予定です。Web全体からの比較サイトへのリンクグループを含む専用ユニットや、検索ページの上部にあるクエリショートカットなどを導入し、比較サイトだけに結果を絞るなど、検索の絞り込みを支援する予定です。また、ホテルなどのカテゴリについては、比較サイトや直接の売り手専用のスペースを設け、画像や星の評価など、より詳細な個別の結果を表示するテストを開始する予定です。これらの変更により、Googleフライト枠の表示など一部の機能が検索結果から削除されます。
     

  • 選択画面Android端末をご利用の場合、デフォルトの検索エンジンやブラウザを簡単に切り替えることができます。DMA下では、Googleや他の門番指定企業は、追加の選択画面を表示する義務が生じます。Android端末ではセットアップ時に、デスクトップやiOS端末ではChromeアプリ起動時に、表示されます。
     

  • データポータビリティ:10年以上に渡り、80以上のGoogle製品からデータのコピーをダウンロードまたは転送する機能をユーザーに提供してきました。Googleでは、Google Takeout、Data Transfer Initiative、およびデータポータビリティの拡大に向けた投資を続けています。サードパーティのアプリやサービスへのデータ移行に関する新しい要件に対応すべく、開発者向けのデータポータビリティAPIをまもなくテストする予定です。

 

ここ数ヶ月間、Googleは欧州委員会や開発者、広告主、そしてその影響を受ける企業などの利害関係者から、Googleの仕様変更に関するフィードバックを受けて進めてきました。我々は消費者の選択権と相互運用性に関するDMAの信条の多くに賛成していますが、新しい規則には難しいトレードオフも含まれており、これらの規則の一部が欧州の人々や企業が利用できる選択肢を制限するのではないかという懸念もあります。
今回は、現在進行中のプロセスの状況報告です。3月の期限に先立ち、新しい規則を遵守するために行っている最終的な変更に向けて、今後も詳細をお伝えしていきます。

引用)The Keywordより和訳

 

ちなみに、EUが門番(Gatekeepers)と定めるのは、(Googleの)Alphabet, Amazon, Apple, ByteDance, Meta, Microsoftの6社で、世界的な巨大プラットフォームを持ち、ヨーロッパ圏内に様々なインプットやアウトプットをもたらす関所って感じですかね。

 

Google検索でいえば、今後ヨーロッパ圏内の検索結果では、比較サイト中心に“消費者の選ぶ権利”を優先できる検索結果を提供していくようです。GoogleはGoogleの検索結果からまた別のサイトの検索結果に流れるようなのを嫌いますし、Googleとしてはある意味自分たちがユーザーから比較サイトのような扱いをしてほしいと考えていたはずですので、かなり不本意なのでしょう。やはりEUからすれば、(どんなにGoogleが品行方正な目線をもっていても)民間企業の想いを国民生活の基盤にするわけにはいかないと考えているのかもしれませんね。

Webサイトのヨーロッパ進出を考えるなら

ECならではのデジタル市場法ですし、Googleも不本意であると思っていますので、アジア圏や日本では特別な何かが無い限り影響はないと思います。Google検索のランキングシステムがこれで世界的に変わるとかも無いですし。

ただし、これからWebサイトやWebサービスでヨーロッパ進出を考えている人にとっては要注意ですね。あと、今後の英SEOオフィスアワーがちょっと荒れそうです(笑)。

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