ARで絶滅危惧種の警鐘

Googleの検索で行う3D表示というAR機能を使って、スウェーデンの絶滅危惧種の保護について啓蒙している件について、GoogleがThe Keywordで案内していました。これもSDGsの一環だろうと思い、またこういうサービス機能もGoogleならではの素敵な試みかなと思いご紹介させていただきます。

デバイス群

The Keywordの記事

Googleに新機能が増えたという話ではなく、Googleの従来の機能に新しい要素が追加された、程度の話です。でも社会貢献に向けた活動として素晴らしい視座とアイデアだと思いましたのでご紹介します。

スウェーデンの絶滅危惧種の動物にARで新たな命を吹き込む

国連によると、人類史上最も多くの動植物が絶滅の危機に瀕しており、その数は全世界で約100万種にのぼると言われています。加速する絶滅の危機は喫緊の課題であり、今週開催される国連生物多様性会議では、世界各国の代表者がWeb会議で集合し、絶滅の危機に瀕した生態系をいかに保護するか議論していく予定です。
IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストによると、ヘラジカ、クマ、トナカイ、クズリなど、北半球を代表する野生動物の多くが生息するスウェーデンには、現在2,249種の絶滅危惧種が存在しています。しかし、Kantar Sifo社の最近の調査結果によると、スウェーデン人の30%が現在スウェーデンで絶滅の危機に瀕している動物がいることを信じていない、またはその状況について知らないと回答しています。
 

3Dで見る5つの絶滅危惧種

本日、スウェーデン自然保護協会の協力を得て、絶滅の危機にある動物への関心を高めるために、スウェーデンの絶滅危惧種の5種を新たに検索でAR表示できるようにしました。Googleアプリでオオヤマネコ、ホッキョクギツネ、キツツキ、ネズミイルカ、マルハナバチを検索して「3D表示」をタップするだけで、世界中の人々が動きや音のある等身大の動物を間近で見ることができるようになります。

スウェーデン自然保護協会の専門家によると、IUCNのレッドリストに基づき、国内で絶滅の危機に瀕している理由や、特定の種類の生息地との関連性などを加味し、多様な種の動物を認定したそうです。キツツキと(バルト海に生息する)ネズミイルカは“危機的”な絶滅危惧種であり、それぞれの種の個体数はわずかしか残っていません。また、ホッキョクギツネは個体数の減少により「絶滅危惧種」、オオヤマネコとコケハナバチは「脆弱種」とされており、これらの種が野生で繁殖し続けるためには、自然の生息地を保護する必要があります。これらの動物は北欧以外の地域にも生息しており、その脅威レベルは「なし」から「緊急」まで様々です。
 

絶滅危惧種となった理由

  • キツツキは伐採の影響が原因
  • ネズミイルカは有害物質や騒音の影響が原因
  • ホッキョクギツネは、気候変動により生息地が危険に晒されていることが原因
  • オオヤマネコは、交通や違法な狩猟の影響を受けていることが原因
  • マルハナバチは花の数が減少していることが原因

 

絶滅危惧種の動物を保護するためには、複雑に絡み合う要素を解決していかなければならず、様々な人が団結して行動することが必要です。つまりどんな人でも何かしらの行動を起こすことができますし、この新しい検索体験を提供することで、スウェーデン内外の人々が眼前の問題をより深く知り、自然に愛されている生き物たちを間近で体験できるようにしたいと考えています。
ホッキョクギツネと一緒に写真を撮りたい人も、家族にマルハナバチについて教えたい人も、#Google3Dの動物たちは、今日からGoogle検索で誰でも見ることができます。

引用)The Keywordより和訳

3D表示は身近に感じるツールだからこそ

ARとは、拡張現実――つまり「そこに無いものを見せる」ものです。ひいては「遠いものを身近に感じる」ものです。著名なスポーツ選手のアクションを身近に感じるのも一興ですが、こうして見慣れない生き物や“対岸の火事”と思うような懸念に関しても充分働きかけることができるでしょう。世界的に全ての人が自由に身近に感じることで、絶滅危惧種に対する自然破壊の警鐘を鳴らすことができるわけですね。

ARを使ったホッキョクギツネのサンプル

こういう些細な追加要素でも世界的に啓蒙することで少しでも環境が変わると思えば、とても応援したくなりますし、資本主義国家で生まれたGoogleがこういった社会的活動を行っていることも私がGoogle好きな理由のひとつです。

ちなみに、日本におけるレッドリストに関しては、環境省のページに記載されています。相変わらず官公庁のサイトはどこに何の情報があるか分かりづらいですが…。

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