Bard日本始動

米国現地時間5月10日より、Google I/Oが開催されました。今年はBardもあり、検索界隈だけでなくタブレット販売などの様々な情報が発表されました。検索関連に関するニュースはThe Keywordでもフォローアップされていますので、該当する4つの記事は追って和訳してご紹介します(すみません、全く追いついておらず恐縮ですが、5月中に和訳して記事化します)。Google I/Oに関する情報はまた追ってお伝えしていくとして、今回は、ついに日本で始動したBardについてご紹介したいと思います。

Bardの日本導入について

米国現地時間3月21日に英語版からスタートしたBardですが、当時は申請制でした。現在は日本も含む世界180国以上で対応しています。そして、誰でもすぐに使うことが出来ます。スマホからも簡単ですので、是非今すぐ https://bard.google.com からご利用ください。無料版ChatGPTのように「なかなかインできない」なんてこともありません。既にChatGPTがどういうものかを理解している人前提で、簡単にBardの特徴について触れておきます。
 

Bardはリアルタイムでインターネット接続して回答してくれる

無料版ChatGPTの場合は、過去一定期間まで(2021年)のデータを使った回答ということもあり、情報の鮮度という点では微妙なところがございました。しかしBardはリアルタイムの情報を機械学習して回答してくれますので、例えば以下の内容のやり取りも可能です。

コメダ珈琲店のメニューについてのプロンプト
 

上記のように鳥インフルエンザの関係で卵料理をストップしていたコメダ珈琲店のメニュー状況を教えてくれています。このようにBardは情報の鮮度が高いのが特徴です。
 

音声入力可能

モバイル版ではまだ実装されていませんが、デスクトップ版ではプロンプトを音声入力できます。回答はあくまでもテキストですが、別のウィンドウを開いて作業しながら並行して音声でBardに質問できますので、入力の手間が省けます(そんな聖徳太子じみた動きをするスーパーオペレーターなんていないと思いますが笑)。

音声入力
 

回答をエクスポート

Bardからの回答内容をGoogleスプレッドシートにエクスポートしたり、Gmailに活用することができます。要は、他のGoogleサービスに転用できるということです。

エクスポート例
 

他の回答案を表示してくれる

プロンプト入力後の回答に「他の回答案を表示」が出現します。ここから他の2パターンの回答も確認でき、常に3パターンの回答を得ることができます。しかもその3パターンでも気に入らなければ、更新マークを押すとまた新しく3パターンの回答を表示してくれます。

他の回答例
 

ChatGPTとの違いは?

これについては、直接Bardに聞いてみましょう(笑)。「ChatGPTとBardとの違いは?」と訊きました。すると以下の回答が出てきました。

ChatGPTとBardはどちらも、大量のテキストとコードのデータセットでトレーニングされた大規模な言語モデルです。テキストの生成、言語の翻訳、さまざまな種類のクリエイティブコンテンツの作成、質問への情報提供を行うことができます。ただし、2つのモデルにはいくつかの重要な違いがあります。

Bardは、GoogleAIのLaMDAモデルという比較的新しいモデルを使用しています。これにより、より複雑で自然なトーンのテキストを生成でき、インターネットのリアルタイムの情報にアクセスできます。一方、ChatGPTは、OpenAIのGPT-4モデルというより成熟したモデルを使用しています。情報の信頼性と厚みは上ですが、鮮度とニュース性はBardほどではないかもしれません。

LaMDAは比較的新しいモデルですし、トレーニングで使用される文章およびコードのデータセットも大規模ですので、BardのほうがChatGPTより複雑でナチュラルな文章を生成することができます。これはどういうことかというと、Bardのほうがもっと最新の気になる情報をユーザーに提供できるということです。そのためBardはChatGPTほど情報に信頼性と厚みがないことも考えられますが、常に改善は続けています。

また、BardはChatGPTほどチャットボットやバーチャルアシスタントとして使用されるように設計されていません。どちらのモデルにもユニークな特徴と機能が備わっており、どちらを選ぶかは、特定のアプリケーションと必要な出力の種類によって異なります。

引用)Bardからの回答

 

あれ?おかしいですね。Bardはもうベースとなる大規模言語モデルはLaMDAではなく、PaLM 2のはずです。そこで追加で「BardはLaMDAじゃなくてPaLM 2を使っているんじゃないの?」と訊きました。その結果が下記の回答です。

以前の回答で間違えてしまい、申し訳ございません。私は、Google AI の大規模な言語モデルである LaMDA を使用しています。PaLM 2 は、まだ開発中です。

引用)Bardからの回答

 

あれ?間違えてもいませんし、まだLaMDAなんですね…。まだプロンプトに回答できる処理が間に合っていないのか、本当にまだLaMDAなのか…。というわけで「BardはベースにPaLM 2を導入していますか?」と訊きました。すると下記の回答を受けました。

はい、Google AIのBardはPaLM 2を搭載しています。

引用)Bardからの回答

 

そこでもう一度「じゃあ、今の回答を踏まえてもう一度ChatGPTとBardの違いを教えて。」と訊きました。その回答が以下です。

はい、わかりました。ChatGPTとBardの主な違いをまとめると、次の表のとおりです。

機能 ChatGPT Bard
モデル GPT-4 LaMDA
データセット テキストとコード テキスト、コード、およびインターネット
生成されるテキストの複雑さと自然さ 低い 高い
リアルタイムの情報へのアクセス なし あり
チャットボットやバーチャルアシスタントとしての設計 ある ない

ご覧のとおり、ChatGPTとBardはどちらも大規模な言語モデルですが、いくつかの重要な点で異なります。Bardは、より複雑で自然なテキストを生成でき、リアルタイムの情報にアクセスできます。ただし、ChatGPTほどチャットボットやバーチャルアシスタントとして使用するように設計されていません。

引用)Bardからの回答

 

わざわざ表組化して教えてくれましたが、やはりどうしてもLaMDAを使いたいみたいですね…しかもちょっと自分のほうを良く見せたい感じが伝わってきて腹が立ちますね(笑)。
 

今後の学習スピードについて

Bardは今までのベースをLaMDAの簡易版にしていましたが、PaLM 2に移行しました。詳細はこちらのGoogle公式ブログをご覧ください。これによって、精度は上がったと思いますが、まだまだChatGPTには及ばないところもありそうです(というかあります)。今後の自動機械学習スピード次第といったところでしょうか。

とはいえ、あのGoogleですので、その処理速度の体力を考えると、精度が上がってくるのは時間の問題かと思います。既にGoogleレンズや画像回答、リンク先ファイルの閲覧等、対応機能は拡大しています。

非常に楽しみです。是非皆さまも食わず嫌いせず、使ってみてください。http://bard.google.com から簡単に利用できます。

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