2045年問題

先日、レンタルDVDで『トランセンデンス』という映画を観ました。ネタバレしない程度にストーリーをお話しますと、人工知能計画を開発していたジョニー・デップ演じる男性が、反テクノロジー過激派組織に銃撃され亡くなります。その亡くなる直前に男性の奥さんが、男性の性格や知識、いわゆる脳をスーパーコンピュータにアップロードするという話です。アップロードに成功したスーパーコンピュータとその反テクノロジー過激派組織との戦いと道徳心の葛藤を描写した映画となっています。

コンピュータ

2045年問題

2045年問題とは、ムーアの法則に基づき、今からコンピュータのチップセット性能の向上率を計算していった結果、コンピュータの性能が人間の脳を超えるのが2045年になるという予測をした問題です。
前述の『トランセンデンス』という映画を観た時、私は真っ先にこのことが頭に浮かびました。最悪の事態を想定するとまさに『ターミネーター』の世界ですね。

人間が人間たる意義を考えた上で正しくコンピュータと向き合うことは大事だと思いますが、個々によって解釈は異なるため、どちらも起こりえないとは言い難い映画だと思います。

2045年問題

Googleがロボットに性格を植え付けられるシステムの米国特許取得

さて、そんな矢先に先日「故人を再生できる性格ダウンロード技術」のニュースがありました。文章を引用すると以下の通りです。

人格データをクラウドからダウンロードしてロボットに吹き込むことによって、亡くなった親族や有名人の「性格」を持つロボットが身近な存在になる-。米IT大手グーグルが、ロボットに特定の性格などを植え付けられるシステムの米国特許を取得したことが4日、分かった。グーグルはさまざまな活用法を想定し、「実社会に多大な恩恵をもたらす画期的システム」と自賛しているが、一部のメディアは、人間の能力を超える人工知能(AI)を備えたロボット(コンピューター)の出現が人類に災禍を及ぼすとする「2045年問題」への第一歩だと警鐘を鳴らしている。
米メディアによると、特許は2012年4月に出願され、3月31日に登録された。性格の作成方法は明らかになっていないが、人間の意識の正体やメカニズムはまだ医学的にも解明されていないことから、動画や音声などのデータを解析して、パターン分類的に特徴を抽出する方法などが取られているとみられる。

 
ついにGoogleはウェアラブル端末や自動運転機能の車等だけではなく、コンピュータに人格をもたらす開発も始動しているようです。「世界征服でも目論んでいるのか」と疑念を抱く方もいるといらっしゃると思います。実際以下のように各々の考えも異なるようです。

こうしたカーツワイル氏の「2045年問題」の指摘には、米マイクロソフト創業者で元会長のビル・ゲイツ氏(59)や、米スペースXとテスラ・モーターズの最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏(43)らも、賛同している。だが、グーグルのエリック・シュミット会長(59)は「『2045年問題』の指摘は誤りだ。優れた人工知能のロボットは、人類にユートピアをもたらす。ディストピア(暗黒社会)ではない」と真っ向から反論している。

 
Googleは以前、「個人所有の各端末のアカウント状況から紐づけることで、デバイスを跨いだターゲティングができるのではないか?それは個人情報への介入や倫理に反するような技術だ」と指摘されたことがあります。確かに特定の個人所有のPCでの閲覧状況をもとに、その個人のモバイルでターゲティングした情報を発信することは可能なはずです。しかしGoogleは「出来る技術はあるけど、そういうことはやらない」と明言しました。シュミット会長含め、Googleは極めて倫理的且つ人道的な企業なので確かに問題は起こりづらいとは思いますが、”できるけどやらない=やろうと思えばできる”という段階で、ちょっと気味悪がる人もいるでしょう。

今後どうなるのか?

今回、この記事をWORKSTYLEのコーナーで取り上げさせていただきましたが、要は“人工知能による社会貢献を追求”するのか“人間の尊厳と倫理観を尊重する”のか、ですね。科学をアグレッシブに捉えるか、コンサバティブに捉えるか…というと語弊があるかもしれませんが…。

禅問答のような話になりますし、どちらが正解なのかは2045年になってみないと分かりません。しかし、ちょうど良い機会ですので、コンピュータが目指すべき価値と人間性について考えてみるのも面白いかもしれませんね。私は正直まだよく分かりません(笑)。