• コンテンツは納品ではなく運用型へ

コンテンツは納品ではなく運用型へ

インハウスであれ、エージェントであれコンテンツを作成する業務はあるかと思います。コンテンツは何もテキストのことを指すだけではありません。デザインや動的コンテンツであってもコンテンツです。

コンテンツはアジャイル型思考へ

当然ですが、Webサイトにコンテンツをアップする場合は、ライティングやデザインを行い、コーディングしてファイルにすると思います。そしてそのページファイルはウォーターフォール型となって「はい、終わり」と一旦落ち着くでしょう。納品して終わる感じです。しかし、サイトオーナーや運用者はページファイルをひとつずつ納品していくあまり、Webサイト全体の情報設計(コンバージョンへの導線&ストーリー)が甘くなるだけでなく、一度作成したコンテンツを省みないケースが多いのではないでしょうか。

今のGoogle検索におけるアルゴリズムは日進月歩で改善されており、ランキングも一瞬で変動します。また、検索だけに限らず、ユーザーが情報を得ようとするWebサイト閲覧頻度に継ぎ目はありません。Googleによれば毎日の検索の15%は今までに無い新語とのことです。

それにも関わらず、情報を提供する側のコンテンツは一度納品&アップされたまま停滞していて良いのでしょうか。アップ後のGoogle検索におけるランキングやユーザーの滞在時間、離脱率、表示速度やCVRに合わせて常に以下のPDRを徹底する必要があると考えています。

  • 情報の流行要素(最新に更新)
  • 情報の新要素(それまで不足していた情報の追加)
  • 情報の再設計(ユーザーが次の行動を引き起こせるよう再設計)
  • 円滑な表示要素(表示スピードやページエクスペリエンスの最適化)

つまり、コンテンツはアジャイル型で対応していかなければ常に最適な情報提供をしていけるとは限らないのです。年単位でウォーターフォールにリニューアルしていては今の時代で価値は生き残らないのです。

どういう風に設計していけば良い?

では、Webサイト全体の情報設計(コンバージョンへの導線&ストーリー)を常時最適化し続け、一度作成したコンテンツを省みながら改善していくような…つまり、コンテンツを運用型にしていくにはどうしたら良いか。私が現時点で考えているのは以下の内容です。 

  • 恒久的にあるべき原理(マーケティングアプローチ)に則したサイト構造(ディレクトリ構造とある程度の内部リンク構造)を最初に徹底して構築する。
  • 常に更新できる工数と業務体制を敷いておく。
  • 世の中の変動や情報をキャッチしつつWebサイトのテキストをパトロールする人員の確保。
  • Webサイトのテキストを常時更新できる人員の確保。
  • 世の中の技術力をキャッチしつつサイトページに反映できるデザイナーとコーダーの人員確保。

最初の恒久的にあるべき原理に則したサイト構造というのは、そんなに難しくないです。真剣に考えればできます。3ヶ月くらいかけて「サイト構造マップ」を作りこみます(笑)。笑っていますが、本当本気です。とりあえずの情報でとりあえずの設計をするから、新サービスが出来たり新しい内容を考えた時に立ち行かなくなり、構造をリニューアルしなければならなくなるのです。この骨子をしっかり作成しておけば中期的には充分機能し続けられます。あとは体制と人員です。

もちろん人員もただの人員では意味が無く、世の中の変動や情報、技術力をキャッチして次の動きを計画立てられる人員でなければなりません。そういうエージェントやコンサルティングをするベンダー事業者はいますが、どうしても発注者と受注者が同じ熱量で接し続けていないと難しくなってしまいます。発注者は情熱と結果を求め、受注者は打算と工数で捉えてしまうからです。ですので、こういったコンテンツ関連でエージェントやコンサルティングを使う時は、個人能力やケーパビリティではなく、確実かつ物理的に改善されるスキームやシステムがあるか否かで判断すると良いでしょう。つまり、コンテンツを運用型にするには自分たちで行うか、その改善システムが物理的に明確化されている業者を利用するかになります。

コンテンツは生き物

結局、静的なコンテンツなんて無いですよね。常にコンテンツは改善されていくべきだと思います。Wikipediaがまさに体現されている良い例です。書籍辞典でさえ1年に1回更新されていますし、今の時代の情報提供型書籍は、同じ著者であろうがなかろうが、同じような内容で常時ポコポコ発刊されています。内容が更新されない書籍は、もはや書籍として芸術的な領域に達しているもの(絵本とか過去の偉人の○○論とか…)だけかと思います。

Webサイトであればなおのこと、常に自身の情報内容をパトロールして一定の品質を保守し続けることが重要でしょう。SEO云々だけではなく、是非ユーザーコミュニケーション上の必須要素として、“コンテンツを運用していく”という概念を捉えてみてはいかがでしょうか。

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