PDRがしっくりくる

先日、SEOや新規ビジネスを考えている中、「やっぱりPDCAだとうまくいかないなぁ」と思いまして…PDRにしてみたところうまく回りだしたので、そんなPDRをご紹介してみたいと思います。

PDRとは

PDRとは2011年頃にハーバードビジネススクール(HBS)のLinda Annette Hill女史が考案したフレームワークで、Prep(準備)-Do(実行)-Review(再考)のサイクルを繰り返すマネジメント手法です。これ、あんまり馴染みがない人も多いかもしれませんし、一般的にはPDCAサイクルのほうが有名ですが、これからの時代においてはPDRが主流になってくるような気がしています。

PDCAは、Plan(計画)-Do(実行)-Check(検証)-Act(改善)というサイクルですが、これは製品開発工程等において考えられるフレームワークであって、「Do」の後の「Act」まで長期的な考察期間がある場合に機能する手法です。また、管理職でプレイヤーではない業務に就く人が俯瞰的に考察するサイクルとしては良いと思います。

しかし、昨今のビジネス形態においては、IT化の加速によって、断続的なサービス提供やプロモーションを行うビジネスのほうが多くなってきています。身近なところではSEOやサブスクリプションビジネスモデル等です。家庭用ゲームソフトだって最近はアップデートという形でユーザービリティが改善されたりしています。こうしたビジネスにおいては、「Plan」中でも「Check」中でも常にサービスやプロモーション等のいわゆるアウトプットが継続的に成されており、PDCAを回している余裕もなかったりします。

そこで、PDRのフレームワークの出番です。PDRのサイクルと言っても私のイメージとしては下図のほうがしっくりきます。

PDRサイクル

「これやろう」と考えたら、「準備」して「実行」して、どうだったかレビューする感じです。レビュー結果が次の「準備」に繋がる場合もありますが、本来やるべきタスクをリスト化して、それぞれ「実行」していくので、「実行」した結果の状況に応じて常時変化させていく進め方が良いと思います。こちらのほうが高速且つシームレスに検証を繰り返すので、「改善を積み上げていく」という点においてはまさに今風のビジネスにしっくりくる考え方なのではないでしょうか。

「考えなしにやろうとするな!」という意見もあるかもしれません。でもPDRにおいても「考え」があるわけで、「極力失敗できないビジネス」というよりも「改善を常に繰り返せるビジネス」においては、これくらいの「考え」で十分だと思うのです。実際にウォーターフォール型の進め方であれば、OODA(ウーダ:Observe-Orient-Decide-Act)のように「よく見て、狙いを定めて、決めて、仕留める」という慎重且つ大胆なフレームワークも大切でしょうし、前述のPDCAを回しやすいかもしれません。しかし、それらは一度手を離れたサービスやプロモーションにおいて成立しやすいフレームワークなのです。

手離れが悪く、いつでもどこでも変化できる昨今のビジネスにおいてはPDRのほうが適切なフレームワークであると私は考えています。

古い新しいではなくビジネスに合わせた使い方

「PDCAはもう古い!」という人もいますが、私は古いとか新しいとかではないと考えています。今でも統計的な製品開発においてはPDCAがしっくりきますし、実業務に携わっていない管理職の人が客観的にPDCAを回してくれることはありがたいでしょう。また、1年に1回振り返る際等においては便利な考え方だと思います。

あくまでもPDRはシームレスなビジネス形態に向いていると思うだけであって…そして、IT進歩によってシームレスなビジネスが増加したからであって…需要性の問題ですかね。

ただ、「こんな仮説では賛同は得られないかなぁ」と躊躇してPDCAを回せないくらいなら、とっととPDRリストを使ってマネジメントをしていくことで、高速改善を目指したほうが絶対に良いと思います。

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