相手に何をもたらすかを考える

最近、業務でも面接でもプライベートな会話でも、様々なシチュエーションで「自分のトーク内容に聞き手側を合わせようとする」話し方が増えてきている印象です。コミュニケーションの取り方や自己主張の問題なのかもしれませんが、ふわふわっと戯言を並べてみたいと思います。

ゲーマドライバー

話し手の立場を考える

私は、昔よく転職しようとしている後輩達に履歴書や職務経歴書、面接時の心得等を教えたりしていました。その際、最も気を付けて説明していたのは、自己PRや志望動機に関しても「私は〇〇な人間です。」という伝え方をするな、ということです。

「私は〇〇な人間です。」と言われても、興味の無い聞き手としては「だから?」「で?」という感想しか残りません。興味のある聞き手であれば「〇〇な人間なら、当社の△△な仕事のところで機能させることが出来るだろうか。」という風に考えをめぐらせてくれるかもしれませんが、それも聞き手の感情次第になってしまいます。

つまり、聞き手側が話し手の内容を噛み砕き、自分を話し手側に置き換えて聞くようにしなければならず、“合わせる”というワンアクションを挟まなければ理解できなくなるわけです。この時点で、話し手側としては自分を理解してもらうのに不利なところからスタートさせなければなりません。場合によっては聞き手側に不快に思われることだってあります。

スピーチ型トーク

そこで、話し手側の立ち位置を替えます。「私の〇〇なところは、御社の△△なところで充分にお役立ちできると考えています。」というように、聞き手側を主語にするような言い方で伝えるようにするわけです。

そうすると、聞き手側はそのまま理解できるので、余計な思考をめぐらせなくても素直に理解できるわけです。話し手側としても余計な詮索をされず、本当に伝えたい本質を理解してもらいやすくなります。

会話型トーク

聞き手はすぐに理解しやすいわけですから、(先ほどの無駄なワンアクション分の思考体力で)次のステップのことを考えられるようになります。「当社の△△なところは…」というように返しやすくなります。ですので、実際に面接時でも会話になりやすいわけです。

よく、営業トークでも面接でも「会話型で接しろ」等と言われたりしますが、まさに話し手の立ち位置ひとつで達成できてしまうのです。

聞き手の立場を考える

ただ、注意点もあります。先ほどの「私の〇〇なところは、御社の△△なところで充分にお役立ちできると考えています。」という「御社の△△なところ」が見当違いも甚だしい内容だったらアウトですよね(笑)。

だからこそ事前の勉強も大事なのです。これは面接前の志望動機に伴う会社勉強も勿論ですし、商談ともなれば相手の会社の事業内容やサービス内容、長所短所もしっかりと自分なりに理解しておく必要があります。そこまですれば、事前勉強によって得た知識が多少ずれていても相手側は怒ったりしないはずです。

聞き手側のことを勉強した上で、聞き手側に立って話す内容は、必ず聞き手側に受け入れられるでしょう。

普段から行うこと

回りくどい言い方をしてきたかもしれませんが、要は自分の伝えたい内容が相手に何をもたらすかを明確化するということです。私が知る限り、営業数字を上げる社員や聞き心地の良い人は皆さんこれが出来ていると思います。

逆にこれが出来ていない人に対しては「何が言いたいの?」「その話いつ終わるの?」「へぇ、凄いね。」という感想しか浮かばないケースが多いです。

自己中心的に話す人だから、とか、語彙力がない人だから、とかは関係ありません。単純に相手に興味を持ってもらうための話し方や、理解してもらおうとする努力が欠落しているだけだと思います。

思い当たる節がある人はプライベートの会話から意識し、仕事中は特にこのことを考えながらコミュニケーションを取ることをオススメします。

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