• お互いの健全な精神衛生管理とは

お互いの健全な精神衛生管理とは

最近、色々な会社の方々や経営者、管理者と話をしている中で、個人的に思うことがあります。働き方について敏感になりすぎと言いますか…労働者への過度な救いが、経営を圧迫することに繋がらないか心配になったりします。そこで今回は個人的な意見をふわふわっと書き連ねてみたいと思います。まぁ、10人いて10人が賛成する働き方なんて無いと思いますので、これは飽くまでも私個人の意見としてです。

バランスの妙

例えば、雇用者や管理者、メンターが労働者に対して「会社に何か不満や不安はありますか?」と聞くことがあると思います。これはストレスチェック制度の義務化も含め、大切な施策ですし、この実施やコミュニケーションに関しては、私も大いに賛成です。雇用者側と労働者側の精神衛生上においても、こうした確認を定期的に行うことで、雇用者と労働者間での見解のズレを未然に防ぐこともできます。たとえ形式的であっても自由に意見を言える機会ということで、行ったほうが良いでしょう。

しかし、雇用者と労働者、上司と部下、同僚間において、一切不満が無いなんていうことは殆ど存在しないはずです。必ず何かしらの懸念はあるはずです。様々な人が属する社会にいるわけですから、ウマの合う合わないもあると思いますし、そういうのも全て合わせて多少不満はあると思います。
重要なのは、その不満がどこまで大きいものなのかを確認することです。どこまで改善を望んでいて、どこまでは甘受できるのかをお互いが見極めるべきです。忖度ですね(笑)。

つまり、「どこか身体の痛いところはありますか?」と訊いた時、「いや、特に…」と労働者が答えたとします。
しかし、それは単に言いづらいだけなのではないかと推察し、「いえいえ、何かしらあると思います。些細な事でも結構です。何かあるでしょう。何ですか?」等と訊いてしまえば、相手は「あぁ、じゃあ…座る時に多少腰が痛いような…」と答えるでしょう。
それを受けて「腰が痛いんですね!!分かりました!」と言って、慌てふためき、過剰にケアをするのもどうかという話です。この敏感すぎる対応がお互いの成長を妨げたり、余計な工数に繋がったりすることもあると思うのです。

さらにその労働者が「先日、ちょっと腰が痛いって言っただけで高級椅子を用意してくれた」と別の労働者に話せば、「ええ!いいなぁ、言ってみるもんだね。じゃあ私も多少大袈裟に言ってみよう!」という変な波及効果を生んでしまうことだって懸念されます。

なので、こういう話をする時は、お互いがお互いの事情、つまり雇用者や管理者、メンター側もしっかりと事情を話したうえで、着地点を見出せるようにコミュニケーションを重ねていけば良いのではないかと思います。まぁ…これをいくら強調しても「いや、雇用者側の事情を聞いてしまえば労働者側は従わざるを得ない」という反論も出てくるでしょう。ですので、これは私個人の思うこととして書いておきます。

中間管理の立ち回り

また、こんなこともあります。

例えば、祖父母が孫の不満を聞いて、その親に「孫がこういう不満を持っているんだ!そういう育て方を止めて、もっと優しく接してあげなさい。」と注意喚起したとします。でも、その親からすれば「じゃあ、私にも親としてそういう接し方をしてくれても良いのでは?」と思ったり「私には、親としてそういう接し方をしてくれなかったではないか?」と思ったりするでしょう。そのことを指摘すると、「お前の立場は、もう私たちと同じ側なんだよ。お前たちの頃とは時代も違う。とにかくお前は自分の子供にはこうやって接しなさい」と言われてしまい、結局間に挟まれた親だけが上下に苦労するというケースです。

雇用者と管理者と労働者という三角関係においてありがちなパターンですね。こういったケースの場合考えなくてはならないのは、管理者が労働者に対してしなくてはならないケアを、雇用者が管理者に対しても出来ないといけないというケースです。ある課長が部下に「お前」と呼んでいるところを見た部長が、「お前、部下にお前って言うな!」と課長に注意するケースですね(笑)。こんなことをしていては管理職が育ちません。

個人的な社会への心配事

何事においても「過ぎる」ことは良くないと思いますし、「適度」というのが必要です。労働者側からの強い意見や過度な不平不満が続くようだと、能力のある人であれば会社に属さず独立・起業思考が強まってしまうでしょうし、そうなると大企業やグローバル企業が弱体化してしまうことだってあるかもしれません。また、不満を言う人ほど労働者気質や帰属意識が強い場合もあるので、自分の所属する会社を自ら弱体化させる恐れもあります。

だからと言って労働者は泣き寝入りしろとか、不満を隠せというのではなく、不満に至った経緯や改善策を持ちながら雇用者に掛け合うと良いでしょう。そして、雇用者はその経緯を吟味し、改善策を検証しながらしっかりと向き合うことでお互い建設的且つ健全な働き方を追求できるのではないでしょうか。

様々な立場からの様々な言い分はたくさんあるでしょうが、日本の企業体が破綻してしまわないか、たまに不安になったりしますので、ちょっと書いてみました。

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