• ThreadsをTweetする不思議

ThreadsをTweetする不思議

「アカウント作りました、ぜひフォローをお願いします」というツイートをよく目にするようになりました。Threadsがローンチして1週間が経とうとしていますが、既に世界中で1億アカウントを突破したと報じられています。個人的な意見としては「Threadsの宣伝をTweetしている段階で、どちらの市場性が強いか証明されてしまっているような…」気がしますが、それもまだアカウントIDでしか検索できず、自然的な流入が見込めないからでしょうし、初期段階のSNSはそんなもんですよね。マーク・ザッカーバーグ氏も「10億人が見えたらマネタイズを考える」旨を発言していますが、今後のThreadsはどうなっていくのでしょう。

Twitterの危機!?

Threadsのアカウント開設がまるでTwitterへの当てつけのように伸びていますが、一方でTwitterはのんびりマイペースなイメージです。「元社員を引っ張った」とMeta側に牽制したりもしていましたが、そもそもTwitter自体のバグや不当なシャドウバン(Twitter側が不審な行動をしたと見做したアカウントに対して一時的なペナルティを課す機能)が起こったり、サークル機能の廃止やTweetDeck(主にブラウザ上で複数カラムのTL閲覧ができる機能)の有料版等、利用者にはあまり優しくない状況が続いています。
 

こちらはMetaのザッカーバーグ氏に向けて、ツイッターの弁護士(アレックス・スピロ氏)が書簡を送ったとされる内容です。

ニュースサイト「セマフォー」によると、スピロ氏は書簡で、ツイッターの機密情報にアクセスできる元従業員をメタが雇用したと非難。「ツイッターは知的財産権を厳格に行使する意向だ。メタに対し、ツイッターの企業秘密など機密性の高い情報の使用を停止する措置を直ちに取るよう求める」と述べた。

引用)ロイター

 

また、イーロン・マスク氏はTwitterのサークル機能(自分が選んだアカウントだけが自分のツイートを閲覧できる機能)を廃止することをツイートしています。

コミュニティやDMの改善に注力すべく、サークル機能を廃止していきます。

引用)@elonmuskより和訳

 

そして、今まで無料利用できていたTweetDeck機能もTwitter Blue(有料会員)利用者のみが利用できるサービスへと変容しました。

Twitterは7月4日、Twitterの公式クライアントであるTweetDeckの新バージョンをすべてのユーザーに展開したと発表しました。
あわせて、TweetDeckを利用するには、サブスクリプションサービスTwitter Blueに加入し認証を受ける必要があることを明らかにしています。つまり、今後のTweetDeckは個人でTwitter Blueに加入するか、所属する組織経由で認証済のユーザーだけが使える実質有料サービスとなります。

引用)テクノエッジ

 

こういったこともあり、Twitterではユーザーの不満や不信感を募らせる結果となっています。とはいえ、私はより良くするための機能拡張のための一時的な悪化と思っていまして…ジャンプする前の屈伸のように、多少縮んでしまうのは仕方ないのではないか、とも思っています。確かにサークル機能やTweetDeck機能は万人が利用するというよりは一部のユーザーが使い勝手として気に入っている程度だったので、マクロで捉えたりマネタイズに向けた機能として捉えたりすればテコ入れが必要だったのではないでしょうか。

ですので、Twitter単体で考えるならば、私はあまり危機とは思っていません。

本当にTwitterユーザーはThreadsに流れるのか

Twitterのマンネリ化や前項の各ストレス状況下の中、Threadsが絶好のタイミングで登場したことにより、Twitterユーザーの中にはThreadsに乗り換える、という人も増えています。とはいえまだ乗り換える意気込みを表明している段階かと思いますので、本当にThreadsに移行するかどうかは不明ですね。

まぁ私の個人的な見解で、根拠的な要素は薄いですが、TwitterからThreadsにユーザーがリプレイスされることは少ないと思います。そして市場が流れることも少ないのではないでしょうか。注力の差はあれば、Twitterは短文投稿を楽しむものであり、市場が完成されている状態であり、公私で利用できるものです。短文投稿には創造性を要しますし、それが自己研鑽にも繋がります。市場は既にあるので、そこにどうアプローチすれば良いかだけに運用注力できます。

一方でThreadsは長文も可能がゆえに自由度が高いため、文章をまとめる創造性を必要としません。そして長文の場合は他ユーザーの閲読意欲は下がってしまいます。つまり直感性が下がるし、読まれにくいわけですね。Instagramと連携していることが足枷になる人もいるでしょうし、今後の個人アカウントの人気度はThreads自体の利用市場の伸びに左右されます。「市場が伸びても良いように、(イノベーターは難しくても)アーリーアダプターにはなっておきたい」という期待値でアカウントを作る人は多いようですが、本当にそのアカウントを運用するとなると「?」ですよね…。

Twitterも運用してInstagramも運用してFacebookも運用して、そのうえThreadsも…なんてなかなかできませんし、だからといってまだ未知数なSNSに対して(Twitterを辞めてまで)本格運用するとは思えませんので、TwitterからThreadsへのリプレイスは考えにくいでしょう。片手間に投稿・運用しながら市場の様子を見る、という感じでしょうか。

SEOに従事している私のような者からすると、GoogleがTwitter利用していますしTwitterの投稿もインデックスしていますので、感情的にはTwitter派です。GoogleはMetaの各プロダクト(FacebookやInstagram)の投稿までクロールしていません(Meta側がコントロール)し、今後のGoogleの検索結果機能(Perspective機能:「視点」と称して、トピックに対する有識者のSNS投稿内容やメディア記事内容を検索結果に表示したりする)を考えると、ビジネス向けなら尚のことTwitter優位かと思います。

そうなるとThreadsの成長性に関しては、従来のSNSの発展と同じように、その国々における著名人の利用とバズ具合次第になりますね。そこはMetaの日本法人がどこまで注力するか…って感じでしょうか。

Clubhouseと同じ道…!?

時代なのかもしれませんが、SNSが登場して、話題性がありそうだと、とりあえずバババッとアカウント開設する傾向は強いですね。そういう意味でいえば、最近ですとClubhouse(音声のみのSNS)が招待制ということもあり、一時期ウワッ!っとなりましたが、その後はひっそりと…って感じですね。Twitterスペースに吞まれちゃった感じかもしれません。

ThreadsがClubhouseと同じ道を辿るとは思いませんが、SNSとはいえコンテンツ(投稿内容)がどうなるかが重要だと思います。このコンテンツが(繰り返しになりますが)、その国々における著名人の利用とバズ具合次第かと。

まぁ、私たちはSNSを楽しんでいるのではなく、SNSを通して人を楽しんでいるわけですからね。

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