ここ数日でかなり明暗が分かれているFacebookとInstagram。Facebookは守りに忙しく、Instagramは攻めに忙しい状況のようです。というわけで、最近起こったそれぞれのニュースについてご紹介したいと思います。
Facebookには何が起こったの?
米国時間9月25日、Facebookにアタックがあり、約5,000万に及ぶアカウントのアクセストークンのデータが漏洩したことをFacebookのエンジニアリングチームが発見しました。アクセストークンとは、簡単に言うと一度ログインした状態で続けて閲覧できるための認証情報のことです(初回ログイン以降にWebサーバー認証局が吐き出したアクセストークンでユーザーを認証するシステム)。ですので、Facebookは直ちにログアウトすることでアクセストークンの無効化を行ったため、今のところは事件にまで発展していないものの、非常に危険なインシデントであったと言えるでしょう。FacebookのIDパスワード情報を他のアプリケーションに活用しているユーザーも多いと思いますので、もしアクセストークンを活用してハッカーが様々な個人情報やクレジット情報を引き出していたとしたら大変なことです。
それにしてもFacebookは、世界No.1の知名度を誇るSNSとはいえ、良く攻撃されるメディアですね…。ユーザーとしてもちょっと麻痺している感は否めません。余計な個人情報は入れない方が良いかもしれませんね。
Instagramは?
Facebookの危機的状況に反比例するように、Instagramはイケイケドンドンです(笑)。ショッピング機能や動画コマース機能に続き、本日日本国内でレストラン予約機能提供を開始すると発表しました。
要はInstagramの投稿で見たレストランをそのまま予約できる機能です。ぐるなびに加盟している飲食店から順次追加される機能とのことです。
インスタ映えするメニューを持つ飲食店にとっては追い風になるかもしれませんね(インスタ映えがどこまで流行るか分かりませんが)。ユーザーはInstagramを活用することで、好きな写真を通して直感的に購入したり、予約出来たりするわけです。同じドメイン下で気付き(Attention)からコンバージョン(Action)まで一気通貫した動態が生まれるメディアというのは本当に強いですね。
ただ、同時に気をつけなければならないのは…そのInstagramとFacebookは繋がっているということです…。
引用)ITmedia
今後はどうなる?
Instagramに関しては、創業者の2名が退任します。もともと自由な発想で形成してきたInstagramですが、2012年の買収後、Facebook路線の意向が日に日に強くなってきた結果、窮屈に感じ出したのではないでしょうか。
Facebookはビジネス市場の拡大を第一に捉えている分、より合理的な機能を追い求めていますが、Instagram創業者は遊び心で動いている印象です。もっと明確に言ってしまえば、Facebookはお金を見ていてInstagramはユーザーを見ているという印象が個人的にありました。しかし、InstagramもいよいよFacebook体制1本になるわけですので、ユーザーの使い勝手がどう変わっていくか見物ですね。
Instagramにおいては、不完全な機能性であったがゆえに、ユーザーの#(ハッシュ)タグ文化が醸成されたり、ユーザーが能動的に機能を充足させて楽しんでいた感があります。しかし、Facebookは(時にはお節介だと思えるほどの)機能を充実させることで、ユーザーのクリエイティブな活用を制限させ、使い方のレールを敷いてしまうケースも多々あります。だからこそユーザーは飽きちゃったりするのでしょう。
そんなわけで、今の段階では立場の明暗がくっきり分かれている2つのメディアですが、シナジーによる好転を期待しつつ今後の方向性に注目していきたいと思います。